パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

「つばきファクトリー2025秋~ON AND ON~」大阪公演

NHK大阪ホール

2025/10/18 13:00~(2階BL5列5番)

2025/10/18 16:30~(2階M1列25番)

 

 事前に今回はほとんどがフルコーラスと聞いていたので(実際は全曲フルコーラスだったと思う)、ぶつ切りパート割りソロパート厨なので頑張って1公演目でチェックした。チェックし切れなかった数曲は2公演目に再チャレンジ。「ちゃんとステージを観ろよ!」とお叱りはごもっともなんだけど、実際にはまあまあステージとスクリーンを凝視していたはず。そもそも、もう何年も(ユニット披露ばっかで)フルメンバーフルコーラスで披露していない曲があるんだもん。八木ちゃんパートの後継を確認すること以上に、山岸本以来歌割りが更新されていない曲もけっこうあるんだもん。たぶん円盤にも配信にもならないから、ここで確認しないと闇に埋もれてしまうもん。武道館から秋ツアーの間にフェスやら何やらでフルコーラスが映像で確認できた曲はチェックしてないというか自宅でチェック済み。25春ツアーで既出だけど自分は参加してないから知らないだけって曲もあるがそれはそれ。ちなみに暗い客席で手元の紙を照らすのに優れているのは黄色系統だったけど、コンサート中マスタードを点けていたのは瑠乃ちゃんを応援するためで手元を照らすためではありません。信じて。

01.妄想だけならフリーダム

 

02.弱さじゃないよ、恋は

笑わないで聞いて(八木→秋山)

大丈夫、大丈夫ってはぐらかす癖(八木→村田)

その度優しくて(浅倉→新沼→秋山)

夢なのかな(新沼→福田)

それは覚悟(浅倉→山岸→八木→谷本)

 

03.意識高い乙女のジレンマ

つまらない子と思ってるよね他の子誘ったかなやっぱり行けばよかったな(小片→岸本→八木→小野)

恋を知らなきゃ愛はできない最近の世の中の冷たさもそのせいかも(岸本→豫風)

人生を2回にしてください(浅倉→福田)

恋も(新沼→村田)夢も(谷本)ゆずれない(浅倉→石井)意識高い乙女のジレンマ(山岸→小野田)

意識高い乙女のジレンマ(小片→小野→八木→秋山)

 

MC

 

04.ベイビースパイダー

大きな獲物ほど肝心はそう、タイミング(八木→河西)

隠してる爛々(新沼→八木→秋山)

準備だって怠んない(八木→土居)

 発売当時は「オサレな楽曲もできるよ」「オサレなダンスもできるよ」という外向けという印象だったが、武道館の豫風無双を経てみんなが歌える楽曲に育ったなあ、今のつばきっぽいなあ、パワフラと同じブロックに置いてもよさそうだなあ、と。

 八木ちゃんが歌いながら斜め後ろの段を登らされる場位置移動に自分だけ勝手に憤っていたのもはるか今は昔。新布陣で動線もスッキリ。

 「準備だって怠んない♪」「そのときを逃さない♪」の阿形と吽形感が好きだったので、楓奏ちゃんとゆってぃはシンメに配置してほしい。今回の楓奏ちゃんは中央にごちゃっといたような記憶。

 

05.月夜のパ・ド・ドゥ

輝くの(八木→村田)

最後に素敵な思い出を(八木→谷本)

無邪気すぎる約束が(八木→石井)

壮大なファンタジー(八木→秋山)

 可憐な声には定評のある安美ちゃんだが、この曲は音域が合うのか谷本史上でも稀な太くて強い歌声が聞ける。武道館での発声よりも良い感じ。

 つばきの他の曲は「一番高い所と低い所、同じ人間が歌うようには作ってないやろ」という感じだが、この曲は実はけっこう歌いやすい曲なのでは。「上手い人はより上手く、そうではない人もそれなりに」という感じもある。音程に気を取られない分、表現力に全振りできそうな感じ。ヲタが全員「推しがめっちゃキラーフレーズもらってるやん」と思えるという意味では『アタシリズム』に似ているかも。でもバーイベで独りで歌うって曲でもない。ひなフェスでJuiceかオチャに歌ってみてほしいね。

 

06.間違いじゃない 泣いたりしない

失っただけじゃないの(八木→谷本)

あんな嫌いだった自分も好きになれたの(新沼→石井)

いつか掴みたい(浅倉→八木→土居)

どんなときもthat moment in my mind(浅倉→八木→土居)

 「何回だってRemember♪」の後、やぎまりんが左右にエビのように開くところ、八木ちゃんがその後のパートを担当したことで半分崩壊していたわけだが、とうとう全消滅していてさみしい。

 その後のMCで瑠乃ちゃんが「真琳ちゃんの“本当によかったわ”が、心から本当によかったのが伝わってきてよかった」(大意)と話してた。

 

07.でも…いいよ

(ha…)(八木→小野田)

好きよダメだと思うほど(山岸→八木→谷本)

(分け合って埋め合って) (八木→村田)

 「ここにいて♪」を実際に生で歌っていたのはReALIZEだけだと思われた小野田さんだったが、武道館でのゆってぃのあれを聴いて魂に火がつかないはずもなく、このツアーはしっかり歌ってた。小野田さん、やれば出来るんよ。

 

 MCは昼夜とも福田豫風村田土居。08メンバーが待機中で、09と10のメンバーのうち若手の仕事ということか。04~07は表現力コーナーとのこと。

 

08.アタシリズム/谷本・河西・石井

 八木ちゃんが苦戦していた「やっぱ誰の代わりにもなれないや(↓)~♪」を軽々と歌いこなしてて、分かってはいたが改めてゆってぃは歌が上手いのう。

 「たった一度の自分誰よりもぎゅっと認めていたい♪」のエモいきそちゃんパートはやっぱり安美ちゃんが継がないとね。

 

09.愛は今、愛を求めてる/小野・福田・村田

 隠れた名曲だったはずが、少し前はセトリに乗り過ぎてて食傷気味で、最近ちょっとセトリが外れてて、久しぶりにちょうどいい塩梅に戻ってきて、おみずさんの「駆け引きとか自信がない証だよ~♪」が聴けて、このパートが大好きだったことを思い出した。

 

10.恋のUFOキャッチャー/小野田・秋山・豫風・土居

 落ちそうで落ちない人形の動きを、上手側の段々になっているステージからクルクル回って落ちそうな動きをして表現する瑠乃ちゃんが流石の天才パフォーマー瑠乃ちゃんだった。



11.My Days for You(第1部)

 

11.初恋サンライズ(第2部)

 事前情報では回替わりの11は悲しみがとまらない/MDfYときいていたので、初恋サンライズは完全ノーマーク。歌詞の準備無し。なので歌割りは分からないけど、場位置を確認したところでは、「帰り道で偶然に触れた指が熱い♪」(八木小野田)のところは(石井小野田)に、「少しずつ臆病な私卒業したい♪」(八木豫風)のところは(土居豫風)に。



12.My Darling

話したい(岸本→八木→西村)

 これは先にハロステで見た。改めてみると、卒コンでも歌った代名詞みたいな曲だったのに推しのソロパート少なかったよね。

 

VTR(衣装替え)

 

13.I Need You ~夜空の観覧車~

もうすぐで閉園の時刻(小片→八木→谷本)二人は海辺に臨んだ(浅倉→福田)

いざ観覧車に乗り込む時は(岸本→土居)

想いはあなたから口にしてよね(岸本→河西)I need you(新沼→土居)I need you(小野)I need you(山岸→石井)

もうすぐで頂上の地点(新沼→小野田→村田)ソワソワし出したあなたは(小片→河西)窓の外ずっと見つめてた(山岸→小野→石井)

笑って(山岸→村田)笑って(秋山)泣いた(浅倉→八木→谷本)

I need you(小片→小野田)I need you(浅倉→秋山)I need you oh(小野)I need you(山岸→石井)I need you(谷本)I need you oh(岸本→土居) I need you(秋山)I need you(新沼→村田)I need you(小野田)

 武道館以来、この曲は安美ちゃんの曲だし「泣いた♪」も安美ちゃんのパートよね。

 

14.イマナンジ?

私のDarlin’(山岸→豫風)

たまには少しいい子をやめて羽目を外してみたい(岸本→八木→福田)

午前0時(新沼→石井)

男の子(浅倉→■)たちがほら(小野田)よく言う決まり文句(新沼→秋山)女って(谷本)なぜ急に(小片→小野田→福田)不機嫌になるの?(小片→小野田→八木→河西)違うのよ(岸本→■)一つずつ(山岸→■)ちゃんと理由があって(秋山)言葉より(浅倉→豫風)態度よりねぇ(小野)私を見て(小片→新沼→河西)

 スクリーンにボーカルが抜かれないと流石に厳しかった。1公演目でスクリーンに映らないのは分かっていたから、対策として2公演目では肉眼で歌い手を捕捉しようと思ったけど流石に難しかった。いっそ目をつぶって耳を研ぎ澄まして声の主を当てるという手も考えたが、そこまでの自信もなかった。ンドゥールさんにはなれなかった。不明の所は順当に考えればひなーずの3人だが。「なぜ急に+不機嫌になるの?♪」を2つに分割しないでオリジナル通りに歌えば、理論上は11人できれいにぶつ切りパート割リレーができるわけだが。

 

15.ふわり、恋時計

君へ羽ばたきたくて(岸本→谷本)

めまいの自鳴琴なの空が廻るよ(浅倉→八木→豫風)

恋時計チクタク動き出した(岸本→小野)

なぜに出逢った(山岸→石井)誰にでも優しくて(新沼→村田)

恋時計チクタク急き立てるの(浅倉→福田)

ひらり、差し出す手が触れて(浅倉→八木→土居)めまいの自鳴琴なの空が廻るよ(岸本→河西)

恋時計チクタク急き立てるの(八木→小野田)

 04~07、13~15が「これぞつばきファクトリー」という秋ツアー最大の見せ場でした。

 

MCは全員でユニット曲の感想とか。

 

16.大好きなのに、大好きだから

 小野田さんがイヤモニ外してヲタの大合唱を満足そうに聞いてたね。

 

17.パワーフラワー

 「頭で考えず心でキャッチしよう♪」って、今までずっと河西小野パートだと思っていたけど、正式には河西のソロパートに小野がハモっている扱いなのかな。

 

18.アドレナリン・ダメ

 

19.断捨ISM

 夜公演、(おそらく別の用件で)下手にはけた瑠乃ちゃん→他メンバー勘違いして誰も下手の袖にタオルを取りに行かず→仕方なくスタッフが下手にある分のタオルを袖から投げ入れてメンバーが拾う→瑠乃ちゃん戻ってくるが余ったタオル無し→気づいた小野田さんが自分のタオルを瑠乃ちゃんに投げて、自分は上手までタオル取りにダッシュ。小野田さん、判断力も行動力もかっけえ。

 

20.今夜だけ浮かれたかった

 この日の瑠乃ちゃんは、昼公演も夜公演も「口を滑らすはずだった♪」で回っていた。未だに法則は見つけられないけど、やはりホールだとスペースがあるから回りやすい?

 

本編終了&アンコール。

 第1部開演前が「まりん」コール、第2部開演前が「まおぴんるのちゃんふうちゃん」コール、第2部アンコールが「つばき」コールだっけ? 事前打ち合わせをしないつばきヲタだが、うまいこと住み分けててた。

 

21.勇気It's my Life!

 やまぎっしーさんから八木ちゃんが受け継いだ「LALALA…It's my Life!」が全部いつきちゃんへ。

 「遠くまで来たって♪」で並んで前進してくるところが、やぎまりんから西村福田になってて、さすがにさみしかった。

 

MC

 

22.君と僕の絆

ちょっとつまずくだけで(八木→豫風)

平気なフリをして(浅倉→八木→村田)

 各自ペアになるところでゆうちゃんふうちゃんが仲良さそうなのがとても良かった。村田土居ペアは早急にコンビ名を考えてほしいね。

 

※01~03、12、18~22に西村参加


🐐 🐐 🐐 

 

 4月の卒コンの感想に

ワンハーフだったりそれ以上のショートカットだったりすると、オイオイのタイミングを取るのが難しいよね。メドレーとかだと普段と歌割りが違うのでコールする名前に迷いが生じるよね。今回の全曲披露の意図は充分理解した上で、次につばきをハロDDへ披露する機会があるのなら、ハロヲタなら誰でもハロコンやハロステでサビくらいは聴き覚えのあるポピュラーな曲を上から25曲くらいフルコーラスで、ユニット別とかにしないで全員出ずっぱり(ハーフタイムのVTRとアンコールの2回は衣装替えも出来るしね)で歌割りも完全再現して披露するのが良いのかもしれんね。古参おまいつヲタにコールを先導してもらって、場の空気を作ってもらって。

って書いて。ツアー初日の直前にツイッター

春ツアーはシングル中心で、ニューアルバム出たわけでもないし、6公演なら回替わりソロなさそうだし、カップリングもアルバム曲も総動員して秋冬っぽいコンセプチュアルな秋ツアーだったらいいな。フォーマルハウト楽しかったなあ~のイメージで。

って書いて。その願いの多くが叶えられた素晴らしいセトリだった。振り返ってみると、昨年の鼓動ツアーもセトリも良いし4つのブロックに分けたコンセプトも良かったのだけど、いかんせんライブハウスツアーだと90分だしワンハーフだしの物足りなさはやっぱりあるので、その意味でも本当に良いセトリだった。『低温火傷』や『純情CM』がなくても秋冬物の充実したセトリが組めるようになった。そしてフルメンバーフルコーラスでやった方がヲタも迷いなくコールが入れやすいんよ。個人的にはおまいつのための回替わりは撲滅して、同じ演目を何度でも完成度高く飽きることなく披露する興行であるべきと思っている。

 もともと2018年から福岡に来たライブハウスツアーを観に行くくらいにはつばき箱推しDDだったのに、ここ3年くらいは正気を失っていたけれど、今回のコンサートを観に行って曲もメンバーも等しく好きなつばき箱推しに戻れたなあという感想。灼熱は曲やパフォーマンスを楽しむイベントではないというか、8月に新生つばきを観た時はこういう感情にはならなかったので、やっぱりちゃんとしたホールコンサートは大事だよ。

 みんなめっちゃ歌が上手く聴こえて、特に真琳ちゃんが発声を変えたのかと思うくらい声質はそのままに太くなったような気がしたのだけど、数日後にあったバーイベの皆さんの感想を読むとそうでもないようで、会場の音響が良かったのか、バックトラックよりボーカルが前面に出るバランスが良かったのか、あるいはみんな段原教室に通ってマイクへの乗せ方が上手くなったのか。そこは分からんけど、まあ充実の布陣。ハロプロ現役メンバー中で在籍日数トップ10に4人入っているのだから、円熟のベテラングループである。

 ツアーファイナル夜公演のダブルアンコールはすっかり定着した予定調和のハプニング。なので、スタッフさんがOKを出す前に安美ちゃんがステージに戻っちゃうのも分かる。なんならいっそ、館内アナウンスさんにも照明さんにも事前に伝えた予定調和のダブアンでいいんじゃないかと思う。「お前ら、終わったから早く出てけ」感が伝わってくるイライラしたアナウンスさん、いるよね。

 いつきちゃんは真面目というか完璧主義者なのかな、という感じ。岡田武史風にいえば、グラウンド周りを走るときにズルをせずカラーコーンの外側をちゃんと回って走る感じ。振りVを見て分からない箇所は「ここは手はグーですかパーですか?」まで先輩に確認してそう。先輩たちの「しっかり質問してくるけど、もっと頼ってくれていいんだよ」っていう評はそういうことかな、と。感情よりも技術重視タイプかな。慣れてきたら心配ないだろう。

 楓奏ちゃんの方がちょっと心配。歌もダンスも未経験から、模倣が得意で、何事にも全力で取り組んで、愛嬌もあって、すごいスピード出世だったけど、ちょっと壁にぶつかりそう。どうやって個性を出すのか、ダンスを基礎からやり直すのか、いろいろ迷いが出るタイミング。相談する相手として一番向いてそうなのはゆってぃかな。

『アイドル・オーディション研究』

 

放送文化基金から助成を受けたアイドル文化研究会による論集なのだが、研究会として集まって喧々諤々して目を揃えた(by風間八宏)感じがなくて、各々が各々の視点で好きなように論文を書いている感じは否めない。その感じの正体は後述するかも。

第1章(太田)70年代文化としてのスタ誕がうまく説明されてて流石の筆力。74年生まれの自分は1回か2回見た記憶がある。あの時代のバラエティ番組の疑似家族感とかクラス的一体感とかはやはり実際に見てないと説明しがたいような気もする。『アメリカ横断ウルトラクイズ』とか『欽どこ』とかああいう感じのと並列しないと見えてこないような気もする。「テレビの説明じゃなくてアイドルの説明なんだよ!」と言われればその通りだが、やっぱり不可分よね。

第2章(塚田)太田の言う「応援と批評」と塚田の言う「ロマン主義シニシズム」は同じことを言っているのではないか。後者にはネットの匿名掲示板が加わっただけで。20年経ってみると、北田先生の『嗤う日本の「ナショナリズム」』はまさに予言の書(「アイロニカルな没入」を発明した大澤先生の方がより偉大かもだが)だった感があるわけだが、スタ誕が始まった70年代からお茶の間でテレビに向かってツッコミを入れるプロデューサー気質が国民に蔓延して、それが50年経ってみると…という話を執筆者の目を揃えて書いて欲しかったかな。

第8章(上岡)も、この何十年ずっとリアルでは何の関係もないテレビの中の人にツッコミを入れ続けたら、SNSによってツッコまれた人に届くようになっちゃった、というそれだけの話でもあるだろう。それだけの話が今や大ごとになってしまったわけだけど、それは技術的に改善できる部分もあるだろうし、アイドル・オーディションが本質的に持っている「よくなさ」みたいな話にはちょっと乗れないかな。とはいえ、この章は当事者研究とかフェミニスト現象学の話としては面白く読める。

第7章(境)、70年代にレバノン、チリ、インドネシアでもオーディション番組が始まっていたという指摘が面白かった。やっぱりお茶の間へのテレビ普及と新自由主義って関係あるんじゃないのか!?というのは冗談にしても、北田先生と小熊先生とで「メディアと新自由主義 1970-2020」みたいな共著を書いてほしいのう。

第5章(小埜)、一番面白かった。本人が男性ジャニヲタなのか、ファンダム当事者研究になるのか。他人のツイートを収集して分析しながらもそれに対する解説が当事者よね。西兼志や長池一美の先行研究を援用したスター性の付与に関する論には正直あまり説得されなかった。学者の論文として体裁を整えてきたな、とは思ったが、著者はヲタ当事者として本当にそう思ってる?あれだけの不祥事を起こしてもなお魔法が解けない、事務所/システム/創設者の聖性が解けないっていうのは、物語消費論だと説明できない気がするんだが。選考過程にファンが一切関われないが故に、システムの聖性が解けたらシステムによって付与された個々のメンバーのスター性も消えそうな気がするんよね。この論集のなかで毛色の違うこの論文、研究会なら他の会員から相当批判されるというかツッコまれたはずと思うのだが、その辺が見えないので一番最初の感想になる(目が揃ってない)。

終章(辻)、「個人化したスター」「スターへの成長過程を個別に見守られる存在」とは何か。それって「株」じゃね?前にも書いたけどK-POPライターのいう「K-POPの推し活は株主意識」がまさにピッタリよね。上がっている限りは期待して応援して見守っているし、他人に薦めることもあるけど基本的には個人的な応援対象で、スキャンダル等で暴落すると(人間に対しては基本やらないような)罵詈雑言を浴びせてもいいと思っている。まさにこれ。アイドルは株なんよ。

スポーツ観戦兼ヲタとしては、スポーツとテレビ、スポーツと教育、スポーツとルッキズム等々アイドル論が参照できることはいっぱいありそうに思うけど、あいかわらずそういう感じにはならんよね。新自由主義下の中産階級のための“サーカス”(パンとサーカスのサーカスね)という共通点もあるだろうし。日本プロ野球のドラフト制度(1965年開始)なんかも、やらかしては改善しやらかしては改善し…を繰り返して今ではステークホルダー全員がそこそこ納得できるような制度になっている。そういうのも参照してアイドル・オーディション論を書いてもいいと思うんだけどね。

余談。ゼロ年代のハリウッド映画における表象だと、中産階級はバカでかい横長液晶テレビで有料衛星放送を楽しんでるけど、サウスブロンクスの貧しい黒人家庭はちっちゃいブラウン管テレビで地上波を見てるぜってイメージなんだけど、最近はどうなんかね。Bボタンとか赤ボタンとかついているテレビじゃないと投票も出来そうにないけど、貧困家庭でも買える最低限のテレビがどんなのか想像つかない。スマホがあればいいのか。アラフィフ孤独男性なので、この手の娯楽が楽しめる貧困ラインみたいなのが想像できない。終章でいうところの趣味の個人化、推しの個人化があるので「投票できないと、明日学校でハブられちゃうよ!」みたいなことは起きないのか。

第4章(小川)、アイドル論の参考文献に載っている『音楽する社会』(勁草書房、1988年)『メディア時代の音楽と社会』(音楽之友社、1993年)の著者がまさかの現役でびっくりした。テレビ時代のアイドルという本書に通底する話をイカ天を使って論じるという、この研究会が何をやろうとしているのかよく分かっている感が伝わってくるけど、孤高という淡々とというか他の著者と問題意識を共有している感じにも見えないのが面白い。『メディア時代の音楽と社会』が国会デジコレで読めたので奥付を見たら1952年生まれだった。著者の生年を載せない昨今の風潮には抗っていきたい。どの世代の人が書いたのかはテクストにとって重要な情報だよ。作者は死んでないよ。『メディア時代の音楽と社会』内の「バンドブーム」も読んだよ。リアタイで書いたものと30年後に書いたものとを読み比べが出来るのも読者の権利だよ。1950年生まれの書いた冷戦史と1990年生まれの書いた冷戦史を同じように評価できるわけないだろー。

四季ヲタが転生したらハロプロアイドルだった件(9)

11.ファースト武道館の話

【新メンバーの『うるわしのカメリア』を見て】

福田「わたしたちの時よりダンス上手いな。私たちが『うるわしのカメリア』やった時は、ほんとに「足の角度」とか「手の角度」とかめちゃくちゃ先生から言われた」

(『ロクマル』24年6月11日放送)

豫風「リトキャメの4人で披露した『うるわしのカメリア』あるじゃん。めっちゃ指導された」

河西「そうだね」八木「分かる」

豫風「先生にちょー指導された」

八木「腕の角度とか、足の上げる角度とか」

河西「(腕の)下ろすタイミングとか」

福田「タイミング、めっちゃ揃えたよね」

(『革命の五文字』)

豫風「初めての武道館のリハでさ、瑠乃だけリハをけっこう経験してた」

福田「研修生だったからね」

豫風「そう、だから瑠乃ね、最初「瑠乃が先輩ズラしないと」って感じで、舐めてたんだよね」

福田「舐めてたの!」

豫風「で、踊ってみたの。そしたらみんな瑠乃より全然上手くて、ちょっとぎこちないけど、めっちゃ才能があるから「ヤベー」って思った」

福田「そんなことないよ」

河西「うちらめっちゃ怒られたもんね」

福田「そう、めっちゃ怒られたね」

豫風「足上げろ!」

福田「足が動いてない!」

河西「それも今となってはいい思い出だし、愛のある…」

豫風「『うるわしのカメリア』」

河西「そう、『うるわしのカメリア』で、愛のあるご指導を受けました」

(『リトキャメインスタライブ』25年7月7日配信)

 最初の武道館の『うるわしのカメリア』は、初見でハロヲタの度肝を抜くようスタッフも周到な準備をしていたんだなと。手の角度、足の上げる角度、腕を降ろすタイミング等々まで、普段はそんなに細かく振り入れとかチェックしないよね。恐らくその後このデビュー時以上に言われたことがないので、ずっと印象に残っているのかな。あるいはそれ以降も要求される水準は上がっているし怒られもするけれど、やっぱりデビュー時のエピソードがいつまでも頭に残るものなのかな。

河西「1年前くらいに、4人で初めてFCイベントをした時に、自分たちで何もかも決めたんですよ。それまでは先輩方と一緒にリハーサルをしたり、先生方が場位置をつけてくれたんですけど、自分たちで全部やるっていうことが初めてで、その中でもハロプロ研修生だった豫風瑠乃ちゃんが率先していろいろ頑張って決めてくれたりして、いざパフォーマンスをしたんですけど、悔しい思いをしました。、もうちょっとこうできたんじゃないかなっていうのが自分たちの中でもあったので、また4人だけのFCイベントとかをできたら成長をみなさんにお見せできるかなって、今感じています。」

(『HOMINIS』23年1月7日配信)

 その意味で、翌年2月の五周年ライブは期待値が上がって、みんなが「あなたたち、出来るんでしょ」って眼で見てくるから余計に大変だったかもわからんね(上記エピソードは21年12月の新メンバーイベントでのことだが、五周年ライブも出来ないことがあって悔しかったといろいろなところで話している)。ファースト武道館のリハは4人だけ別に付きっ切りで教えてもらったし、カウコンやハロコンはファースト武道館でやった曲が多いし出番も短い。リハから先輩たちと同じペースで全曲参加はこれが初めて。

 そういえばファースト武道館は録画したものがあるからブルーレイを買っていなかった。ブルーレイのメイキング映像にはこの辺りのエピソードもあるのかな。

 

 

12.ハロモバQ&Aで個人的に面白かった回答3選

 有料コンテンツだが今となっては削除されているので引用お許しを。

Q.好きな歌詞のフレーズを教えてください。

A.Juice=Juiceさんの「KEEP ON 上昇志向」より「一つ夢を叶えたなら次の夢にシフトチェンジ」です。

 卒業した後に読むと、ヲタ的には刺さるね。

Q.イケメン男子になった気分で、キザなセリフを一言!

A.家事なんでもやるよ!

 イケメン=家事やる、という発想がユニーク過ぎる。『行くつば』「イケメンチョコパラダイス」(25年2月10日放送)の時も一人独特の戦略をとっていた。他人との差異化を敢えて図っているのか、自分の心に素直に従ったら他人と差異化してしまうのか。

Q.自分の性格を四字熟語で表すと?

A.自由奔放 マイペースで人にあまり合わせることが無く、自分のやりたいことを自由にやるから。

 これも他己評価かな。

 

 

おわりに

 あえていえば、実証主義史学的に書きたかったのは「01.卒業の話」「02.正義感のある谷本さんの話」で、03以降は調べるほどに楽しくなってキリがないので強制終了。時間を吸われる。

【今回皆さんの手紙の文才も見る企画でしたが、収録を終えての感想をお願いします】

八木「難しかったです。一応、弁論大会に出たことあるんですけど、その時も『こんなことを話したいです』ってちょっと頑張ったものを持っていけば、先生が添削して正しい形に仕上げてくださるじゃないですか。だから、私が書いた状態のままで見てくださるのが新鮮だったし、『私もしかしたら1から物事を作り上げることがすごい苦手なのかも』と思って。例えば大喜利とかもお題作ってって言われても絶対できないと思うんですよ。お題があるから答えが出てくるわけで。だからファンの人に手紙書いて言われて手紙書くのは、難しかったですね。私ずっと変なこと話してます?(笑)」

【そんなことはないですけど...自分の言葉にするのが苦手、だと最初言っていましたが、そういうところですよね、きっと】

八木「もしかしたら私って、感情をそこまで表に出して無いですか?」

小野「言葉にするのが上手で賢いと思います。例えばリハーサル中、自分が違うなと思うことがあるとちゃんと言える人だから。そういう意味では言葉にするのが上手だと思ってたけど、感謝の気持ちってなると確かに難しい...」

八木「確かに。論理的に考えちゃって、感情的に文を書けないんですかね。難しいな~」

小野「でも感情的でしたよね?」

【はい、とっても素敵な手紙だったと思います】

八木「ホントですか?私的にはちょっと単調すぎたかなって思います。何書けばいいかわかんなかったから...」

【本当は伝えたい感謝がもっとたくさんあるということですよね?】

八木「いっぱいあります!」

(『HOMINIS』24年10月21日配信)

 論理的に説明するのは得意だけど感情を表現するのは苦手だとか、今あるものを批判的に見るのは得意なのに0→1の自由研究が苦手とかTシャツのリメイクで特にアイデアが出てこないとか、夏休みの宿題は最終日に答えを写すけど答えを写しながら逆に問題文を推測すると意外と勉強になりますよとか、そういうところにシンパシーを感じながらずっと推しを見ていたわけだけど、感謝の気持ちを伝える手紙の反省に「単調すぎたかな」が出てくるのが八木ちゃんらしいよね。あくまで技術論。こういう面白ポイントをずっと書き出してずっと語りたい。いつかまた。

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 24年4月に自分が会社を辞めたとき、卒業は26年6月だと推測していた。根拠は例の5年契約という噂で、噂は噂でしかないけど、過去の卒業メンバーからして大きく外してもいないだろうし、八木ちゃんのキャリアプランとしても大きく外してはいないだろうと。自分は休日がカレンダー通りではない(土日出勤あり)仕事だし、希望休もたくさんはとれないし、2年くらいなら食っていける貯金があるのに八木ちゃんがアイドルをやっている貴重な残り2年を仕事で観に行けないとか人生の意味なくね?くらいの勢いで、そこから卒業までふんわりとではあるが地方在住者として行けるイベントは後悔なく全部行く決意だった。

 3月31日~4月1日かな、最後の出勤日の夜勤中に上海公演開催が発表されて、もちろん辞める事を決めた時点では海外公演に行くなんて考えもしてなかったけど、これはまあ何かに呼ばれているんだろうなあと思って期限の切れていたパスポートを再取得して、地方人らしく苦労しながらビザも取得して上海まで行ってきた。もちろん楽しかったけど、変なスイッチ入ってたね。今後の2年間についてちょっと覚悟も出来た。

 そんなこんなで8月には3度目の灼熱にも東京経由で行き(第1・2回の、夕方退勤後岡山→京都~夜行バスで河口湖、河口湖~夜行バスで京都→岡山で朝エクストリーム出社みたいなのも面白いっちゃ面白いんだけどね)、秋の鼓動ツアーは10公演くらい申し込んで、金に糸目も付けず希望休も気にしないでチケットを申し込めるのは最高だぜーと思っていたけれど、まあ9月のバーイベ前後に気づいてしまった。実はステージ上のアーティストとして魅了されているわけではないのではないかと(もちろん歌唱も当然好きは好きだけどね)。それ以上に本人のパーソナリティに惹かれているのかなと(基本在宅ヲタはパソコンの前で情報を食べているところあるよね)。いざ気づいてしまうと「よーし、あらゆるイベント現場に行くぞ」という決意も少し鈍ってきて、これから26年6月までどういう方針でヲタ活を続けようかと思案していた(これまで載った雑誌を買い集めたりブルーレイを買い集めたり、金に糸目をつけないで情報を食べる選択もあるよね)。そんなさなかの25年1月、ヲタ活、強制終了。幸か不幸か終わりが見えた方が動きやすいというのはある。予算に1年分の余裕が出来たし。2月の終わりから『行くつば』の公開収録、Bloomin’、ひなフェス、リトキャメファイッ、武道館と、岡山・東京を5往復したからね。義務感よりも楽しさの方が上回ったのは嬉しい誤算。楽しかった。

 24年9月、最後のバーイベのセトリは(ラストの『Oh, Sunny Days!』を除くと)荒川1部が『The Vision』、2部が『次の角を曲がれ』、名古屋1部が『ENDLESS SKY』、2部が『ドンデンガエシ』。よほど鈍感じゃなければ気付くよね。言われてみればその通りなんだけど、自分は何故かそうは思わなかったんよね。何故なら契約で5年と決めたら5年やるだろうと思ったんよね。契約を盾に会社側が辞めさせないという意味ではなく(良くも悪くもプレイヤーファーストな会社だからね)、本人が一度決めた事を途中で柔軟に路線変更するのはなかなかないだろうと勝手に予測しちゃった。目の前で起きている事象を虚心にみるより自分の思い込みに囚われているのはまさに自分でした。ちゃんちゃん。