パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

CS「第15節・浦和レッズ戦」

11/28、主審:砂川恵一、実況:寺西裕一、解説:戸塚哲也
今週の『サカマガ』に掲載されていたハンジェのエピソードに、岡山県民としてちょっと泣けた。
今シーズン、広島の試合は相手の良い所を封じる代わりに自分達の良い所も出ないで、結果としてまったりした退屈な試合になる事が多かった。そのなかで必ず数回ディフェンスラインで勿体ないミスをし、抜け目無い相手だと失点に繋がり、下位同士の対戦だとお互いにミスからもらったチャンスをミスで逃す展開になった。
個々の力で負ける事を前提にチームをつくっているので、相手が1人減ってもそれに応じた戦い方が出来ないのは仕方ないのかもしれない。多分広島にとっても相手が少ない方がやりにくいので得していない。ネネの退場は「審判空気読め」というより「ネネ空気読め」だ。DF本能が勝手に反応したのだろうが、チアゴなんてGKと1対1にしてもゴールの確率はせいぜい3割。というか開始5分で1点先制されても構わないだろうに。
インディアンサマーな前半を終え、ハーフタイムの個人的な予想としては、ベットに替えてハンジェを入れて中盤を活性化→大木に替えて盛田を入れてロングボールを増やし→疲れたチアゴに替えて前俊投入、だったが、実際には西河→ハンジェ。サイドに流れるエメに駒野がついていく4バックは納得出来る。
しかしカズと駒野がいた右サイドに比べて浩司と服部の左サイドが弱かった印象。全方位的に動いていたハンジェが右にいる際、左にボールを振られるとかなり突破されていた。小村にしても吉弘にしても個々は能力の100%で頑張っていたし、凡ミスの場面以外はよく抑えたものだと思う。
仲良さげな大木とレッズ山田はユース代表で同期だった記憶。山田の方は「大木レベルにはやられんわ」と思ってそうだった。
………
今シーズンも終了したので、まとめを少々。
色々と面白い動きをしてくれるチアゴだが、DFへのチェイシングなどをみるとサッカー選手として足りないものがあるというか、点だけとればFWとして合格というチームにいけば爆発する可能性もあるだろうが、少なくとも今の広島に必要な選手ではないと思う。面白アイディア系FWならば前俊がいる。また今日のような1人多い展開になった時、実績からいってもポジションからいってもベットが中心になって、相手を焦らすようにボールを回したりなどゲームをコントロールして欲しかったが、そうはならなかった。体調が悪かったのかもしれないし、同僚リカルド戦力外にモチベーションが下がったのかもしれないが、出来ればもう少し芯になる選手が欲しい。そういう事で、来シーズンはブラジル人総入れ替えを希望。
来シーズンの優勝争いに向け、降格がほぼ無い今シーズンに全体の底上げを計ったのだとすれば、成績はそう悪くない。第1ステージで対戦した上位陣には点差以上に内容で圧倒されていたが、第2ステージはどことやってもある意味互角のグダグダ内容に持ち込めていた(清水に3点差で負けた以外は全て負けても1点差)。また小野監督のチーム作りにも満足している。「若手を使わない」という批判も多いけど、サテライト含めてほぼ全員(GKを除くと恐らく西村/高木/大久保だけ)が2〜3試合起用されているから「悪平等」と云っても良いくらいだと思う。抜擢しては、またサテライトに落とした時にどう反応するか試していた節もある。昨年末、上村/高橋/山形/松下等を戦力的意味合いよりもチームの空気を代えるために放出した後、今年は全員がスタートラインなわけだから、伸び代のないベテランだろうが有望の若手だろうが、現時点で良い方を使うのは間違っていない。
難しいのは来シーズン。個人的には春先のキャンプで「今年は17〜18人のグループにある程度固定して戦う。他の選手は上に怪我人でも出ない限り出られない覚悟でいろ。3年目過ぎて放置組の奴はシーズン途中で移籍の希望があれば探してやるぞ」くらいの宣言をして欲しい。メンバーを固定すると上も下もだれてしまう可能性もあるけれど、それでだれるくらいならば所詮そこまで。上は「連携を高めてこのメンバーで優勝するぞ」、下は「怪我人が出たらその1枠に絶対入るぞ」くらいの気概がないとだめだろう。まあウソも方便で、キャンプで競争させた後は、シーズン中に平気で入れ替えしても構わないわけだし。
折角の勝利が次に続かない傾向、若手が多い点を活かして勢いに乗る感じがみえなかったのも確かで、雰囲気作りが巧みな外国人監督と、その思想をピッチで伝達出来る外国人選手をセットで取って欲しいという思いもある。現時点で選手構成では中盤に有望な若手が揃っており、そこに強烈な外国人選手を獲得しても見習う以上に宝の持ち腐れとなりかねないので、出来れば最終ラインを統率出来る人材を。でもまあ、もう1年は小野監督で結果をみたいし、若手の素材を充分に伸ばしたところで、次にバトンタッチが理想。ただ来シーズン監督が代われば、高卒組がC契約の間に今年レンタルで放逐した組を呼び戻してもう1回競争させられるけど、来シーズンも小野監督だと恐らくもう帰ってこれない。
ユース昇格組が高萩あわせて6人。もちろん「プロは個人事情主、最後は自分が頼り」なんだけれど、この世代に関しては集団責任制というのもありかと。契約で「北京五輪まで4年間、お前等は絶対に海外に売らないし、クビにもしない。その代わり、夜遊びにハマったり肥満化した場合はお互いに指摘しあえ。干渉しあって落ちこぼれそうな奴を引っ張り上げろ。そして優勝しろ。その時は全員どこにでもステップアップして出ていって構わない」と。私だけかも知れないし、日本人的なだけなのかも知れないが、分かり易い物語は人は惹き付ける。「ユース以来の仲間で頂点に」という物語は、一般の広島人に対しても素晴らしいサッカーに付加価値を生むはず。それは正当な競争ではないし、ベテランや外様が割を食う側面があるのは否定出来ないけれど、プロクラブならば広島の空前のサッカー人気を呼び込む可能性があるこの世代を、敢えて特別扱いして欲しい。「高貴なる者の義務」を課す。
真っ当なサポーターからは非難されるだろうが、下田と服部を売りに出して欲しい。能力的には今が最盛期だろう。ジーコが代表監督である限り、ドイツWCを目指すならば、関東圏に居た方が有利なのは否定出来ないと思うのも理由。「若手は正当な競争でレギュラー組を追い抜け」という考えが正しいのだろうが、それはあくまでシーズン中の話で、オフに敢えてレギュラーを空ければ、自然と埋める人材が出てくるのもあり。広島には林/佐藤がいるし、高柳/森脇がいる。まあ埋まらなくて痛い目に遭う可能性もあるが、それもまたクラブのスタイル。もちろん「お金の問題ではない。広島で優勝したいんだ」という選手を追い出すかつての悲劇を繰り返してはならないが、フロントと揉めた選手や構想外になったベテランを他のクラブがハイエナのように漁る今の日本サッカー界を変えるためにも広島が先頭を切って欲しい。選手の意識も「広島のような地方クラブは踏み台」で、フロント側もその時々の収入や予算の問題ではなくスタイルとして「年俸2000万円を超えた選手は全て売り物と考えてもらって構わない」「磐田さん、優秀なGKが欲しいでしょう?」「Fマリさん、ドトゥラの控えが要るんじゃないの?」くらいの売り込みはかけて良いはず。生身の人間を扱う話だから難しい問題だけど、ユース革命に続いて移籍革命を。まあ市原なんかは以前から主力の引き抜きにあっているから革命というわけではないけれど。
こんな事を書いたから、というわけではないが、ほとんどスタジアムに足を運んでいない人間がサポーターを名乗るのもおこがましいので、サイトのトップから「広島サポ」を外す事にした。これで名実ともにJSPORTSで広島の試合を定点観測するウォッチャー。今月でJSPORTSも一旦切り、来年3月にまた復活の予定。