パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS1『BSドキュメンタリー』「東京を爆撃した兵士たち〜アメリカ軍パイロット 60年後の証言」

2005/3/19放送分(3/5初回放送)、50分、構成:伊槻雅裕、制作統括:北川恵/藤井勝夫、共同制作:NHK情報ネットワーク、制作協力:千代田ラフト/西澤和芳、制作・著作:NHK
番組のプロデューサー&ディレクターが公式サイトで、

東京を爆撃した兵士たちの60年後の証言を求めて、アメリカ全土を3週間で駆け回る旅でした。それはけっして楽しいものではありませんでした。その原因は、彼らの多くがあの空襲を誇りに思っており、少しも悪びれる様子がなかったことです。このことは私を少なからず苛立たせました。(以下略だが、番組をみた人は是非全文読んで欲しい)
http://www.nhk-jn.co.jp/002bangumi/topics/2005/010/010.htm

と書いている。「どうせ本音は、米兵が犠牲者の写真を見ながら後悔の涙を流す絵が欲しかっただけだろ」と意地悪を言ってみたくなるが、下請け制作会社のサイトを見る限り、日頃から真面目な社会派ドキュメンタリーに取り組んでいる感じだし、本気で憤っていたのだろうと思う。取材に協力してもらっている立場が態度を卑屈にさせるのか、なおざりなドキュメンタリーだと依頼相手に気分を害しそうな質問を執拗に重ねる場面などほとんどないわけだが、今回のインタビュアーはその点で義憤というか私情満々だった。個人的には中立・公正を謳う下らないドキュメンタリーよりも制作者のパッション溢れたドキュメンタリーの方が断然推せる。
『Nスペ』版「東京大空襲」があれだけ反響を呼んだのだから、『BSドキュメンタリー』版も地上波で放送するべきだと思っていたら、3月21日の午後1時から『Nスペ』とセットで放送されていた。祝日の昼間から2時間特番とはNHKグッジョブ!
これまでのウォッチング経験から、NHKには地上波と衛星放送で悲惨な映像に関する内規に違いがあるのではないかと思っている。その推測される基準からすると、本番組に出てくる人間黒焦げ写真は地上波ではアウトだと思われるが、BS放送の流用だからそのまま流しちゃった感がある。悲惨な映像をお茶の間に流して良いものか、という議論は別にして、多分編成の責任者は今頃始末書を書いているはず。