パロップのブログ

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増島みどり『6月の軌跡―'98フランスW杯日本代表39人全証言』

最初にソフトカバーで出た方。文庫版では訂正された箇所もあるだろうが、大意は同じだろう。
98年当時、私は典型的な海外厨だったので、日本メディアの騒ぎはあまり記憶にない。なので、カズ外しの話と3バック移行の話を中心に語っている同書を読んでも、記憶の再構成というわけではなく、初耳な話ばかりだったりする。結局キーパー以外で試合に使われなかったのが服部/伊東/斉藤の3人いて、それならばトルシエ式に「試合には出なくても、チームのためになる選手」を2人連れて行っても良かったのに、という感想も5年経ったからこそ出てくる。
岡田監督の「3バックだけど守備的じゃない」「2トップだけど1人は中盤に帰れ」「ウィングバックも含めて中盤は6人」みたいな考え方は、トルシエと変わらない。山口/名波/中田の中盤でボールを運ぶ決まり事が沢山あったというのもトルシエ期とそう変わらない。「運んでからどう点を獲るか」「詰まった時の打開策・交代策」「何人か欠場しても戦力を維持する層づくり」あたりが4年後の課題だったとすれば、概ねクリアしたとして良いのでは。