『シカゴ7裁判』
スポットライトとかペンタゴン・ペーパーズとか好きだから、これも好きなタイプと踏んで観に行った。イオンシネマ岡山で一番でかくて最新の音響を供えたスクリーン(409席)に観客8名。午後からはちゃんと客が入る映画に割り当てられていたから、ネトフリとの契約で1日1回はでかいスクリーンで流せとかあるのかしら。そもそも洋画の公開が壊滅しているからなりふり構わずネット映画を引っ張ってきたのか、私にとってはありがたや、と思っていたけど、元々ネトフリとイオンシネマは提携しているらしい。予定通りの劇場公開1週間。
政府が送り込んだ天才エリート検事対反体制派に味方する常識破りの天才弁護士が論理を武器に自由と民主主義(とデモと暴動)をめぐって知的な攻防を繰り広げる法廷劇!を期待して観に行ったのだけど、実際には耄碌した判事が主役になり過ぎて天才検事なんか能力を発揮するところまで行かないのよ。まあ史実だから仕方ない。
葉っぱ吸ってフリーセックスしてるイッピーをあからさまに見下している白人エリート坊ちゃんトム・ヘイデンとアビ―・ホフマンの対立と和解が面白いのに、今も昔も分裂気味の左派が互いに歩み寄る萌芽が描かれているのが面白いのに、ボビー・シールに尺の半分近く使っちゃって。まあ史実だから仕方ない。
もちろん史実だから仕方ないわけだけど、創作としてこの脚本を提出されたら「プロットが散漫で、焦点がぼやけている」とか言っちゃいそう。これで緻密な脚本はちょっと賛辞が過ぎるのではないかと個人的には思うのだが、そもそも勝手に期待して勝手にがっかりしたのは私だけで、やっぱりよく出来た法廷劇なのかもしれない。
例の人称代名詞所有格、検索して他の人の感想を読むと「逆転劇!」「カタルシス!」みたいに書いてあるんだけど、そうだったの? 詭弁を思いついて内輪では大ウケしたけど、耄碌判事には全然通じなくて一蹴されましたって話じゃなかったの?やっぱり私は映画が読み取れない。
私にとってのラムゼイ・クラーク(映画で聞くとラムジーまたはラムズィくらいか。リンジー・バッキンガムと同じ綴りなんだから当たり前か)は、戦争犯罪でブッシュシニアを告訴したとかそれ系のニュースでお馴染みの左派なんで証言するオチは見る前から容易に想像できたのだけど、本当にああいうファンキーな感じのおっさんだったのかはわからないけど、とても魅力的に描かれていた。マイケル・キートン好きだから嬉しかったけど、もう主役を張る中年男性ではなく老人役よね。『マイ・ライフ』『ザ・ペーパー』の頃が私との蜜月時代。『バードマン』見てないけど、見た方がよさそう。
シカゴ7の主役たち、四半世紀後には民主党左派の中心となり、クリントン政権で要職に就きました的なハッピーエンディングだったら感動だけど、現実は若きメディアの寵児がみんな偉くなったりはしないよね。
エンドロールを睨んでいたら、アドバイザー的役職にトム・ヘイデンの名前があった(はず)。あんなこっぱずかしい坊ちゃんとして描かれているのに偉いなあと思って検索したら、2016年に亡くなってた。何となく生きていると勘違いしてた。思ったよりは偉くならなかった感じかな。フランスでいうとダニエル・コーンベンディット的ポジション。でもポートヒューロン宣言は思想的に評価されているみたい。映画内でアビ―・ホフマンも映画内で賢いと評価していた記憶もある。映画を見るとアクティビストだが、本来は思想家?
1968年の民主党党大会が米国のある種の人々にとってすごく思い入れの深くて郷愁を誘う世界史的出来事だった感じは、米国政治・文化に関するいろんな文章を読むと何となく伝わってくるのだけれど、それは1974年生まれの私が80年代のテレビ放送で繰り返し「衝撃映像!あさま山荘事件」みたいに見た感覚で刷り込まれたものと似ているのか。ある程度の中年は裁判に登場する人物を説明無しに「ああ、あいつか。あのキャラクターか」みたいに知っているものなのか。その辺の距離感は今ひとつ分からない。観た人みなが絶賛する映画開始5分の洗練された登場人物紹介を見ると、最近の人は彼らを知らないことが前提かな。監督としては、ミレニアル世代とかその次のZ世代のような50年前の情報を知らない、最近の民主社会主義やバーニー・サンダースに親和的な若者たちには新鮮なメッセージとして届くだろう、くらいの感覚だったのか。
1994年くらいに偶然『ETV8』で「あれから25年後のシカゴ7」みたいなドキュメンタリーを見て、現代史(近過去)ドキュメンタリーの面白さに目覚めた人間なので、思い入れのある題材、というのも観に行った理由の一つ。NHK教育で月曜から木曜まで週4回、プライムタイムの20時台に45分ドキュメンタリーを流していたという信じられない時代。
タイムライン検索すると「こんな良い映画なのにネトフリが全然宣伝しないから誰も知らなくて、全然客が入っていない!」と嘆く声多数なんだけど、ネトフリの戦略はよく知らないけど、仮に宣伝するとして山口二郎先生や五野井先生や中野晃一先生に「ここに真の民主主義がある!」「今こそアクションを!」「街頭に繰り出せ!」みたいなコメントを貰ったとして宣伝効果があるのかどうか、逆宣伝効果があるのかどうか、今一つ読めない。政治色をつけない方がいいのか、いやいやまさにこの映画こそ政治色を正々堂々臆することなく表明しようぜって映画じゃんと思うべきなのか。
スピルバーグ(1946年生まれ)がユダヤ系なのは有名だが、アーロン・ソーキンもユダヤ系なのか。1961年ニューヨーク・マンハッタン生まれ。
レナード・ワイングラス(1933年生まれ)がユダヤ系なのは名前からして自明だが、ウィリアム・クンスラーもユダヤ系なのか。1919年ニューヨーク生まれ。
アビ―・ホフマン(1936年生まれ)が証言台で「父は反ユダヤ主義に反対するロシア人で、渡米してホフマンに改名した」とか言ってたが、ウィキペディアみたら普通にユダヤ系だな。アビ―流の偽証かどうか誰も証明できない法廷ジョーク?
ジェリー・ルービン(1938年生まれ)は英語版ウィキペディアをみても出自は書いてないけど、テルアビブのキブツで働いてヘブライ語を勉強して…というからまあユダヤ系なのだろうと推測。
あの耄碌判事ジュリアス・ホフマン(1895-1983)もユダヤ系なのか。シカゴ生まれ、両親がロシアからの移民。まあ主役陣とは世代が一つ違う感じかね。耄碌していたのではなく、政府に買収されていたのでもなく、秩序と権威が何よりも大事な単純に古い世代の人間だったのかなあ。実は映画内で一番パーソナリティが気になる人物だった。それともこれまた私が映画を読み取れないだけで、あの判事は普通に政府の犬だったの?
陪審員が評決を下す裁判でも、判事が証拠や証人の採用にあれだけ口を挟むことが出来るなら、裁判を始める前から被告人を「こいつら悪人」と決めつけている判事なら、容易に有罪判決に導けるなあという印象。実際1969年当時のシカゴ地裁ではあのレベルの判事はどのくらいいたんだろうね。クンスラーがあんな表情をしてしまうくらいの大外れくじを引いてしまった驚きなのか、これだけ全米の注目を集める裁判なら普通外れくじが出ないよう操作するだろ常考という意味で驚きだったのか、実は驚くに値しないほどゴロゴロしていたけど映画の演出上ビックリさせたとか、そういう時代の相場観はわからんよね。
当時の裁判報道がどんなだったのか分からないけれど、あんな耄碌した運営を行う判事がいたら、公判翌日の地元紙で傍聴した記者から叩かれそうに思うけど、そういう風潮でもなかったのか。傍聴人も「あの判事、やべえよ」って言いふらしそうだが。この辺の時代の空気も見積もれない。
全米を揺るがす大事件が舞台で、全米で知られたメディアの寵児が主役なんだけど、ところどころシカゴから一歩も出たことないようなローカルな人物が混ざってて、彼らが物語の鍵を握ったりするのが人類の歴史の面白いところなのだろう。
元々ユダヤ系文化人は言論や表現の弾圧に敏感なイメージだけど、映画の企画に最初はベン・スティラーが絡んでいたらしいし、シカゴ7裁判という史実にはそれ以上にニューヨークのユダヤ系スタンダップコメディアンの琴線に触れる何かがあるんだろうなあという憶測。大真面目な社会派に不条理コメディが混ざったような史実。
電話番のお姉さん、知的でユーモアと毒と勇気があって魅力的よね。端役だからネットで検索しても何も出てこないかも、と思ってエンドロールで目を凝らしたよね。Bernardineさん。ベクデル・テストの数値を上げるための創作キャラなのかと思っていたが、Bernardine + Tom Haydenで検索したらBernardine Dohrn (née Ohrnstein)が出てきた。ウィキペディアに項目もある著名人。恐らくロバート・レッドフォード監督・主演『ランナウェイ/逃亡者』(2012)のモデルにもなった人。DeepL翻訳で本文を読んだが、実際に電話番をしたのかは分からないものの経歴的にはモデルっぽい(いま見たら映画『シカゴ7裁判』の英語版ウィキペディアにはBernardineからBernardine Dohrnにリンクが張られていた)。むしろSDS内極左メンバーにしてシカゴ大学ロースクール卒って、トム・ヘイデンとウィリアム・クンスラーを繋いだ最重要人物の可能性すらある。そもそもあの事務所、被告のSDS側の持ち物なのか弁護士側の持ち物なのか、私には全然分からなかった。
気になっていたことはだいたい書いたかな。おしまいっ!!

Race Course: Against White Supremacy
- 作者:Ayers, William C,Dohrn, Bernardine
- 発売日: 2009/02/15
- メディア: ペーパーバック
Hello! Project 2020 Summer COVERS ~The Ballad~広島公演
8月1日2日に1泊2日でこっそりハロコン広島公演に行ってきた。2週間過ぎて誰にも感染させてないようなので、こっそり記録しておこう。ブログに残すつもりもなかったので、公演後のハイテンションで匿名掲示板の一人で行く〇〇スレに感想を書き込んだ。それと被っているのは御愛嬌。
女性ボーカル/ガールポップ大好き、つんく信者というわけではない、ダンスには特に興味がない…あれ、これはそんな俺のためのイベントではないか、ここはひとつ苦境に立つアップフロント様にお布施を払う場面だ、というわけで、ハロコンへ行くことにした。ローソンチケットの一般発売で買う。
夜勤が9時に終わり、C公演の開演が15時15分、席別入場時刻は14時35分。私のツイッターをみている人は御承知の通り、夜勤明けはだいたい11時から14時頃まで寝ている。いつも通りここで寝ておかないと公演中寝てしまいそう。新幹線で行くにしてもどこかで仮眠せねば。そもそも新幹線も広島止まりを選ばないと乗り過ごしそう、などと悩んでいたら、10時50分岡山駅発~13時23分新白島駅着の高速バスを発見。正直バスは酔うので最終手段だがこれは乗って寝ていけと言わんばかり。酔う前に寝てしまうだろう。
土曜日に昼のCチームを観て、夜のAチームはスルー。ホテルに行って、タブレットでサンフレッチェの試合を見る。日曜日は昼のAチーム、夕方のBチームを観て、新幹線で帰る。
1人3分の持ち歌に3人1組ずつで3分トーク、80分で終了。最後にもう一度全員出てきて1曲するのかなと思いきや、なかさきちゃんのMCで会場の照明がついて終わった。初日Cチームの時は正直「えー、これで終わり?」と思ったが、2日目は順応した。
オープニングの『365日の紙飛行機』は歌い出しがCチームたけちゃん、Aチームフクちゃん、Bチームかなとも、だったかな。中間のソロパートはCチーム佳林ちゃんさん、Aチームふなっき、Bチーム佐藤まーちゃん、だったはず。ちゃんさんはこの短いパートでも独特の節回しを披露していた。
Cチームでは1階24列、Aチームでは1階22列、Bチームでは2階3列。1階の後列より2階の前列の方が観易い。オペラグラスでも買おうかと思ったけど面倒くさいし、歌を聴こうという事にした。
Cチームの時はテンション高くて、一人ひとりに寸評を書こうという気概があったけど、2日目はもう面倒くさくなってしまった。気合入れて、歌唱順もスマホでスクショして公演直前まで見ていたけど、始まったらスマホ開かないし、もう老人だからすぐ忘れるし、実質順番を知らずに観ているのと同じだった。
Cチーム
1山﨑愛生 手紙 ~拝啓 十五の君へ~ (アンジェラ・アキ) 「少年のような中性的な声で1ユニットに1人は欲しい声かもね」と思っていたら、翌日はがねちんの歌を聴いて「あれ、割と近い?」と思ったり。
2一岡伶奈 TOMORROW (岡本真夜) 印象に残らない上手さ。
3小田さくら もののけ姫 (米良美一) 聴かせにきているの?笑わせにきているの?ネタかベタか分からないのでツッコんでいいのかも分からない。原曲に詳しくないけど、冒頭失敗したよね?
4牧野真莉愛 夢をあきらめないで (岡村孝子) やじまんに似ている声。ちゃんとスタッフと相談してちゃんと歌ったら、ちゃんと歌えるんだ、みたいな。野球つながりで森高パイセンのファイトを歌ってほしい。合うはず。
5工藤由愛 さよなら 大好きな人 (花*花) サビはエモかったが、そこを一番上手く歌えるように逆算して全体を組み立てた印象。JJではもっと歌える印象だったけど、ユニットでのワンフレーズ歌唱だけでは力量は分からんね。
6横山玲奈 ひまわりの約束 (秦基博) キャラクター先行の人。ちゃんと歌えるのにちゃんと歌うべきか迷っている感じがあるのかな。亀井さんの「どっちのキャラに行くのかな?」的な岐路。飯窪さん的な方向へ行きそうな雰囲気だけど、まだ早い。
7笠原桃奈 あなたに逢いたくて~Missing You~ (松田聖子) 改めて平均値が高い。竹内2世。卒がない。ちょっと面白みと個性に欠けるかな。
8橋迫鈴 セーラー服と機関銃 (薬師丸ひろ子) 声に魅力がある。1ユニットに1人は欲しい声。
9浅倉樹々 カブトムシ (aiko) 3分間を自分のものにしているエースの歌唱力だ。積んでいるエンジンが違うと素直に思った。逆に訊くけど、ヲタのみんなはよくユニットのぶつ切りパート割で個々の能力を見抜けるよね。歌の解釈が噂で聞いた初日のちゃんさん『オリビアを聴きながら』並みに変というか個性的だった。アーティスト気質よね。
10岸本ゆめの やさしいキスをして (DREAMS COME TRUE)
11竹内朱莉 雪の華 (中島美嘉) きしもん、たけちゃんはハロヲタ的にはツッコミどころがなくて「上手いねー」で終わってしまう。
12岡村美波 あなたに会えてよかった (小泉今日子) MCでは、原曲と自分の声質が合ってないことを冷静に分析してた理知的な人。
13清野桃々姫 香水 (瑛人) ポニテだったからおかしいとは思いつつ決め手に欠けて平井さんかと思って最後まで聴いてしまった。今回、最後まで誰か分からなかった唯一の人。申し訳ない。だいたいはシルエットと声質で何となくは分類できるんだけどね。清野さんに個性がないというよりは消去法が効かなかった感じ。
14山﨑夢羽 愛唄 (GReeeeN) ソロフェスと今回と聴いても、まだ力量が掴めない。
15宮本佳林 オリビアを聴きながら (杏里) 事前の噂より普通。毎公演、表現を変えているそうだが。
16谷本安美 打上花火 (DAOKO) アーティスト気質よのう。
17植村あかり 駅 (竹内まりや) あーりーは初期と比べて上手くなった事が強調され過ぎというか、私の中ではソロだとまだ粗の方が目立つ感じ。
Aチーム
3小林萌花 私はピアノ (サザンオールスターズ)
4高瀬くるみ Time goes by (Every Little Thing)
8江口紗耶 Lemon (米津玄師)
9船木結 大阪で生まれた女 (BORO)
10段原瑠々 見上げてごらん夜の星を (坂本九)
11西田汐里 PRIDE (今井美樹)
17岡村ほまれ M (PRINCESS PRINCESS)
高瀬さんは、まあ上手いし、もらった曲も合ってる。けど、あまり興味がなくて申し訳ない。
個人的にはいつ聴いても小田や高木と遜色ないと思うのだけれど、玄人筋からは評価低いよね、フクちゃん。
Aチームでは、江口さやりんが最大の発見。歌えてる。声の伸びが良いよね。というかビヨーンズはみんな歌えるね。
Bチーム
3前田こころ 366日 (HY)
5伊勢鈴蘭 三日月 (絢香)
7高木紗友希 ワインレッドの心 (安全地帯)
11島倉りか スローモーション (中森明菜)
12北川莉央 ありがとう (いきものがかり)
13山岸理子 想い出がいっぱい (H2O)
15野中美希 Hello, Again ~昔からある場所~ (MY LITTLE LOVER)
17里吉うたの 赤い風船 (浅田美代子)
第1ブロックのトークがそろそろ終了、ライトが当たってない中央でおみずが待機してますって時間になってから、まなかんがエピソードを足して長々とMCを引き伸ばして順番待ちしているおみずのペースを狂わそうとしていた。あざかわライバル潰し!(妄想です)
高木金澤森戸ブロックはもりとちがなかなかのプレッシャーだったはず。でもまあ歌は好みの問題。さゆきの「試みていることは分かる。大げさにしないでサラッと歌ってみたいんだろう。でもこれじゃない」感。難しい。高木ちゃゆについては、ちゃんさんとの2トップがもっとも活きる使い方なのではないか。
狼にも書いたけど、カミコ島倉北川ブロックが楽しかった。「こういうのでいいんだよ」と。皆さんしっかり歌えるけどアピールは控えめなブロック。MCでカミコが「本家に歌い方を寄せるとカラオケみたいになって難しい」、北川が「J-POPをいつものハロプロ歌唱で歌うとおかしくなる」みたいなことを言ってたあやふやな記憶。続く山岸佐藤野中ブロックのMCでは、佐藤が「J-POPはリズムを刻まないから難しい」と言って、チェルが16ビート版ハローアゲインを披露して面白かったあいまない記憶。どっちに寄せるか、みんな悩んでるなあ。
ソロフェスのロマモーとこれで、私の中のかみこの評価はうなぎのぼり。ソロシンガーというよりは大人数ユニットのエースが似合う。モーニングの安倍なっちさんのように勝負どころの美味しいパートを全部任されるようなエース。
私の中では、ガールポップを聴きながら、アイドルとアーティストとシンガーと素人に分類。アイドルは音程が取れてて高校の同級生とカラオケに行ったら「上手ーい」と言ってもらえる感じ。アーティストは唯一無二の個性が溢れてて、それはそれで正解な感じ。目指せ、道重ちゃゆ。シンガーは音程が取れてて唯一無二の個性が溢れている感じを両立している感じ。将来も観客100人くらいの会場でずっとプロとして歌い続けられるといいね。素人はまあいずれも水準にも達していない感じ。ハロプロの偉い人が可能性を見込んで獲得したんだろうから頑張れ。
一番アーティスト味があった谷本さん含めて、つばきのオリメンは一癖も二癖もある人間ばっか集めているなあ。6人であのどよどよしたクールな感じで4年くらい続けてたらどうなっていたのかなあという歴史のイフも少し想像する。あの6人が正統派アイドルごっこやっているというのも面白いけど。逆にビヨーンズはみんな歌えるなあ。平均値が高いなあ。普通にアイドルとして歌える子達に変なギミック付けてみたのもまあ面白いのだろう。全然余談だけど、カントリーのオリジナル5は声質が良いよね。特徴的で印象的でかつ悪目立ちする感じでもない魅力的な声を5本集めました。今はまだ下手ですが、ももち先輩と一緒にやってればおいおい歌唱力はついてくるでしょう。でも生まれ持った唯一無二の声質はギフトです、という発想。
バースデーイベントなんかと違って、大人が選曲して大人が事前に練習をチェックして指導して、というソロ歌唱をみんな経験して、すごい成長が期待できるなあ、今後に繋がればいいなあ、と思いました。終わり。
ハロプロ楽曲大賞2019
例年、5つのユニットから5つの曲を、ずば抜けて気に入った曲がなければ各2点、みたいな投票をしてきたけど、今年は偏った選考をしよう。
純粋に良い曲とは別にハロプロらしい曲(意欲的なチャレンジして失敗した曲)を敢えて選ぶみたいな気持ちも昔はあったけど、大まかにでもあったつんく楽曲という縛りが全然ない時代になって、それはますます難しくなり、心の赴くままに選ぶしかないよね、今は。
次点では、モーニング娘。’19だと『人生ブルース』、こぶしファクトリーだと『ハルウララ』、アンジュルムだと『アッチャアッチャ』かな。
私には珍しく配信をダウンロードしてまで聴いたやぐやぐの新曲はピンとこなかった。
巷で名曲と噂される『高輪ゲートウェイ駅ができる頃には』が入っているBEYOOOOONDSの1stは今年扱いなのか。もったいない。ビヨの単独コン以外のカウコンやハロコンで披露されて他ヲタにも認知される来年以降だと票が伸びただろうに。卒業コンやLVの機会がないこぶつばビヨはアルバム曲を聴くためにライブハウスまで行かないといけないから、なかなかのハンデ。いや、お家で音源だけを聴いてもいいんだけどね。生歌やヲタの合いの手、盛り上がりも含めてのハロプロ楽曲という感じ。
ジュースジュースは『Borderline』が音源化されたら投票したいんだけど、数年経って音源化されても旬を過ぎてて投票意欲は下がっているよね。『あばれてっか』は初披露から長い事セトリから外れていたから音源化されなかったのもわかるけど、『Borderline』はめっちゃ現役なのにね。
第1位:BEYOOOOONDS/都営大江戸線の六本木駅で抱きしめて[CHICA#TETSU] 3.5点
絶滅寸前の可愛いガールポップ好きハロヲタなら事務所へのメッセージ込みでこの曲を選ばなければ、という義務感はある。
今年上半期はユーチューブでずっと聴いていた。CD発売になって買うとあまり聴かなくなった。まあそういうもんだ。最初は島倉さんに目がいってたけど、最近は西田さん。
第2位:カントリー・ガールズ/夏色のパレット 2.5点
“カーステで聴いた80’s♪”の歌詞とメロディが好き過ぎて聴くたび泣きそうになるんだけど、よく考えたら昭和歌謡好きを80’sとはなかなか言わない。音楽としての80’sって単語だとデュランデュランやヒューイルイスをイメージしがち。ここでは『Rock'n Rouge』とか好きな女の子よね。佳林ちゃんさんと田村めいめいと島倉りか様が恋のライバルと想像するのは楽しい。
第3位:Juice=Juice/ぽつりと 2点
ホールコンのオープニングがこの曲だったはず。かっこいい演出だった。
『微炭酸』『ぽつりと』『ひとそれ』のOL三部作(?)っていうのか、去年のつばきファクトリーみたいにグループのイメージを固める似たような曲を連発するのは悪くないアイデア。新規に初手でバラエティに富むところを見せても、逆に印象がぼやけるってのはある。
『Feel!感じるよ』とか『Dream Road』とか『この世界は』とか自己啓発っぽい歌詞が苦手なんだけど、『ぽつりと』は歌の力量や曲の路線はそのままに歌詞だけを生活世界にうまく落とし込んできて、まさにアウフヘーベン大成功。
第4位:カントリー・ガールズ/One Summer Night ~真夏の決心~ 1.5点
5人になって以降の曲はどうしてもやまおぜにパートを振ってしまいがちだったけど、この曲はふなが印象的なパートをもらってて好き。
第5位:つばきファクトリー/三回目のデート神話 0.5点
9人の年齢に幅があるから統一した歌詞イメージを保つのは難しいと思うのだけれど、声質に統一感があるのか、つばきの「歌」がけっこう好き。
ライブで映える曲をたくさん持っているのだから、良いライブをたくさんして9人で頑張っていればまた追い風も吹くだろう。卒業や追加が想像しにくいし、ユニットは護送船団方式の運命共同体だよ。頑張れ。特にきしもんとりさまるは遠慮せずに舵を取っていい。
推しメン部門
昨年の推しメンおみずには、1月にアルバムのイベントで似顔絵を描いてもらってブームはひと段落しちゃった。ソロライブを大阪と名古屋まで観に行き、改めて佳林ちゃんさんの凄みを感じた。工藤由愛ちゃんのダンスは今一番見ていたい。という辺りがノミネートで、12月26日まではカントリー・ガールズのエドヴァルド・ベネシュこと亡命政権首班・山木さんの推しでいることにしよう。こないだ最初で最後のファンレターも出したよ。
TL検索すると、アンジュルム楽曲大賞でも話題になってたけど、推しメン部門に対する忌避感が特に新規の人達にけっこうあるみたい。私の記憶だと、推しメン部門が出来たのは、2004年に紺野ヲタが『なみとま』に8ポイントぶちこんだんじゃないか疑惑が出たので、翌2005年から始まったのが歴史的経緯のはず。誰ヲタがどの曲に投票したのか紐づけ出来て傾向が見えると分析するにも面白いよね、っていうのが部門設立の主旨だろう。そもそもが人気投票ではない。が、誰が人気かという議論の材料に使われるのは避けられないのも事実。なら、集計しない方がいいのかも。しかし仮に主催者が投票結果をまとめなくても、結局誰かが全投票を調べて集計しちゃうのは目に見えてるし、それなら主催者が責任をもって公式発表した方がまし。いっそ推しメン部門を無くせという考え方もあるだろうが、前述の通り、本来の目的に適った使い方さえすれば、推しメン部門があった方が分析のために紐づけできる史料として価値があると個人的には思う。なので「投票結果を肴にしてヲタがワイワイ語ろうじゃないか」という楽曲大賞のそもそもの目的に適うように投票方法を変更すべき点があるとすれば、やはりみんな投票理由をもっと書こうよ!ということ。個の集積としての順位じゃなくて、個の思い入れの発露こそが楽曲大賞の肝なんだから、曲と点数と推しメンの名前だけ書いて投票するのを禁止した方がマシになるはず。まあ投票総数はすごく減るだろうけど。参加者の多さが力であり権威に繋がっていることも確かだから、主催者的には嫌だろうけど。