パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

『BS世界のドキュメンタリー』「アメリカ大統領と宗教〜影響力を増すキリスト教右派勢力(With God on Our Side)」

2004/10/27放送、50分、制作:ルミエール・プロダクション(米・2004年)、プロデューサー/構成:カルヴィン・スキャッグス、日本語版導入:岡部徹解説委員
60年代以前の福音派は「政治は政治、宗教は宗教」という感じで、そんなに投票にも熱心でなかった。/60年代に入って現実世界(科学技術やら公民権やら)が信仰の部分にまで踏み込んできたので危機感を感じ、福音派の集会にきてくれたニクソンに投票してみた。/70年代、カーターは南部プロテスタントだったので仲間だと思って投票してみたら、政策はまた別物でだまされたと感じた。/漸く80年代、自分たちの生活・信仰を守るためには能動的に政治と関わる事が必要だと気付き、組織的に有権者登録まで呼びかけてレーガンに投票。/88年選挙ではテレビ伝道師が予備選に出馬までするが敗北し、政治は難しい事を実感。/90年代以降、圧力団体を結成し、自分たちの主張を通すための駆け引きや妥協を学び、発言力を高める。――というのが、大体の粗筋(60年代以前は私の想像)。

「我々は自滅するかもしれません。同性愛者が増え続ければ出生率は下がる一方です。社会に進出し、男性のごとく振る舞う女性が増え、母性を放棄し、子育てを嫌う女性が増えたら、酒と麻薬が蔓延し、中絶が簡単に行われるなら、我々は自滅します。それが今の社会なのです」
――福音伝道師ジェームズ・ロビソン

戦後民主主義教育チルドレンの私としては、80年代の事とはいえ、発言の内容云々よりも公の場でほぼ公人によるこの発言が許容されている事に驚く。たとえ心の中で思っていても口には出さないのが教養ある文明人のたしなみだと思っていたが、そういう本音と建前の使い分けをする政治エリートが宗教右派の人たちは嫌いなのかもしれない。