1994/6/3頃放送、監督:ヤヌシュ・ザオルスキ
巷の「映画に登場するサッカーネタ」サイトを巡ってみても、この映画に関する記述は全くないので、古い記憶を辿りながら記録しておく事にする。なにぶん10年以上も前の事なので、記憶違いはご容赦を。
そもそも何故この劇場未公開・未ビデオ化映画がテレビで放送されたのか。ネット上の記録によると、NHK-BS2で放送された時、同監督の『クルール家の母』(1983年)とセットで放送されたようだ。『クルール家の母』はベルリン映画祭で賞を獲っている。恐らく「現在ポーランドを代表する監督」という意味付けでザオルスキ作品を日本で紹介する際、「1本だけ放送するのも何だから最近の作品でももう1本」と『サッカー・ポーカー』も巻き込まれたのではないだろうか。
覚えている粗筋:主人公はかつての名サッカー選手で、今は人望を集めるレフェリー。彼は現役の頃、強烈なシュートで木製のクロスバーを破壊した事で知られている。現役時代の親友のうち1人はサッカー協会のお偉いさんとなり、もう1人は片足を失って物乞いで暮らしている。そんな主人公に親友のお偉いさんから八百長の手助けを求められる。「お前は信頼されているから、絶対にばれない」と。迷う彼、そんな苦悩する夫を見て不自然に思う妻。さて、結末は如何に。
といった処だが、実際はポーランド映画らしく、妻などの心理描写カットがほとんどで、サッカーネタ目当てにみると退屈で死にそう。最後までたどり着くのも困難で、私も途中はほとんど寝ていた。
但し、衝撃のラストが待っている。私は結果が分かっているサッカーやテニスをみるのも苦ではないし、映画も約2時間の過程を楽しむものであってネタばらしも全然OKな人間であるが、こればかりは言えない。是非実際にみて味わって欲しい。多分NHKには原本が存在するだろうから、放送希望のリクエストをするのも良いだろう。
記憶に残っている場面をもう1つ。主人公が裁く試合以外にも八百長が横行していたという設定らしく、ゴールを決められる約束をしていたキーパーが相手から枠内にシュートを打たれない事に業を煮やし、自らのスローで自陣ゴールにぶち込む、通称「南雄太ゴール」のシーンがあったはず。