パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

『第14節・ジェフ千葉戦』

2006/7/22、広島ビッグアーチ
CSで名古屋戦を見て、千葉戦を見てから感想を書こうと思っていたのだが、CSの再契約をしくって千葉戦の捕獲に失敗したので、現地での記憶に頼りつつ、軽く書いて済ます事にする。「ジェフのサッカーを生で見たい、見たい」と願って数年、ようやく日程が合って春先から楽しみにしていたら、監督が代わってしまって残念。とはいえ、監督の姿を見るのが目的ではないし、サッカーに関していえば、ある程度の継続性が保たれていたと思いたい。
3-5-2マンマークのがっぷり相四つだったので、特に服部×坂本、ハンジェ×山岸の1対1で勝つと、3バックの両脇まで独走出来る仕組みで、サンフレッチェの攻めが拙かったので危険な場面はあまりなかったとはいえ、ジェフも随分リスキーなことをしていると思ったが、単純にこの試合はジェフの方がうまく回っていなかっただけなのかもしれない。
中盤の3枚は、青山&中里がクルプニ&羽生、浩司と勇人がそれぞれマッチアップ。正三角形ではなく、浩司がやや左に寄っていた。前半の半ば、試合が膠着している時に思ったのは「勇人が前に出てきた時、浩司が置いていかれちゃって失点しそう」というものだったが、実際は90分の間、勇人が攻め上がってくる場面はほとんどなく、これを「振り切られる場面がなくて幸運だったな、浩司」とみる人もいれば「よし、浩司が前に張ったお陰で、勇人にフタが出来たぜ、グッジョブ」とみる人もいるだろう。浩司には味方の誰かをフォローするための運動量をもう少し増やしてもらいたいというのが正直なところ。
中里は前半40分頃には明らかに疲弊していたので、ハーフタイムには同行者と、後半頭からでも一誠を入れてくるか、中里を右に出してハンジェを代えるか、或いは地蔵浩司を代えるか、などと話していたのだが、結局同じままで後半スタート。ジェフは羽生を勇人と並ぶ位置まで下げ、その分山岸が飛び出し気味。これが監督の指示なのか、選手の自己判断なのかは分からない。一方、中里は羽生についていくでもなく、ハンジェと共同して山岸番をするでもなく、前半と同じ位置。へばって動けないのと相手の変化に対して応用が利かないのと両方だろうか。この辺りが勝負の綾か。
青山&中里コンビは、目立ったミスもなく、対面にチンチンにやられているわけでもなく、センターハーフというポジション柄チームの柱として役割を全うしていたことは間違いないのだが、うーん、京都ファンには失礼な表現になるかもしれないけれど、斉藤&米田コンビをみているような感触があった。なんだかんだ言っても、中央を結構割られて失点しているわけだし、あまり青山を絶賛し過ぎてはいけない。
GK&DF3人はドカ蹴り禁止で、特に下田は調子が狂うというか、これまで培ってきたリズムに乗れないだろうと思った。この新しい方法に慣れるまでチームが耐えられるかな。林が残っていたら抜擢されていた可能性がある。新監督は経験&至近距離セーブ能力よりも、指示出し&フィード能力を選択したと思う。
カズは攻め上がった場面が後半40分くらいに一度あっただけで、古典的な3バックのスイーパーみたいだった。同じような時間帯にやばいミスパスもあったけど「出し所がなくって困ったらアバウトに寿人へ」というプレーが禁止されている以上、あれは出し手より受け手が貰う動きをしてやれよ、という所だと思う。
盛田は「カズや下田で戻すの禁止」らしく、ズンズン攻め上がっていくのはなかなか面白かったが、お互いにマンマークで守っている以上、ディフェンスラインから上がっていくとチャンスになるとはいえ、逆にいえば、前線がガチガチに付かれているので出し所もなく、「攻撃が不得意な人間にボールを持たせてやっているよ」という解釈も成り立つわけで、その辺りは結果論にしかなるまい。
ジェフの攻撃、中盤でボールをキープしながら前が詰った場面の事。サンフレッチェを含めてこれまで見てきたサッカーだと、DFまでボールを下げてサイドを変えたり、決め手を欠きながらウロウロし、結局最後は入らないミドルを打って攻撃が終わったりするんだけど、この時見ていたら、ジェフはゾーンの幅を保ったまま全体が丸ごと下がってた。だから、適切な距離を保って中盤でキープしたままサイド変えたり出来ていた。マイボールなのに全員が自陣に向かってしっかり走る頓知と勇気と体力を、サンフレッチェも披露出来るようになって欲しい。