パロップのブログ

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CS『第13節・名古屋グランパス戦』

2006/7/24再放送、実況:田中雄介 、解説:原博実
事前の噂では、名古屋戦より負けた千葉戦の方が内容は良いとのことだったが、個人的には名古屋戦の方が落ち着いた良いサッカーをしていたように思う。この試合は、千葉戦よりもライン高め、縦へのロングフィード多めだった。もちろん対戦相手との力関係の違いもあるだろうが、それよりも戸田とカズの個性の違いだろう。トルシエの指示を自己流にアレンジした森岡と、忠実に再現しようとした宮本くらいの違い。
他人と連動した守備の出来ないベットだが、この試合はあまりマイナス面が出ていなかった。もちろん、服部―浩司―盛田の関係に比べると、ハンジェ―ベット―駒野の関係の方がグダグダだったのだろうが、どこまで1対1で責任をとり、どこまで味方をフォローすべきなのかの監督の基準がまだ見分けられないので、ベットの方が正解の可能性もある。
中断前の望月サッカーでは、戸田&ベットの2枚底がそこそこ機能していた記憶があるし、右サイドのベット&ハンジェの組合せもあった。そう考えると、やっているサッカーは、旧体制と名古屋戦よりも名古屋戦と千葉戦との断絶の方が深い気もした。
ただ、両アウトサイドは、これまで広島でやったことないような動きを要求されているのかもしれない。服部は流れの中でゴール前まで詰めたりして伸び伸びやっているものの、ハンジェの側でやられまくりと批判も多い。じゃあ、あらかじめびびって深めに位置取りしたくても、5バック禁止令が出ているのかもしれない。ハンジェ対本田が駒野対本田になって力関係も変わったように、1対1の能力が試合に反映され過ぎの感もある。
75分頃、駒野が相手のパスをカットしてそのまま攻め上がり、最後は浩司がシュートを打ったシーンなんかが理想の形と思われるが、実は八田が投入された後だから、この時の駒野は既に右WBだった。映像を見る前は、もっと往年のリカルドみたく右CBの位置からガーッて駆け上がるシーンを想像していた。これだと、そもそも駒野は本田を警戒してスタート位置が内側かつ深すぎるじゃないか、という見方も出来てしまう。やはり、両アウトサイドの役割が掴みにくいニューバージョン。

米国では、大統領就任後100日間はハネムーンの時期として、野党もメディアも批判は控えるそうだが、4年間の中の100日間と考えて、サッカー監督の任期が半分の2年とすれば、50日間はハネムーンでも良いんじゃなかろうか。9月に入っても良い試合と悪い試合が半々で、残留争いからも抜け出られないようだと、色々な意味で空気が悪くなっていることだろう。

CKにおけるゾーンでの守り方に関する原氏のレクチャーがとても分かりやすかった。実践のなかでのメリット/デメリットを伝えるのがうまい。ミーティングを聞く選手も理解し易かっただろうと想像する。