パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

CS『第22節・名古屋グランパス戦』

2006/9/9放送、実況:寺西裕一、解説:遠藤雅大
サンフも余所の事は言えないが、前節ジュビロ、今節グランパスとややぼんやりした戦いをしているクラブとの対戦なので、どうもチーム力が計れない。特に守備の方はもっと負荷が掛からないと判定不能。攻撃の方は、リズムは出ているけどもう一味足りない感じ。今日なんかは、クロスの精度が悪かったと言えるかもしれないが、以前よりもゴールに殺到する人数が少なくて、全体として少しリスクを恐れていたかもしれない。
前半終了間際、「ハンジェがアップ中」というベンチリポートを聞いて推測したハーフタイムの交代は、カズに替えて駒野を3DFへ、或いは柏木に替えてハンジェ、のどちらか。どっちも外れ。前半の柏木は消えていたようにも見えたけど、後半は逆に目立った。スタジアムで観ると動きがより際立つタイプだろうか。
前節の感想に「駒野を高い位置まで走らせる機会が少ない」みたいな事を書いたら、今節は結構出てきた。そんなものだ。振り返ってみれば、ミシャ就任当初の「下田からのロングキック禁止」等ラディカルな指令は控えめになり、個々人が元々持っていた得意なパターンも取り入れた形に変化しているような感じもする。
戸田は前からチェックに行きたい性格だから、ダバツと話し合ってカバーリングを任せているのか。持っている能力的には逆の方がよさそうだが、双方とも理想のプレースタイルもあるのだろうし、仕方ない。今日の戸田は長いフィードのミスが目に付いた。本人は不満かもしれないが、あれだったら中盤に置いて危なっかしいパス出しをされるよりも最終ラインでリスクのないプレーに専念して貰った方がよい。
GKやDFから長いフィードが相手側DFの方に来て、それを周囲に競る相手がいない時、ヘディングで遠くへ弾くのではなく、足で近くの味方に渡すプレー、自分はこれを勝手に「アベラルドクリア」と呼んでいるのだが(理由はアベラルドがよくしていたから)、前半終了間際にダバツがアベラルドクリアをやり、しかもミスってピンチを招いているのを見て「流石、俺達のダバツ、プレーが多彩で、しかも爆笑」と思ったのだが、後半5分頃に青山もやっていたので、あれは監督の指示かもしれない。常々「折角のマイボールなのに、何でヘディングで相手に返しちゃうの?」と思っていただけに、流石はポゼッション重視のミシャ。ちなみに、後半19分のダバツが下田に返したヘディングも、すごい偶然臭かったのだが、あれは狙ったのだろうか。とにかく最近は、ダバツのファーストタッチに夢中。
前半39分にカズがヨンセンと競ってボールを奪った場面、ああいうさりげなく体を入れ替えるのが上手く、意外と寄せられても強い、自分が好きなカズのプレー。それにしても、杉本に一回置いていかれた以外は、案外杉本の速さにも、ヨンセンの高さにもやられなかった。研究されたら、もっとボロボロになるかと思ったが。川崎はジュニをぶつけてくるのか、浦和はシトンをぶつけてくるのか、それはそれで楽しみだったりする。ハーフタイムも「キャプテンとして誰かにアドバイスしなければ」というプレッシャーがないからか、さっさと引き揚げているし、試合終了後の挨拶でもヘラヘラしてるし、楽しそうで何より。サッカーは楽しくしなきゃ。
青山に対する自分の評価は「長いボールを蹴る事が出来るが、遠くを見る事が出来るわけではない」というもの。寿人やウェズレイに良いボールを出した時も、敵のプレスが緩くて顔を上げる余裕がある時か、或いはボールを受ける前にFWの動きを確認していた時か。ワンタッチでのパス&ムーブを標榜する作陽高校が生み出した最高傑作だし、判断が遅いという事はないと思うが、やや視野が狭いというかプレッシャーが早いと遠くを見てないかなと。なので、個人的には今のセンターハーフよりも少し前目が向いていると期待している。イングランドがジョーコー/ランパー/ジェラー/ベッカムを並べて上手くいかないので、底にハーグリーブスを入れて安定させたように、一誠を底に入れてその前に青山と浩司(or柏木)というイメージ。しかし、監督は一誠をやや前目の選手だと考えているようだし、引き続き監督の選手観については観察し、推測していきたい。

ピッチサイドのクマーを批判している人はミシャの批判もしないといけない気がするのだがどうだろう。たとえば、(スポナビ中田徹氏で読んだ限りでは)トレーニング中にプレーを止めて「今のパスの意図は?」「他の選択肢は?」と選手に考えさせるのがオランダ式らしい。なかなか良いトレーニングだと思う。逆に「ああしろこうしろ」と監督にとっての正解を押し付けたら、そりゃあ選手は成長しないだろう。しかし、試合の目的が勝つ事で、その試合中にこれまでやったトレーニングの成果がピッチ上に表出していなければ、とりあえずピッチサイドから監督が「正解」を指示して勝利という目的を果たし、試合終了後にはミーティングで悪かった箇所を散々に指摘し、そしてまたトレーニングで選手に考えさせれば良いと思うのだがどうだろう。まあ、こういう感覚は選手経験者でないと分からない事だろうし、素人の戯言という事で。