パロップのブログ

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『BS世界のドキュメンタリー』「検証・スウェーデン年金改革(Who Wants To Be A Pensioner)」

2004/10/13放送、50分、プロデューサー:ダン・ヨーセフセン、構成:ハンネス・レーステム、制作:スウェーデン・テレビ(スウェーデン・2003年)、日本語版導入:飯野奈津子解説委員
スウェーデンの国営的と思われるテレビ局による政治家批判。与野党の執行部からなるワーキンググループが議会も党員も置き去りに制度改革を進めた事への批判。社会民主党は「新制度が社会民主主義的でない」「そもそも国民への説明不足」という党員の批判を執行部が「もう他党と合意しちゃったから」と抑えたらしい。日本でもあった光景。政党間合意は今さら反故に出来ないのも各国共通。
「基金が底をついた場合、保険料は固定し、その分支給額を減らす」「基金は株式へ投資して増やす」という決定した制度への批判と、「国民へ説明せずに政党上層部で秘密合意した」という手続きへの批判が混ざっているのが微妙。
そもそも改正の理由が「普通のやり方ではもう年金制度を維持出来ないから年金使って国民全体でギャンブルしてでも増やそう」「ギャンブルは資金が多い程、最終的に勝つ事が多い」「長期スパンならばこそ株式投資は儲かる確率が高い」「よって年金基金を株式に投資するのはロジカル」という結論は、過去の経済学上の数字からは間違っていないのだろう(経済素人だから、間違っているかもしれない)。
よって批判するなら「損得の問題ではない。国民の金でギャンブルするな。ギャンブルするなら、まず国民に聞け。聞かれたら『受け取り金額が減っても良いからギャンブルするな、馬鹿』と発言するから」という論の展開をすべき。「始めて2年で、株式投資の失敗により資金の4分の1を失った」という結果を批判するならば、数年後に株価が上がった時「政府グッジョブ!」って言わなければならなくなる。