パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS-hi『はるかなる音楽の道』「さすらいのバイオリン〜流浪の民・ロマの道」

2002/4/30再放送、構成:井坂泰成、制作統括:佐藤高彰
クラシック・エリートの道を捨ててバイオリン道に勤しむ日本人バイオリニストが、ロマ音楽の本質を探るドキュメンタリー。だが、敢えてブダペシュトの都会ロマ音楽から南へと下って最後にルーマニア南部のタラフ・ドゥ・ハイドゥークスに辿り着くという演出はいらない。「ロマが来た道を逆に辿る」をやってみたかっただけちゃうんかと、小一時間問いつめたいくらいだ。インドに近づく程素朴なものが残っているわけでもなし、身勝手な演出。旅人の日本人が行く先々でバイオリンを弾けば、相手も早くに心を開いてくれるだろうに、と思って中盤の展開を歯がゆくみていたが、なるほど最後にハイドゥークスと共演した時の、解放感みたいなのは見事だった。しかしそれはやはりドラマの演出であり、本音を言えば、初めっからハイドゥークスの元にとんで、腕前見せて認められ、即興のセッションを90分やってくれた方が良い。それでは、ドキュメンタリーにならないが。