パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS1『ドキュメンタリーWAVE』2011/4-2012/3

・去年初めには、制作会社別にドキュメンタリーをまとめたいとか書いたが、はてなダイアリーの形式だと難しい。時系列の方がやり易いよねってことで。livedoorwikiとか使った方が良いのかもしれないが、まず使い勝手の良いスタイルを探って見つけるのが既に面倒。
・よく年末にテレビ番組大賞とかやっててドキュメンタリー関係でもそういう催しはあるけど、個人的にはテレビの区分って年度だろう、4月〜3月だろうってことで。
・「自分に義務を課して興味の無い分野でも見る」なんてまっぴらゴメン、趣味なんだから好きなものだけ見るぜ、が自分のポリシーだったはずだが、結局『ドキュメンタリーWAVE』に関しては第1回以外全部見てしまった。ならいっそ、何でもかんでも全部見る方式にした方がデータ収集的にはすっきり出来るかもしれない。
・『ドキュメンタリーWAVE』のスタッフクレジットを並べてみて思うのは、震災関係を除けば実績ある制作会社の実績あるディレクターしかいないなあと。確か昨年度までは『BS世界のドキュメンタリー』でもNHK制作枠があったはずだが、もうあそこは翻訳物しか放送しなくなった。後は不定期に放送されている『BS特集』が年に何回かあるくらい。
・中国ネタ多いよね、正直。中国を得意にしている制作会社が多いので切り口も面白いし、不満はないけどね。
・感想はツイートをコピペの手抜き。
・制作統括(プロデューサー)のうちNHK関連を並べると、鈴木真美/高橋孝/金濱理卯(NHK)、三浦尚/千葉聡史/有吉伸人(NHKエンタープライズ)、日置一太/皆木弘康/茂木明彦/川畑和久/佐藤謙治(NHKグローバルメディアサービス)、村田英治(NHKエデュケーショナル)辺り。
………

「タイヤにモーターが入るとき〜密着!新型電気自動車
2011/4/3初回放送、撮影:大石英男/戸田統、ディレクター:澤田賢一、制作統括:鈴木真美/三浦尚/松井秀裕、制作協力:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/メディア・メトル

【メモ】未見(クレジットもメディア・メトルのサイトから写し)

「パリの中国人〜天安門事件 亡命者たちの日々」
2011/4/10再放送(4/8初回放送)、50分、撮影:今井巧、取材:西原裕貴、アシスタントプロデューサー:平野愛、ディレクター:牧修一、制作統括:鈴木真美/三浦尚/佐藤充則、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/アジアンコンプレックス

【メモ】1989年の天安門事件から22年という中途半端さ。2月の中国ジャスミン革命にたまたま重なってタイムリーなネタになったのは偶然の産物か? オープニングの字幕に「今年1月天安門事件の亡命者を取材するため〜」とあるので、偶然の産物なのだろう。ならば、引きが強い。

フェイスブック革命〜チュニジア民主化デモの舞台裏」
2011/4/22初回放送、50分、撮影:岸本幸久/石井有生、ディレクター:加藤初代/川畑耕平、プロデューサー:松井和男、制作統括:鈴木真美/皆木弘康、制作:NHKグローバルメディアサービス、制作・著作:NHK/ウォーク

「中国“春闘”最前線〜日系企業は何を突きつけられたか」
2011/4/29初回放送、50分、撮影:板倉達也、ディレクター:笠井清史/長谷川歩、制作統括:鈴木真美/日置一太、制作:NHKグローバルメディアサービス、制作・著作:NHK

【メモ】ポニーテールの女の子が性格悪そうなところが可愛かった。全体的に日本の集団就職世代の時代よりオシャレ。

「地中海・難民島〜ジャスミン革命は何をもたらしたのか」
2011/5/13初回放送、50分、撮影:西條沢栄、取材:岩崎枝里子、ディレクター:吉岡攻、制作統括:鈴木真美/村田英治/麦谷美幸、制作:NHKエデュケーショナル、制作・著作:NHK/オルタスジャパン

【メモ】構成のしっかりしたドキュメンタリーというよりは速報性重視の単発ニュースのまとめ。いてもたってもいられずに現地へ出向いた吉岡ディレクター。

「ガレキのなかからの再出航〜漁業の町・岩手県大船渡市」
2011/6/10初回放送、50分、撮影:戸田義久、取材:牛田幸宏、ディレクター:二村真弘/浅野麻由、制作統括:鈴木真美/橋本佳子/日置一太、制作:NHKグローバルメディアサービス、制作・著作:NHKドキュメンタリージャパン

【メモ】三陸町越喜来

「小さな町の国際紛争〜太地町とブルーム市の苦悩」
2011/6/17初回放送、50分、撮影:西徹/伊藤加菜子、コーディネーター:谷津花菜、リサーチャー:嶋田祐、取材:三梨朋子、ディレクター:廣岡知人、制作統括:鈴木真美/三浦尚/国分禎雄、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHKテレビマンユニオン

【メモ】海を考えるグループ
うーん、ブルーム市長が個人的に異なった考えに寛容で理知的な人だった感しか残らない。実際にそうだというのではなく、そういう印象になる作りをしていたという意味で。

「マニング上等兵の戦争〜米・機密漏えい事件の衝撃」
2011/7/8初回放送、50分、撮影:岡野崇、コーディネーター:加藤祐二、リサーチャー:中里雅子、ディレクター:酒井裕、制作統括:鈴木真美/三浦尚、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/エス・ヴィジョン

【メモ】ブラッドリー・マニング(22歳、上等兵)、ウォーログ(戦闘日誌)、エイドリアン・ラモ、ティモシー・ウェブスター、エリック・シュミットマーク・ボール、マイケル・マコーネル、去年(2010)5/21マニングとラモのチャット開始
ペディアにブラッドリー・マニングの項がない主要言語が日本語版だけなのは、いまの日本が内向きのうんたらかんたら…。映っている「拘留された息子を心配して面会を続ける優しい父親」の映像画面に、Dボタンを押したら「ゲイの息子を家から追い出してホームレスに追い込んだクソ親父」みたいな説明テロップが表示されるTVドキュメンタリー2.0とかあったら楽しい。マニング上等兵の個人史と911以後の国家情報共有史の両方に目を配って過不足なしに手堅くまとめた流石は酒井ディレクターの作り。両方から描くとどっちつかずで物足りなくなる事もあるが、それを感じなかったのは構成がうまいからか、実はそもそも大して中身の詰まってない題材だったからか…。

「オキナワレポート〜兵士をむしばむ戦争神経症」
2011/7/29初回放送、50分、撮影:前山達彦、コーディネーター:山田功次郎、リサーチャー:中本若菜、取材:今坂彩/小島裕太郎、ディレクター:宗像竜大、制作統括:金濱理卯/三浦尚/田中政文、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/東京サウンドプロダクション

【メモ】モーゼス・カウフマン(精神科医)、第6海兵師団第22連隊第3大隊L中隊、240人→31人、シュガーローフヒル、反斜面陣地攻撃
『Nスペ』「昔父は日本人を殺した〜ピュリツァー賞作家が見た沖縄戦」のスピンオフ。N中隊への取材からデール・マハリッジ部分を抜いた作り。

「“内部被曝”に迫る〜チェルノブイリからの報告」
2011/8/5初回放送、50分、撮影:上泉美雄、コーディネーター:五代裕己/竹内高明、取材:松丸慶太、ディレクター:池座雅之/等健太郎、制作統括:松永真一/桑野太郎、制作・著作:NHK広島

「私が日本に残る理由〜大震災・あるバングラデシュ人の日々」
2011/8/19初回放送、50分、撮影:伊藤加菜子/中林清一、コーディネーター:マスッド・ホーシェン、リサーチャー:高田好子、取材:池田一葵、ディレクター:東考育、制作統括:高橋孝/千葉聡史/国分禎雄、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHKテレビマンユニオン

【メモ】主人公:アクタール・ホーシェン、バルガザリア小学校、モクタール・ホーシェン(弟・42歳)、フェルドウス・アハメド
こういうのはユニークな題材をみつけた時点で勝利、なんだが、主人公の姓名で検索すると放送3ヵ月前に産経新聞が取り上げていたことを確認す。ディレクターはテレビマンユニオンの人で『情熱大陸』とか作っている人みたいだが、いわれてみれば民放ドキュっぽい。俗っぽいとか煽り過ぎという意味でなく、ほんとに"癖"みたいな意味で。そういう癖や作風はどこから来るのだろう。具体的なカット割りなんかで指摘出来るときっとかっこいい。

「緊急報告〜リビア・市民蜂起の真実」
2011/8/26初回放送、50分、撮影:熊谷均/ソムサック・トンターヴォンスワン、取材:遠藤正雄、リサーチャー:高橋秦一、ディレクター:島田陽磨、制作統括:鈴木真美/三浦尚/熊谷均、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK日本電波ニュース社

【メモ】過去の出来事に関する証言記録じゃなくて、新米記者の奮戦記にした方が現地取材した甲斐が見えやすかったんじゃないかと。この手のは、平均的視聴者の予備知識を見積もるのが難しいのも分かるけど、少し薄かった。常にベトコンや日本赤軍の側に立って報道してきた骨太の日本電波ニュース社が「カダフィvs反政府軍NATO連合において後者の視点に立ったのは何故か? それは反政府軍に主体性・自立性があるからだ! NATOや西洋権力の傀儡じゃない!」というのが、どうも番組から伝わってこなかった。

「あの時800人の声〜9.11アメリカ市民の記録」
2011/9/6初回放送、50分、撮影:西久保徹、リサーチャー:川澄朋子、取材:老田章彦/坂井美穂、ディレクター:渡辺秀治/窪田啓一郎、制作統括:鈴木真美/川名知行、制作協力:NHKコスモメディア、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK

【メモ】番組中の言葉「テロ事件の直後、一瞬だけアメリカ人の心はひとつになった。でもその後は、以前よりもっとバラバラになってしまった」が、震災後の東浩紀氏の言い方に似ている。

「アメリカンムスリム〜憎しみの連鎖は止められるか』
2011/9/7初回放送、50分、撮影:南幸男、コーディネーター:金子由美、取材:土田紗佑里、ディレクター:川畑耕平、制作統括:高橋孝/茂木明彦/山根幸太郎、制作:NHKグローバルメディアサービス、制作・著作:NHK/パオネットワーク

【メモ】大風呂敷を広げるでもなく、小さなコミュニティに密着してリアルな生活ぷりを追ったのは良かったけど、その分ちょっと物足りない感じもある。

「監視社会への道〜愛国者法とアメリカ」
2011/9/9初回放送、50分、コーディネーター:荒木健二、撮影:金沢祐司、ディレクター:吉田泰子、制作統括:鈴木真美/三浦尚/久保田直、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/ソリッドジャム

フクシマの衝撃〜フランス・揺れる国境の原発
2011/9/16初回放送、50分、撮影:村松洋征、取材:吉岡岳、ディレクター:吉岡攻、制作統括:鈴木真美/村田英治/麦谷美幸、制作:NHKエデュケーショナル、制作・著作:NHK/オルタスジャパン

【メモ】原発のある仏の町フェッセンハイムを取材。町長から農民、漁師まで時間内に過不足なく配置されたベテランディレクターらしい手堅い一品。だが、堅過ぎて、収まりが良過ぎて、事前の企画書に書いてある「フランスにもあった補助金漬けの原発村」というイメージから外れるようなカットは排除されているのだろうかなあという邪推もできる。仏独国境の町、原発の対岸はドイツというわけで、こういうのは日本にはない論点で面白かった。

「“ネズミ族”と呼ばれて〜北京・地下住人の日々」
2011/9/23初回放送、50分、撮影:余洪濤、取材:渠陸軍、ディレクター:郭強、制作統括:鈴木真美/矢島良彰/有吉伸人、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/テムジン

【メモ】地下生活者!ていうのは目をひく見出しみたいなもので、実際は北京に出てきた地方出身者の生活素描。メリハリない素描なので、夫婦喧嘩シーンとか個別に面白い場面はあるけど、それが50分の流れで活かされてない感じ。

伊方原発〜問われる“安全神話”」
2011/9/30初回放送、50分、撮影:郡司真/三瀬勇紀、ディレクター:水嶋大悟/渡辺顕大、制作統括:竹中友美、制作・著作:NHK松山

【メモ】もっと裁判の内容を今の視点から見直すのかと思ったら、裁判後の話が主だった。

「“中国の妊婦”は香港をめざす」
2011/10/21初回放送、50分、撮影:Geoffrey So、取材:江本誠、ディレクター:加藤初代、プロデューサー:曽我俊郎、制作統括:鈴木真美/川畑和久、制作:NHKグローバルメディアサービス、制作・著作:NHK/ウォーク

【メモ】本土→香港、香港→本土の人の流れの差異を大人と子供のシルエットの高さで見せるセンス。○○元(およそ○○円)ではなく予め日本円でテロップする親切。ちょっとした事でこのディレクターは上手いなって分かる。

「凱旋門にかける夢」
2011/10/28初回放送、50分、撮影:鈴木良二、コーディネーター:新谷恵司、ディレクター:笠井清史、制作統括:日置一太/高橋孝、制作:NHKグローバルメディアサービス、制作・著作:NHK

【メモ】富豪カタール王族と苦境日高を対比させて奥行きを狙ったのかもしれないが、カタール王族が薄っぺらい書き割りの悪役に描かれていたから、日高も割とよくあるお涙頂戴になってしまった感があった。

「沸点〜中国ブロガー ネットの中の攻防」
2011/11/4初回放送、50分、取材:高橋敬明、ディレクター:李忱、プロデューサー:平野愛、制作統括:鈴木真美/三浦尚/佐藤充則、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/アジアンコンプレックス

【メモ】クレジットに「撮影」がないのは、カメラマンだけ現地調達で、中国人の名前は出さない約束とか。この手の海外取材で(コーディネーターにもリサーチャーにも)クレジットに現地人の名前がないのは珍しい。

「21世紀の戦争 サイバー攻撃の恐怖」
2011/12/2再放送(11/25初回放送)、50分、撮影:高橋僚、コーディネーター:加藤祐二、リサーチャー:マルゴル・グットマン、ディレクター:酒井裕、制作統括:鈴木真美/三浦尚/酒井裕、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/エス・ヴィジョン

【メモ】スタックスネット、イラン、核関連施設、2010年11月 stuxnet worm、ナタンズ、核濃縮施設、カスペルスキーKGB)、
スタックスネットの存在も2010年11月のイラン核濃縮施設テロも全然知らなかったので、形式より内容本位で見ちゃってる。
カスペルスキーさんは、ウィキペディアに載ってるかっちょいい写真とインタビュー映像の本人が全然違っててワロタ。本物はいかにもコンピュータヲタっぽい。
ナレーション「ブッシュ政権時代」って、父と息子、どっちか分からない。
今回の番組とオシラクのドキュ(2008年)を作ったのは、いずれも酒井裕ディレクター。はい、繋がった。
モサドアモス・ヤドリンのインタビュー映像、本人の映像とバックの本棚映像、はめ込み合成だよね。本当はどこで撮影したのかな。
NHKがコンピュータウイルスのドキュとか作ると、専門家筋から的外れだとケチョンケチョンに叩かれるのが常だけど、今回の場合、見た人の感想が少な過ぎて判定不能。
BPや東電とともにアノニマスの標的になっていたヴェオリアっていうのは水メジャーなのか。石油メジャーとか小麦メジャーのような言い回しで水メジャー。なんとかメジャーっていうだけで悪徳ぽく思えてくるのが反グローバリズム脳。

「自由化を迎え撃て〜韓国農村改革のゆくえ」
2011/12/11再放送(12/10初回放送)、50分、撮影:金子英樹、ディレクター:丹治重人、プロデューサー:伊槻雅裕、制作統括:鈴木真美/川畑和久、制作:NHKグローバルメディアサービス/千代田ラフト、制作・著作:NHK

【メモ】「日本に先駆けて農産物自由化に挑む韓国農家(キリッ」って感じの番組だが、内容は経営の多角化とか商品作物化とか90年代日本のドキュで見たものの焼き直しって感じ。韓国独自の制度と紹介されてた農地銀行も検索したら日本の自治体のサイトがドバドバ出てきたし(ネットで情報検索出来るのが新しいの?)。とはいえ、新規に黒豆栽培を始めた強くて小さい農家のおっさんが突然カメラの前で不安な胸中を語って泣き出したシーンは人間物語が感じられた良いシーンだった。

「中国アフリカンタウン〜巨大市場をめぐる攻防」
2011/12/23再放送(12/16初回放送)、50分、撮影:今井巧、取材:山口里美/上田俊太、コーディネーター:劉凡/宮崎章、ディレクター:御牧賢秀、制作統括:鈴木真美/三浦尚/牧哲雄、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHKドキュメンタリージャパン

【メモ】広州(中国)とアフリカ諸国の交流を描きながら「日本政府と日本人は出遅れるぞ」というメッセージになっているのは、日本で放送する意味をちゃんと考えていて良かった。

「“英雄”たちのその後〜ロシア民主化 20年の苦悩」
2011/12/23初回放送、50分、撮影:戸田統、取材:杉田郁子、ディレクター:田中尚、制作統括:鈴木真美/佐藤謙治/松井秀裕、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/メディア・メトル

【メモ】ウラジミール・コルスンスキー、タチアナ・マルキナ、セルゲイ・ブラチコフ
登場人物セルゲイ・エフドキモフさんが「リベラルな野党に一票を投じました」と言ったので調べたが、もうヤブリンスキーはオワコンで、今は「公正ロシア」が中心らしい。

「ロンドングラード〜プーチンとロシア人富豪たち」
2011/12/26初回放送、50分、撮影:池田俊己、コーディネーター:ジム・カスバート、取材:土田紗佑里、ディレクター:川畑耕平、制作統括:鈴木真美/山根幸太郎/川畑和久、制作:NHKグローバルメディアサービス、制作・著作:NHK/パオネットワーク

「アフガン帰還兵の20年〜ある盲目弁護士の闘い」
2011/12/27初回放送、50分、取材協力:金成浩、撮影:熊谷裕達、コーディネーター:清瀬敏則、リサーチャー:エレナ・ペトルシェンコ、ディレクター:平山穂波、制作統括:高橋孝/西橋基彦/千葉聡史、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK日本電波ニュース社

【メモ】セルゲイ・ステパネンコ

「光なき孤児〜ソ連崩壊20年 東欧の小国の悲劇」
2011/12/28初回放送、50分、撮影:角田晃二、リサーチャー:シェラ・ラシッドギル、コーディネーター:バドルデン・エルムバラク、ディレクター:後藤健二/飯島弥生、制作統括:安井浩志/紙屋聡/田野稔、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/グループ現代

スティーブ・ジョブズの子どもたち〜ハングリーであれ愚かであれ」
2012/1/8再放送(1/6初回放送)、50分、コーディネーター:井出友希子/ソナム・ノルボー・スプラハバ、リサーチャー:森山エリ、取材:野村健/藤井沙織、ディレクター:撮影:金本麻理子、制作統括:鈴木真美/金本麻理子/三浦尚、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/椿プロ

【メモ】金本ディレクターの単発エピソードをうまく繋いで一つの作品にする構成力は流石。ネームバリューあるジョブズ関連らしく、ブログの感想も一杯あったけど、概ね好意的な評価。

「私たち独立します〜イタリア財政危機・揺れる小さな村」
2012/1/13初回放送、50分、撮影:伊藤寛、取材:高柳峻、ディレクター:久保田直、制作統括:高橋孝/千葉聡史/毛利匡、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/ソリッドジャム

【メモ】Filettino(600人の村)
"情報"の提示は必要最小限に抑えて、人々の言葉・会話・議論をうまく繋いで"感情"を沢山見せる手腕はさすが久保田ディレクター。とは思ったが、あまり興味ないドキュを頑張って見る気力が今はなく、軽く流し見。独立の理由は財政自立なのか所詮話題作りで観光宣伝なのか、というあらすじなので、「公国」という単語が「広告」に脳内変換されて紛らわしい事このうえなしなのは、まあ見て側の自分の責任。

「遠ざかる四島(しま)〜“ロシア化”する北方領土
2012/2/3初回放送、50分、撮影:黒葛良彦/ウラジーミル・ラブリネンコ、取材:青木緑、ディレクター:井實悠/浜田寛之、制作統括:栗山慎二/齋藤敦、制作・著作:NHK釧路・札幌

【メモ】自分レベルの一般人にとっては建前とスローガンでしか知らなかった北方領土返還運動だが、元島民による人間の顔をした返還運動の表情がよく見えたドキュで、ここ最近では出色の出来。なので、ナレーションが「日本政府が日本固有の領土であると主張する北方四島」ではなく「日本固有の領土である北方四島」になっていたのは少し残念。日本の放送局だから日本政府と同じ立場にいる必要はないと思うが…制作がお膝元のNHK釧路・札幌だからこそ、下手に客観的立場には立てないのか。全てNHK釧路制作ながら、『証言記録 市民たちの戦争』「“還らざる島”からの脱出〜北方四島の戦争」(2011/1/8初回放送)、『Nスペ』「北方領土〜解決の道はあるのか」(2011/2/13初回放送)とも制作者が被っていないのは、スタッフ全員に四島取材の経験を積ます為だろう。広島支局に勤めたら原爆関係の取材に携わらせるとか、そういう半強制的に貴重な経験を積ませられるところは、組織メディアの長所。

「スラム一斉撤去〜ナイロビ・グローバル化に翻弄される人々」
2012/2/17初回放送、50分、撮影:鈴木正実、コーディネーター:ヘンリー・オミル、ディレクター:内山直樹、制作統括:鈴木真美/佐藤謙治/矢島良彰、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/テムジン

【メモ】宮田久也(NPOチャイルドドクター代表)
中国・アジアに強いテムジン制作なのは何故?と思ったが、そういえばテムジンは年1回ユニセフ大使アグネスが援助の現場を歩くシリーズを制作していた。あれからアグネスを抜いた作り。

リビア 報復の連鎖は断ち切れるか」
2012/2/24初回放送、50分、撮影:熊谷均、取材:遠藤正雄、ディレクター:藤本将太、制作統括:高橋孝/熊谷均/三浦尚、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK日本電波ニュース社

【メモ】番組の説明だけだと汲み取りにくいが、想像するにミスラタ(アラブ系=堺の商人的なカダフィ以前の支配層)とタオルガ(アフリカ系=親カダフィによる成り上がり)の対立は地域間の対立もあるが、恐らく階級闘争でもある。長年、旦那衆からの見下されるような視線に耐えてきた下層労働者層が一部でも旦那のお嬢さん方に乱暴狼藉を働いたのならば、実行犯への処罰とか話し合いによる和解とか難しい気がする。お互いがお互いに抱いていた偏見がまさに現実となったわけだから。

「南京長江大橋に星を〜中国 急増する農民工の自殺」
2012/3/2初回放送、50分、撮影:張華東、ディレクター:何祖杰、制作統括:鈴木真美/永野浩史/三浦尚、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/アジアドキュメンタリーセンター

「世界から見た福島原発事故
2012/3/9初回放送、50分、撮影:竹内秀一、コーディネーター:野口修司/カトリン・ヒスキー、ディレクター:新田義貴/豊田研吾、制作統括:山元浩昭、制作・著作:NHK

【メモ】脱原発に舵を切ったスイスと継続する米国を取材。日本で充分にリサーチしてストーリーを組み立ててから、入手した原稿を当事者にカメラの前で読んでもらうだけの手堅い構成という感じ。謎解き、新事実の要素は薄い。NRC委員長ヤッコ(グレゴリー・ヤツコ)氏はペディア日本語版もあるくらいの著名人。原子炉を管理する役所の長だけど本人の思想的には反原発、でも組織の中で自分の考えをゴリ押しせず、多数決を尊重し安全対策に力点を置く感じがいかにも米国民主主義の申し子。この人が主役のドキュが見たいかも。