パロップのブログ

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BS1『ウイークエンドスペシャル』「わが人生はドン・キホーテ〜巨匠ロストロポーヴィッチ『最後』のリハーサル」

2002/11/3放送、構成:鈴木喜久、制作統括:小谷亮太
ゲルギエフとともにNHK推薦のロシア文化人ロストロポーヴィッチが、映像と音楽を連動させる事に挑戦、映像部分は彼の友人ズラブ・イナシヴィリが担当、今週放送される映像詩の番宣みたいなものか。番宣だからソビエト時代の広く知られたエピソードを繰り返してうんざりさせられることもなく、逆に見やすくて良かった。75歳にして茶目っ気たっぷりの爺さんな様子が楽しい。彼が愛着ある「ドン・キホーテ」を演奏するのはこれが最後、というのが強調されている。その舞台に日本人主体の日本のオーケストラと会場を選んだのは、指揮を友人の小澤征爾に頼んだ事もあるけれど、本来芸術家気質の彼が思い通りの音を他人に求める時は、妙な自尊心を発揮して彼の解釈にケチをつけることもなく、機械のように正確に指示通り演奏してくれるのが日本人だからなのかもしれない。こうした客演の形でオーケストラと共演する時は好々爺だが、個人的に本気で若手を指導する場面では「そんな日本人のような機械的な演奏をするな。自分らしい表現を磨け」とか言って説教する怖い爺さんのような気もする。