パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS-hi『ハイビジョンスペシャル』《シリーズ・サンクトペテルブルク》「戦争に消えたロシアの秘宝〜よみがえる琥珀の間」

2003/5/27初回放送、110分、構成・プロデューサー:重延浩、制作統括:伊藤純/中島木祖也/井上隆史、共同制作:テレビマンユニオン
新「琥珀の間」復元作業の話と、旧「琥珀の間」探索ミステリーの話は別物といってもよく、これをくっつけるのは無理があると思ったが、制作者の文章(以下のサイト参照)を読むと「歴史的な経緯と現在の作業を同時に見せたい」という意図があったようだ。ドキュメンタリー制作者のパーソナルな思いと公共の電波で伝えられるべき普遍性を両立させようとした苦労が偲ばれる。
重延浩(テレビマンユニオン会長・CEO)「放送文化は使命感から生まれる」(『財団法人放送文化基金』内)http://www.hbf.or.jp/30/7_shigenobu.html(今回のとは関係ないが、NHKが外部の制作会社にドキュメンタリーを発注するようになったエピソードは興味深い。そう古い話ではなかった。)
琥珀の間」で検索すると、ペテルブルクの旅行案内がズラズラと出てくる。簡単に実物を見る事が出来るわけで、よくある謳い文句「今回特別に撮影を許された」類が今回使われていないのに納得。しかし、そうなると、ますます「ペテルブルク300年記念映像」部分と「旧琥珀の間ミステリー」部分は別番組でもよかったのでは。75分バージョン(『地球に好奇心』)ではどこを省略したのかも、少し気になる。
正直、本物の琥珀を見た事がないので、映像からその美しさが想像出来ない。そういえば学生時代、西洋史入門で、バルト海琥珀ローマ帝国で見つかった話を聞いた覚えがある。思うに「琥珀の90%がバルト海沿岸でとれる」のではなく「バルト海沿岸(ヤンタルニー)でとれる特殊なブツを琥珀と名付けた」の方が正しいのでは(他の地域でたまたま発見された松ヤニの固まりも便宜上「琥珀」と呼んでいるだけ)。
旧「琥珀の間」ミステリーに関しては、最新の考古学なんかで使われているレーダーなどを使えばもっと正確な地下の様子が分かりそうだが?/既に発見した機関があるけど黙っているのでは?/いくつかある噂の場所のほとんどは最初からフェイク用に空箱を埋めていそう。