パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

輸入盤に貼られた商標使用許諾シール

自分の好きなアーティストをアマゾンで適当に検索していたら、Mary Chapin Carpenterの新譜が1年も前に出ていた事に気付いたのだが、値段が2432円もする。「在庫1点あり」「24時間以内に発送」となっているくらいだから新譜扱いだろうし、それだったら1100〜1400円辺りが一般的な感覚だと思い、地元のタワレコに行ったら、そう変わらない2405円で売っていた。CDを良く見ると、表面に「商標使用許諾」という日本コロムビア株式会社のシールが貼ってある。
コロムビアの商品を日本で売る時は日本コロムビアを通さないとダメで、その時にほぼ統一の値段を押しつけてやがるのか、と思ったのだが、検索すると全然間違ってた。

もともと日本コロムビアという会社は米コロムビア(ちょっと前までのCBSレコーズ、現SME)の子会社として設立されたもので、米コロムビアとその兄弟会社であった英コロムビアのレコードを販売するために、十六分音符マークと、“Columbia”という商標の使用権を与えられていたのです。
ところが、後に英コロムビア(英グラモフォンと合併してEMIとなっていました)は東芝と、米コロムビアソニーとそれぞれ合弁会社を設立して日コロからは離れてゆき、マークと商標だけが残ってしまいました。
その後本家の方ではどうなったかというとアメリカではCBSの傘下に入ったのちも、“Columbia”はレーベル名として使用していましたし(ポップスでは依然使っています)、イギリスでもEMIの統一マークが制定されるまでは、最近まで使われていたみたいです。
いずれにしても、現在では米、欧、日本の全く資本関係のないレコード会社がそれぞれのテリトリー内でのみ、このマークの使用権を有しているということになります。従って輸入盤などで使用権のない地域に販売する時には、シールを貼るなどして、その旨のお断りをする必要が出て来るわけです。
http://www.ne.jp/asahi/jurassic/page/talk/sony.htm

という事らしい。要するに「盤の裏にColumbiaのロゴが入っとるけど、日本コロムビアとは何の関係もあらへん。昔やったら黒マジックで塗りつぶすところやけど、表に『日本でそのロゴ使用するのを許可しちゃる』ちゅうシール貼れば許したるわ」という事だろうか。つまり、日本で日本盤を出す手間を惜しんだ挙げ句、輸入盤の値段を固定しているのはコロムビアではなくソニーという事か。フェイ・ウォンの場合もそうだけど、最近のソニーは日本で売れそうもないアーティストについて日本盤を出さず、原産地から輸入するだけで、なおかつ値段をコントロールする事で対応しているようで、商売としては間違っていないのかもしれないが、世知辛い世の中になったものだと思う。
実は上記のCDを探す際「あなたもどこかでこの美しいポップスを耳にした事があるでしょう。実はカントリーシンガーの曲なんですよ。偏見を捨てて聴いてみて!」というコンセプトのコンピレーションアルバムを見つけた。実を云えば、映画音楽やオムニバスのコーナーに置いて、偶然手に取った人をカントリーの深みに嵌めるのが目的なのだから、カントリー系のコーナーに置いても意味はないわけだが、それはアーティスト名を検索してジャンル毎に陳列するしか能がないタワレコの店員が無能なだけで、レコード会社の営業努力には敬意を表す。
FINE-Fresh American Music
それに比べてソニーはやっぱりク○ニーなのか。どうせ中華歌手やらカントリー歌手やらは、ハロプロや声優ソング同様、ヲタしかいない特殊なジャンルなんだから、思い切って3059円辺りの値段にでもふっかけろや、と悪態をつきたくもなる。
(2005/9/15訂正)
店でみたのは以下のだった。

ディス・イズ・ポップ・カントリー ~全米 No.1 Songs~ This is POP Country

ディス・イズ・ポップ・カントリー ~全米 No.1 Songs~ This is POP Country


初期のカントリー・フォーク系シンガーソングライターから中期辺りは希代のメロディメーカーだったのに、段々と無駄を削ぎ落とし始め、前作に至ってはすっかり吟遊詩人と化したメアリーさんだが、今作は更にシンプルな散文+子守歌のようになっている。前作を初めて聞いた時は正直かなりがっかりしたが、何度も聴くうちに凄いような気がしてきた。洗脳といえばそれまでだが、今作も何100回聴いても飽きない作りになっているような気がする。
Between Here & Gone (Dig)