パロップのブログ

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CS「第13節・柏レイソル戦」

2005/7/4放送、主審:岡田正義、実況:上野晃、解説:浅野哲也
以前より「下がり目のプレイメーカー(カズ)の左右にハードワーカー(茂原と一誠orハンジェ)を置いたミラン風スリーセンターが見たい」とか「ベットをFWで見たい」とか書いていた人間だから当然と云えるかも知れないし、対戦相手が自信喪失気味で攻めの圧力が弱かっただけかも知れないが、特に前半は個人的に今シーズンのマイ・ベストだった。
ラインの裏に抜ける動きとワンタッチゴールが得意なだけだと思っていた寿人が、中央でボールを受けたり、フリーの味方を使ったりするシーンでも素晴らしい事が判明。開幕の頃「味方との息が合ってきたら、もっと真価を発揮する」と仙台サポが書いていたが、その通りだった。寿人がどのタイミングでどこにボールが欲しいのか、味方の選手も判ってきたのだろう。高さがなくてもあれだけキープ出来れば充分1トップが務まる。茂木や前俊に期待するサポの気持ちも分かるが、寿人は過少評価されている。
「3MFの一角として起用することでベットの不規則性に制限を付けるよりも、FWとして起用する方が自由度が増して活きるのではないか」と思う一方で「ベットをFWで起用する場合は『絶対に下がってくるな』と厳命すべし」とも言っていた自分だが、実際にはベット下がりまくり。ほとんどの時間は大木さんよりも下がっていた。しかし、それはそれでありのような気もした。登録上は2トップの片割れだったにもかかわらず、中盤から最前線をフラフラしていたキャリア終盤のカントナのようだったと云えなくもない。好き勝手に動くので後ろ7枚の守備ブロックにしておくのは危険だが、必要だと思った場面では、プレスも激しいディフェンスもしっかり出来る選手だし、FWというよりもフリーポジションという意味合いで使えば良いと思う。
後ろ7枚の安定感が増し、前3人が連動して動き、空けたスペースに後ろから人が飛び出す。服部&サンパイオ、駒野&茂原のような「あうんのファンタジー」は消えたかも知れないが、訓練の賜物なのか、お互いの意思疎通も順調でパスミスも少なかったし、人とボールが連動して動く理想のサッカーが出来ていた。しかし結局2点目がとれなかったし、1対1の競り合いで負け、ファールを犯し、FKを取られてピンチになる場面も多々あった。机上の配置バランスが最高でも、人と人との戦いに負ければ意味がないのが現実の難しいところ。
この試合を見る前は「次のガンバ戦はガウボン復帰の2トップ、そしていよいよまたしても自分の予言通り、いずれも変化系のベットと大木さんのうち、どちらかがベンチになる日が来る。というか、大木さん先発で、ばてた頃にベットが同じ位置に入ったら良いのでは」などと考えていたが、見終わった後となっては、もう1試合このメンバーによる4-3-2-1いわゆるクリスマスツリー型で見たい。結局、点を取るためにはガウボン/前俊が必要なのかもしれないが、今日のサッカーを手放すのはあまりに惜しい。

15分過ぎ、カズがほぼ真後ろのジニーニョからのパスをノートラップで前方の大木へ出した場面、あれがデシャン風ラインの裏破りか。カズにはいつもあれを狙って欲しい。そして飛び出すのは茂木ーニョのはずなのだが。シェフチェンコにもなれるはずの男なのだが。モギーニョは紅白戦の間、とにかくカズにボールが入りそうな瞬間、ワンタッチで裏に出る事を想定して飛び出しまくる練習をしてアピールすべし。
40分過ぎ、ハンジェが左サイドから大きく右に振って大木に出したけど長過ぎてタッチを割った場面、近くにいたベット、中央のカズ、受けられなかった右の大木の全員から怒られていたが、このチームにはああいう逆サイドへの長いボールを蹴る人間がなかなかいないので、是非今後も挑戦して貰いたい。もちろん成功率は高めて欲しいところだが。