パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

『BS世界のドキュメンタリー』「ガザに死す〜英国人カメラマン 最後の映像(Death in Gaza)」

2004/10/7放送、50分、構成:ジェームス・ミラー/サイラ・シャー、制作:フロストバイト・フィルムズ・プロダクション(英・2004年)、日本語版導入:柳澤秀夫解説委員
パレスチナの子供を撮影していたカメラマンジェームス・ミラー氏がイスラエル兵に射殺されたエピソードと、ミラー氏とともに取材したジャーナリストサイラ・シャー氏がミラー氏の意思を継いで編集したパレスチナの子供のエピソードが半々の構成。相互に関連した話だから単一番組内に収めるのは仕方ないとはいえ、やや内容が薄い。
また、亡くなったのがジャーナリストならば、子供達に質問する場面などから故人が在りし日の取材意図やメッセージを浮き彫りにしやすいわけだが、ミラー氏がカメラマンであるために伝わりにくくなっている。シャー氏が子供に質問しているシーンから「ああ、この子供達を撮している映像こそミラー氏の視線なんだな」と感じるのは難しい。
結局、シャー氏の視線を固定して「パレスチナの子供を見つめるシャー氏」「取材するミラー氏を見つめるシャー氏」という2部構成にすれば、視点に混乱が起きなかったはず。恐らく宣伝戦略上「ミラー氏の遺作!」が謳い文句だから難しいのだろうが。
「サイラ・シャー」を検索すると、タリバン政権下のアフガニスタンで潜入取材した女性ジャーナリストだった事が判明(2001年10,12月にNHK-BS1でも放送された)。当時の自分の日記を読むと「イギリス育ちのリベラルなお嬢ちゃん」と酷評しているのでリンクは貼らないでおく。