パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS1『海外ドキュメンタリー』「エシュロン〜謎の情報監視装置」

2001/9/20放送(本放送はもっと前)、タン・プレザン=スイス、2000年
エシュロンの存在を欧州議会は明言しているのに、アメリカ政府はそんなもの存在しないと言い張っている。国際社会の面前で食い違ってもいいほど、欧州の方は余程根拠に自信があるのかと思っていたが、元ネタはこの番組に主演しているダンカン・スコットというジャーナリストが欧州議会に依頼されて作成した報告書のみだというので驚いた。別にスコットが広瀬隆だとか落合信彦だとかいうつもりはないし、レポートの内容は「エシュロンあり」が既定事実として描かれているが、何かものすごい最新テクノロジーを利用した通信傍受システムというよりは、色々なスパイ技術の総決算であり、むしろ技術というより傍受したものをお上がどのように利用するかをシステマティックにマニュアル化した機関の努力に拍手、という感じだ。他の国でも悪知恵さえあれば、普通の科学力で出来そうだ。番組の内容は、期待していた「個人情報の監視と流出」という人権的な話ではなく、「ヨーロッパ企業の技術や戦略が全部アメリカ企業に筒抜けだぜ」という大きな経済の話だったので、ちょっとがっかり。(採点5.5)