パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS1『BS特集』「日本 ロシア 領土交渉の道」

2005/11/16,17,18放送、50分×3、第1回「冷戦の時代」第2回「エリツィンの時代」第3回「プーチン時代へ」、出演:山内聡彦解説委員、丹波實(元駐ロシア日本大使)、アレクサンドル・パノフ(元駐日本ロシア大使)、コーディネーター:オリガ・コピヨーワ、リサーチャー:中里雅子、ディレクター:酒井裕/小越久美子、制作統括:三雲節/林新、共同制作:NHK情報ネットワーク、制作・著作:NHK
過去に放送したNHKドキュメンタリーをうまい事使い回すのは良い仕事。まあエリツィンやらプーチンやらに独占インタビューした事を自慢したいだけのようにも見えたが、面白ければ良し。
2002年頃はニュースを見ていなかったのでよく分からないが、検索する限り、二島先行返還論は外務省内での傍流ではなく主流だったようだし、そうなると領土交渉を話題にしたドキュメンタリーで、鈴木宗男氏や佐藤優氏に触れないのはかえって不自然な気もする。ちなみに、櫻井よしこ氏のブログによれば、今回インタビューに答えている丹波氏の事を、

ソ連の北方4島の占領は国際法違反であり、「勝者も敗者も無い解決」の次元で考えるべきものではなく、日本が返還要求するのは国際法上も正しく真っ当な要求なのだ。なぜ橋本氏はこんな発言をしたのか。氏にぴったりと寄り添っていたのが丹波實外務審議官(当時)である。丹波氏ら官僚たちが、日本のロシア外交を変えていったのだ。
http://blog.yoshiko-sakurai.jp/archives/2002/03/post_247.html

と、二島先行返還論者の一派としているが、この番組では丹波氏を「4島返還を実現し、平和条約を締結することを主張しています」と紹介していた。どちらが本当なのかは、知識がないので分からない。
2002年7月11日に開かれた衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会では、野党による宗男一派吊し上げ集会を予定していたが、参考人の和田春樹氏は宗男氏や二島先行返還論に近い考えだったために肩透かしで終了。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/002515420020711011.htm
参考人に質問した民主党武正公一氏は、

感想は、「鈴木宗男議員に対しての遠慮があるなあ」ということ。
また、自民党の抵抗の中実施した質疑だけど「参考人選定」にもう少し工夫ができなかったかな。
http://www.takemasa.org/diary/diary-2002-7.htm

と書いているが、和田氏は宗男氏に遠慮しているのではなく、宗男氏に一理あると考えているのではないかと。それとも参考人に和田氏を選んだ事自体が自民党の宗男氏への「遠慮」という意味か。文意がよく分からない。

様々な情報を総合すると、「北朝鮮やロシアとも仲良くやって、経済援助して、ついでに自分たちもちょっぴりおこぼれに預かろう」(=橋本派・野中・鈴木・佐藤氏等)と、「法と正義に則り、言いたい事は言うべきだ。というか利権をよこせ」(=拉致議連・対露政策を考える会等)とが政争を繰り広げており、ロシア学者やら圧力団体もそれぞれの陣営に分かれて戦い、メディアは両陣営の情報操作に踊らされていたという事だろうか。