パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

CS「第18節・アルビレックス新潟戦」

2007/6/30放送、実況:八塚浩、解説:川本治
寿人に代わって前田さんちの遼君がアジア杯に行くことになったら、自分のナビスコ杯妄想プランも泡と消えるので、夜中の発表まで更新を待っていたら寝てしまい、こうして日曜の午前中に書いているわけだが、便宜上30日の日付にさせてもらう。まあワールドユース組がグループリーグで敗退したら、ナビスコ杯のセカンドレグには出られるのだろうし、そうなるとまた妄想もやり直しだが。

思ったより相手のプレッシャーが早かったのか、思ったより自分の体が重かったのか、試合後に選手が言うように選手間の距離が遠くてパスの出し所がなかったのか、理由は知らねども、まるで大木さんがいた頃のように詰まらないターンオーバーが多かった。1分、浩司がボールと相手の間に体を入れようとして奪われるいつものあれ。8分、自陣でドリブルを始めた駒野がボールを奪われる。15分、盛田がサイドでドリブルを始めてボールを奪われ、背後には広大なスペース。それから40分くらいにも青山がDFのすぐ前でクリアミスをしていたような。これだけ無意味にターンオーバーを犯してはリズムが出るはずもないが、これが直接には失点に繋がらず、実際の失点はまた別のミスから発生するのだから、サッカーは分からない。
試合そのものに関してはこのくらい。後は久しぶりに俺達のクワダが飄々と相手に当たりにいく持ち味を出していたくらいか。これでミシャが「内容は悪くなかった。運がなかった」と言ったら流石にどうしようかと思ったが、試合後のインタビューを聞く限り、自分が考えるgood/badの基準とズレはないようで安心した。
完敗しておいてどの口が言うかという話だが、新潟とホーム&アウェイを戦ってそれほど強いとは思えなかった。川本氏的にいえば「掛け値無しに強い」ではなく、まだ「あのメンバーの割によくやっている」レベルかと。よく鍛えられて実直だけどワンアイディアが足りない攻め。盛田のあれがなければ結局得点出来ていなかったかもしれないし。千代反田&永田も将来を嘱望されていたユース年代のネームバリューからすると「こんなもんか」という感じだし。寿人&ウェズレイをガチガチにマークして何もさせなかったレベルの相手もいたし。まあ自分の中で千代反田は、茂原に左サイドから半歩抜け出されてゴールを決められたシーンを見てから「カズレベルの似非DF」ということになっている。

DF「前線から守備しろ」FW「ラインを上げろ」MF「スペースが広大で埋められねえよ」、まさにいよいよ「我々はこの論争を知っている! いや! この守備陣と攻撃陣の対立を知っている!」というジーコジャパン的な様相を呈してきたミシャサッカー。代表組不在のナビスコ杯から戸田とカズが出場停止のレッズ戦まで、内容も手詰まり/選手も足りないで、いやでも変えざるを得ない状況がタイミング良くやってきて、「代わり映えしないので、何も書くことがない」という閉塞感が漂っていたサンフブログ界隈にとっては、少し楽しくなってきたのではなかろうか。
ただ残念なのは、戸田がやりたそうなナビスコ杯神戸戦のようなサッカーをするにはワールドユース組が足らないこと。仮にナビスコ杯で平繁が前線から追って、槙野が跳ね返して鹿島に勝てば、代表から戻ってきた寿人をそのままベンチに置くなんて荒療治も生まれたかもしれないが、逆にナビスコ杯を旧来のメンバーで戦い、レッズ戦を戸田/カズ不在で戦うわけで、ナビスコ杯でやり方を変えても「カップ戦モードだから」、レッズ戦でやり方を変えても「メンバーが違うから」で済まされそうな気もする。ナビスコ杯〜レッズ戦で足りないメンバーをやりくりして何とか乗り切ったと思ったら、8月12日の名古屋戦はいつもの11人でいつものやり方でした、というのもかなりの脱力感がありそう。
ナビスコ杯はどんな不格好な試合でも勝ちに行く、中断期間中は練習時から戸田/カズをサブにして、戻ってきたワールドユース組を加えた新布陣で練習、レッズ戦では寿人/駒野も外してチャレンジというのが理想か。最悪のシナリオは、ナビスコ杯を旧来のやり方で戦う→ボールを完全に支配しつつもFW不在でシュート外しまくり→負けてミシャ「運がなかった」、レッズ戦は盛田/吉弘/槙野で望月式ドン引きサッカー→寿人のシュート1本1ゴールで勝っちゃった→この1年は無駄でした、チャンチャン。

そもそもミシャらしいサッカーは存在するのか。そして控え組は本当に実力が足りないのか。ミシャ就任時は、ハンジェ、中里、柏木、浩司、ベット、一誠辺りが横一線だったが、8月30日のジュビロ戦で今の11人が固まり、それからは盛田とダバツが怪我等で相互入れ替えになった以外は、全く入れ替えなし。選手の評価が全く上下していない。そして、ミシャが就任したばかりの名古屋戦や千葉戦を思い出すと、下田はロングボールを蹴らずにDFラインから繋ぐし、両翼は香車ではなくもっとMF的な動き方をしたり、恐らくあれがミシャ原理主義的といえばそうなのだろう。それが(以下妄想)、

下田「監督、僕のフィード力で後ろから繋ぐのは危険過ぎます。大きく蹴りたいんですけど」
ミシャ「OK、シモ、それならカウンターをもらわないようサイドに流れたヒサトを狙うんだ。タッチを割っても構わない」

ミシャ「コマ、君は技術もあるし、上下動するスタミナもある。ボランチをやってくれないか」
駒野「僕はサイドをやりたいです」
ミシャ「OK、コマ、ではもっと攻め上がってシュートを打ってくれたまえ」

戸田「俺ももっと中盤で攻撃に絡みたいんですけど」
ミシャ「すまないカズユキ、このチームは若い。君は守備を意識して自重してくれたまえ」

柏木「シュートを狙いたいので、右サイドでプレーしてもいいですか」
ミシャ「OK、ヨウスケ、君はダイヤの原石だ」

浩司「シュートを狙いたいので、右サイドでプレーしてもいいですか」
ミシャ「どうせ入らないんだから、後ろでコウタのフォローでもしてろ」

てな感じで、レギュラー組がプレーし易いようにローカルルールを作ってカスタマイズされているのだから、控え組が混ざってプレーしにくいのは当たり前。控え組が多数含まれたナビスコグループリーグのサッカーが別物になるのも当たり前。もっといえば現状がレギュラー組用に最適化されたミシャサッカーで、控え組の方が本来的な意味でのミシャサッカーなのかもしれない。本来的なサテライトの試合がいまいちということは…。
個人的には、ナビスコ杯鹿島戦は原点回帰の意味で高萩/戸田/カズの3バックを期待していたのだが、やはりカップ戦は継続性重視だろうか。それならレッズ戦で吉弘×田中達、槙野×シトン、リベロに高萩とか。
リーグ戦だと絶対にパワープレーをしそうにないミシャ(セットプレー1発で負けても「チャンスはウチの方が多かった」「運がなかった」で済ませそう)だが、カップ戦だとどうか。純粋に高さの利用というのではなく、「ディフェンダーの立場でされたら嫌なプレー」というTipsを搭載したFW盛田も見てみたい。