パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

ETV『ドキュメント地球時間』「チェチェン・真実への闘い〜逮捕されたロシア人記者」

イギリス・メントン・バラクラフ・ケアリー・プロ、2000年
原題は「Babitsky's Way」、99年9月に始まった第2次チェチェン戦争の取材にグロズヌイへ入ったラジオ・リバティの記者アンドレイ・バビツキーがあんまりロシアにとってまずい報道をするので、翌2000年1月にロシア軍に拘束された上、バビツキーを彼の知り合いでも何でもないチェチェンゲリラに引き渡した話。アメリカ等が介入しなかったら、多分そのまま殺されていたということだ。その間ロシア政府はバビツキーを「チェチェンのテロリストに保護された手先」扱いしており「従軍許可証を持っていないから記者ではない」と云うが、自分たちに都合悪い人間には許可証を発行しないのだから当たり前。また解放時には偽造パスポートを渡してアゼルバイジャンに行かそうとするが失敗し、今は「偽造パスポート所持」の疑いで告訴しようとしている。ロシア政府、面白すぎである。この面白さはセルビア政府に匹敵する。ロシア政府がチェチェンでやっていることはアメリカがベオグラードに対して行った事と大して変わらないが、情報操作が下手過ぎだ。嘘でも「爆弾はすべて目標に当たっている」くらい言わないと。そもそも資本主義の時代には、陣地取りなんて意味がなく、相手にも自分の政治体制を押し付けなければやっていけないとスターリンも言っていたし、民族自立なんて言っている連中は結局絶滅させるしかなくなる。そういう意味ではアメリカやソ連のような悪徳資本主義国家の指導者になった以上、クリントンプーチンも個人の資質にかかわらず国益を守るとなれば虐殺者になるしかない。しかも報道関係に気を配りながら。