パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

「2046」

恋愛とは無縁の人生を送っているので、カーウァイ映画をみても何の感慨もないのに、行き掛かり上『楽園の瑕』以降の全作品を映画館でみている。1995〜96年頃の楽しかった人生の記憶を掬っているようなものかもしれない。
ハロプロヲタらしく「チャン・ツィイーが劣化した」といってみる。
フェイはアン・ジョンファン並のおばさんパーマもなかなかキュート。『ウソコイ』で失った日本におけるキャリアを取り戻せるだろうか。取りあえずソニーは去年出た新譜の日本盤を出せ。
カンヌ以後に取り直したという木村の出演場面は、恐らくフェイと絡まない場面だろうから、消去法で冒頭の独り言部分か。映画中盤の劇中劇のみ出演だった方が物語の構造がすっきりして良かったような気もする。
エンドロールを眺めていると挿入歌の作曲者にプレイスネル発見。「ついにカーウァイと組んだのか!」と思ったが、検索するにどうやら『デカローグ』からの引用。
香港・上海・シンガポールプノンペン・マニラ辺りを行き来する華僑の感覚が全くつかめない。環南シナ海圏とでも云うのだろうか。政治的国境と文化的(経済的)国境が異なるというのは、どんな感じなのだろうか。
日本郵趣協会会員としては、日本の木村からフェイに宛てられた手紙が気になる。封筒にはソメイヨシノ10円切手×2枚。ソメイヨシノの発行は1961年で、当時の封書の国内基本料金用。封書料金は1966年7月に15円へ値上げされている。正確な料金は分からないが、1961〜1966年に船便アジア宛て封書の値段は恐らく20円くらいだろうし、その際に大量発行されている国内基本料金用ソメイヨシノ切手を貼るのも理に適っている。時代考証として整合性がとれているが、わざわざ調べて当時の封書を用意したとは思えないので、これはカーウァイの私物ではないかと推測する。映画の中で宛名を完全に撮さないのもそのせいか。カーウァイのプロフィールをみると「1958年上海生まれ、5歳のときに香港に移住」とある。ならば7〜8歳の頃に親へ来た日本からの郵便を大切にしまっておいてもおかしくはない。まあ香港の古物商に行ったら60年代の日本・香港間の封書なんてジャンク扱いで沢山あるのかもしれないが。
最後に、中華・ハロプロどちらのヲタからも反発を受けそうなネタを書いてみる。ただのネタだから。

いま抱き=DHOM(一般に認知)
欲望の=メモ青(玄人受け)
楽園の=ふるさと(実験作&失敗作)
恋する=ラブマ(大ヒット)
天使の=恋レボ(手癖で楽々)
ブエノス=ウィアアラ(ある意味ゾーン)
花様年華=シャボン(スタイルの残り滓)
2046=愛あらば(閉塞&終焉)
トニー=安倍(象徴)
レスリー=後藤(アウトサイダー

念のために補足しておくと「閉塞&終焉」というのは悪口ではなく、これからも本人は淡々と好きなものを撮り続けるだろうけど、それがオサレでポップな人達に消費されることはなくなるのではないかという意味。