パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS1『ハイビジョンスペシャル』「さまよえる戦争画〜従軍画家と遺族たちの証言」

1/27初回放送(BS-hi)、120分、構成:吉田通代、制作統括:橋本裕次/伊藤純
1、ソ連圏の作家が国家の検閲と駆け引きしながら、結果として作品の密度を高めたように、制約や命令が芸術の自由や主体性を奪うかどうかは分からない。嫌々ながらも引き受けた以上は、お上から決められたテーマ以外の表現部分で、様々な試みをした画家もいたのだろう。2、戦争に不可避な「生と死」というテンションに興味を惹かれ、積極的に関わった芸術家がいてもおかしくない(実際には従軍せず写真見て描かれた作品もあるようだが)。3、戦後、公開に否定的だった画家が多かったのは「不本意に描いた(手抜き作品だ)から」とか「戦争協力の事実を隠したいから」というのではなく、作品自体の評価よりも、それにまつわるエピソードばかりが話題として取り上げられるのを嫌ったためではないだろうか。4、番組内で作品自体の評価はされず、GHQによる「芸術ではなく、プロパガンダ」見解しか紹介されていなかったが、アメリカ人は明治以前の日本画なら何でも「オリエンタル!」と評価し、日本人による西洋画は「猿真似!」としか評価出来なさそうだ。
以下、関連サイトのURL
岡義明「戦争の時代、画家は画家であったのか?」(『財団法人大川美術館』より)
http://www.kiryu.co.jp/ohkawamuseum/kikakuten/43-sorezoresensou/oka.htm
藤田米春「山田新一と戦争記録画」(『迷宮藤田城』より)
http://www.coara.or.jp/~fujita/syamada.htm
藤田米春が触れているテレビ宮崎が製作したドキュメンタリー「秘匿・戦争記録画151点」もあわせて見てみたい。NHKは山田新一を無視。