パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

ETV『地球ドキュメンタリー』「大統領とアメリカの危機(ケネディ〜ジョンソンの時代)」

仏/ポアン・ド・ジュール、2000年
メモ:CIA作戦担当責任者R.ヘルムズ、大統領特別顧問(スピーチ担当)ソレンセン、特別顧問シュレシンジャー、国防総省軍事顧問A.ヘイグ、国家安全保障会議メンバーロバート・マクファーレン、ジャーナリストビル・ブラッドレー、国防総省長官マクマナラ
映画『13デイズ』に引っ掛けた企画かと思いきや、フランスのテレビ局が作ったものだった。基本的には当時の映像に御存命の方へのインタヴューという構成、もちろん私の知らない事実はたくさんあるが、皆どこかの回想録で語られたことの焼き直しのようだ。アメリカ大統領の行政執行機関が選挙で選ばれた議員や官僚から構成されるのではなく、大統領の私的な友人等で固められるようになったのは、トルーマン大統領が前任者FDRの側近からそっぽを向かれたため、アイゼンハワーは旧体制に逆戻りして、番組の主旨はケネディ時代から始まる。その後のジョンソンに至るまで大きな外交的課題は2つ、キューバ危機とベトナム戦争。興味深いのは、大統領顧問とCIA、国防総省が互いに牽制しあい、大統領に別々の提案をすること。国防総省という巨大で、物騒な共同体を指揮するのに民間のフォード経営者ロバート・マクマナラを迎えたことなどがフランス人の目を引くし、私も同感。結局、マクマナラは悪い、とベトナム戦争の責任を関係者が押し付けていることや副大統領ジョンソン(愛称はLBJ。FDR、JFK以来の伝統だろうか)と司法長官ロバート・ケネディの仲が悪かったという話もいかにもで面白い。(採点5.5)