パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

『ETV2002』「わがパレスチナ〜長老シャフィ氏が語る民主化への道」

2002/9/30放送、構成:石井裕一郎、制作統括:東野真
NHK解説委員の柳沢秀夫がナビゲート。彼は91年頃に特派員として中東問題にはまったので、今回の役割を仰せつかったらしい。しかし、柳沢氏が今回の取材をしたのかがはっきりしない。ハイデル・アブドル・シャフィ氏は、ガザ地区に住んでいるアラファトら亡命帰還組とも、ハマスとも違う「西側民主主義を信じつつもイスラム的な価値観を重んじ汚職とか縁故が嫌いな人」の代表。第三勢力的な立場から、自治や自爆テロに関する興味深い話がいくらでも聞けそうなのに、番組中シャフィ氏へのインタビューは10分くらい。その映像はデジタル・ビデオっぽいので、パレスチナ問題に取り組む日本人ビデオジャーナリストの持ち込んだ映像のように思える。他の時間はシャフィ氏が代表を務めた中東和平会議なんかの資料映像で繋いでいた。シャフィ氏の過去や現在のパレスチナ情勢と、今回のインタビューがごちゃ混ぜだから、貴重なインタビューが貴重に見えない。柳沢氏が取材していない(ナビゲーター)ならば、「今回、あるジャーナリストから重要人物シャフィ氏の独占インタビューを入手しました。それでは、これまでの経過を資料で振り返りましょう」と導入に徹し、自分が取材者のような顔をしなければ、映像の重みがもっと出たはず。自分で取材したのなら、自分で流れを説明しろ。