パロップのブログ

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CS「第21節・川崎フロンターレ戦」

2005/8/30再放送、主審:長田和久、実況:田中雄望、解説:浅野哲也
この過ぎ去った試合について書く前に、駒野が代表に選出された件。自分は東アジア選手権の2試合をみて「控え選手が出場した時の役割は、生き残りをかけて自分を積極的にアピールすることではなく、ファミリーの一員としての役割を全うして序列に留まること」「その意味で駒野はほぼ完璧だった」と書いた(8/3及び8/7の日記参照)が、今回のジーコ会見を読む限り、なかなか良い線を突いていたのではないかと思う。
ジーコのやり方に好き嫌いはあるだろうけど、本大会まで1年を切った今、自分の中にある理想の代表と現実の代表を比べて「ジーコはもっと○○するべきだ」とイライラするよりも、ピッチ上の現象から「ジーコは何を考えているのだろうか」を読み取るべく、楽しく想像を膨らませた方が、心の健康にも良いと思う。
念のため付け加えておくと、上記の話は自分のような斜に構えて代表に屁理屈を付けている人に限った事で、空港へ行って「頼むから辞めてくれよ」と叫ぶような本当に心から代表が好きな人は、その心のおもむくままに。

35分辺りまでは、後ろから追い越していく選手がほとんどいない堅い試合運び。ハーフカウンター狙いの3-5-2で噛み合って膠着。広島は前の3人が2トップ+1ではなく横一直線に並んでしまう、春先のよくなかった頃に似ていたが、前半0対0で折り返すつもりだったのならば、計算通りかも。但し、大木さんは40分頃には完全に電池切れしていた。
36分にカズからフリーランした駒野へ。40分にも同じくカズ→駒野。3バックの時は中盤でチンタラ回している間に、両サイドが前の3人を追い越すような動きをすると、やはりチャンスになる。その動きが前半残り10分になって解禁、ということだろうか。
35分頃から得点した後半10分頃までがやや広島の時間帯だったが、その後はまた川崎ペース。67分に失点する前、60分にも広島の3バックとジュニーニョマルクス/黒津が純3対3になって危険な場面があった。広島の中盤が憲剛辺りにプレスをかけにいって失敗、且つ最終ラインが怖がって下がると危ない。一番疲れが出る時間帯だろうけど、ちょっと意思統一が出来ていない様子。それと後半から茂原が入った効果が全然出なかった。理由はよく分からない。茂原がジュニーニョを専属でケアしても良さそうなもんだけど、その辺を察知してジュニーニョが西河を狙い撃ちしたのだったら、その狡猾さに完敗。
80分にハンジェを入れてから広島は息を吹き返したようにもみえたが、単に川崎が攻め疲れただけかもしれない。カズを中央に、左右をハンジェと茂原、トップ下にベット、というオレ的仮想ACミランが実現した。見方によっては、カズ&茂原の守備的MF2枚とハンジェ&ベットの攻撃的MF2枚かもしれないし、最後はベット/カズ/茂原が3枚並んでハンジェがトップ下のようにも見えた。下田神、4バック、カズ、2トップを除く中盤3枚を、ベット/ハンジェ/茂原/大木/浩司/クワダのタイプが異なる6人でうまくローテーションしていくのが理想か。これに高萩/高柳が絡んでくると嬉しいのだが。
85分、カズから寿人への長いスルーパスが半身の差でオフサイドになった場面、カズがDFからボールを受けてワンタッチで前を向いたけど、少しコントロールが乱れたのか、もう一回触って出したためにオフサイドとなった。前を向いた最初のタッチで完璧なコントロールをしていたら、次のタッチでパスが出せ、多分完璧なタイミングのスルーパスになったはず。試合の最終盤でそれを求めるのは厳しい注文だろうけど、そこがワンランク上がる、即ち名波やグアルディオラになれるかの分かれ目だと思う。今の広島はカズのチーム。カズの代わりはいない。今はカズが疲れて動けないが故に負けたとしても、全然「交代させろ」とは思わない。それが現時点でのチームの限界だと思って諦めもつくから、カズには高い理想を見据えて精進して欲しい。
1〜2週間前に比べると、寿人のキレがやや下降線のようにみえた。涼しくなって、そろそろモギーニョの季節だと思いたい。
余談として34分頃、右サイドで大木さんが倒されてFKゲット。素早いリスタートでゴール前、ヘディングという場面、画面の切り替えが悪くて判りづらかったのだが、恐らくキッカー駒野、キッカーの近くに大木さんとベット、その後ろにこぼれミドル狙いの服部、ガウボンはペナ左に流れ、寿人はピッチ外で水分補給中、カズはペナルティエリア付近。ということで、ヘディングしたのは消去法で小村しか考えられないのだが、あの早いリスタートで小村が突っ込んできたというのもまた考えられない。不可解なり。

雄望氏は何年もJ1/J2の実況をしているだろうに、全然選手の見分けがつかないのな。印象批評というか、軽やかに中身のない話をするので、段々と腹が立ってくる。浅野氏は各チームの特徴、交代選手からポジションの移動まで、頭に入っているので好感が持てる。