パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS1『戦後60年・歴史を変えた戦場』「チェチェン・混迷の11年〜紛争とテロの背景(HOT SPOTS: CHECHNYA)」

2005/8/27放送、50分、日本語版導入:山内聡彦解説委員、プロデューサー/ディレクター:ポール・ミッチェル、制作:BBC(英・2005年)
公的な立場にある人間がカメラの前で証言するのは何らかの意図があるからで、例えばセルゲイ・ヤストロジェムブスキー(プーチン大統領の補佐官)ならばロシア政府の公式見解を広めたいのだろうと想像出来るけれど、それではルスラン・ハズブラートフなんかは1993年以後にどんな立場をとり、そして今はどんな立場にいるのか、少なくとも自分は全然知らない。正直ハズブラートフの画面に出すテロップは「チェチェン人政治家」ではなく「この人の話は眉に唾付けて聞いて下さい」ではなかろうか。ただ「証言を字面通りに受け取ってはならない」などと言い始めれば、結局マイナー地域を扱ったドキュメンタリーを日本で放送する事自体の難しさを語らなければならなくなる。
エンドロールには「制作:BBC(英・2005年)」とあったが、検索してみるに、BBC4で放送されたのは2004年7月のようだ。当然、2004年までの事実しか記録されていないわけで、日本語版スタッフはエンドロール前に「2005年3月、マスハドフはロシア軍によって暗殺された」くらいのテロップは入れるべきだったと思うのだがどうだろう。やや怠慢くさい。それから『戦後60年・歴史を変えた戦場』シリーズは、最初の3回、自局製でやる気を感じたのだけど、ここ2回は外国作品の翻訳。番組を作るのが面倒臭くなって枠を『BS世界のドキュメンタリー』班に譲っちゃったのか。
『BSドキュメンタリー』の枠で、「チェチェンで何が起きているのか〜母親たちの告発」というのが予定されていたのだけれど、9月3日放送予定が9月17日に延期され、その後消えてしまった。恐らく、ネタを持ち込んだ外部製作者(武装勢力はロシアの侵略者と戦っているんです)対NHK(テロリストを善に描く事はまかりならん)辺りで揉めていると思われるが、もちろん邪推に過ぎない。
余談だが、自分の中の小泉首相に対する既視感はエリツィン大統領だと分かった。何となく口だけ改革姿勢とか天才的な政局勘とか。