パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

『わが心の旅』「チェルノブイリ・家族の肖像」

2000/12/31再放送(1994/5/15初回放送)
写真家大石芳野氏が90年に訪ねたチェルノブイリを再訪する。写真家だから紙芝居みたいな構成、しかも4年前に訪問したばかりだからあまり感慨はない。それでも普通なかなか出来ない質問、写真の撮影等をこなす姿は慰めの言葉や程々の同情よりも、今見ているものを写真に残す事が私の使命、そして自分にはその使命を果たす能力があるという自信が感じられて、シリーズの中でも傑作の部類。このシリーズ、旅する人の思いだけが横滑りする事も多いから。おそらく『ナージャの村』よりも早く立ち入り禁止区域の住民撮影に成功しているのでは。撮影が作品の質よりも「この事実を残したい、世界に知らせたい」という欲求から行われた場合、目的をより果たしている他人の作品に出会った時、どう感じるのだろう。でもそれは危険地域に赴く報道関係者全員の疑問でもあるが。自分なりの視点を持たずにただ「世界共通の目」になる必要はあるのだろうか。