パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

ETV『地球ドキュメンタリー』「大統領とアメリカの危機(レーガン〜ブッシュの時代)」

仏/ポアン・ド・ジュール、2000年
出演者メモ:前回に続いてヘイグ(将軍から官僚嫌いのニクソンにより大統領首席補佐官、レーガン期とうとう国務長官)、マクファーレン(レーガン期国家安全保障問題担当副補佐官)、イーグルバーガー(キッシンジャーの補佐官→ブッシュ政権の副国務長官)、初登場はジェームズ・ベーカー(レーガン期国家安全保障問題担当首席補佐官→ブッシュ期国務長官)、リチャード・パール(レーガン期国防次官補)ジョージ・シュルツ(ヘイグの後任)チャールズ・ワインバーガー(レーガン期国防長官)、ブレント・スコウクロフト(ブッシュ期国家安全保障問題担当首席補佐官)、R.ハース(国家安全保障会議メンバー)、ウェブスター(CIA長官)
先週の続き。今回も基本的には当時の映像に御存命の方へのインタヴューという構成。レーガンが狙撃された時、国務長官ヘイグが副大統領ブッシュを差し置いて内閣を掌握しようとしたのがカンに触り、シュルツに交代。しかしシュルツと国防長官ワインバーガーの仲が悪かった。政権最初の問題、アメリカ兵を殺したリビアへの報復攻撃にはシュルツ賛成、ワインバーガー反対。86年のイラン・コントラ事件は名前だけ知っていて内容知らずだったので、グッド。レバノンで人質になっているアメリカ人を解放してもらうため黒幕のイランと武器取引、更にイランから受け取ったお金をニカラグアの反共テロ組織にプレゼント。議会の承認抜きで金銭の関わる取引をしてはならないらしい。シュルツとワインバーガーは珍しく揃って反対。マクファーレンが勝手にノース中佐(彼も国家安全保障会議のメンバーだった)を使ってやったこと(反対することが分かっている省には始めから機密扱い)、大統領は知っていたけど、知らなかったことにしよう。レーガンが原稿を感情豊かに読む以外、アドリブが利かなかった話は噂に聞いていたが、感謝祭の記者会見は本当にアドリブメタメタだった。例によって、大統領の側近たちと国務・国防が責任の擦り付けあい。次期ブッシュはレーガン政権のそれを見て、主要ポストにエキスパートではなく、私的な友人を選択。何のことはない、ケネディ時代の友達を信用してキューバ危機の時代に戻っていく。ベイカー、イーグルバーガー、スコウフロフト、ウェブスターなどで固める。彼らの最大の試練は湾岸戦争、攻撃で一致したが、どこまでかは意見様々、最後の決断の前にキッシンジャーに相談などのエピソードあり、大統領には議会の承認を得なくても60日間の軍事行動が許されるとか、フォード大統領が暗殺を禁止する行政命令を作ったなどは興味深い。ベトナム戦争の経験を踏まえて作戦を指揮するのは軍人に任せたのは賢い。(採点5.5、ちょっとダレた)