パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

TVドキュメンタリー回顧と展望・2000年

NHKスペシャル』「甦る希望の白き橋〜ボスニア内戦から4年目の記録」:記憶なし。★(1/9)
ETV特集』「アイヒマン裁判で何が裁かれたのか〜ドキュメンタリー映画“スペシャリスト”から」:これを見ると映画がすごく面白そうだが、実際はそうでもない。司会進行は『ショア』でもお馴染み高橋某教授。★★(1/31)
BS1『日曜スペシャル』「21世紀への証言〜マイヤ・プリセツカヤ」:旦那がシチェドリンというだけでも衝撃の事実だが「シチェドリンは天才です」と言い切るマイヤは更に驚きだ。彼女の方が評価が高そうだが、すごい人々は自分なりの価値観で人を見ているのだろう。『カルメン』のバレイ用編曲を依頼されて「ビゼーが怖いから」と断ったショスタコが面白い。「あなたの旦那は素晴らしい作曲家ではないですか」と断ったハチャトゥリアンも面白いが。★★★(1/30)
BS1『BSドキュメンタリー』「ロシアの新しいエリートたち」(露スタジオ・ロック、1998年):金もうけと知識人の狭間を描く。面白くない。★(2/20再)
BS1『BSドキュメンタリー』「アメリカは何故戦うのか〜ベトナムからコソボまで」(米カークドキュメンタリーグループ・WGBHエデュケーショナル、1999年):NATO国防総省国務省など色々出てくるが、結局何で戦うかは見ているアメリカ人の脳みそでしか分からない。★★(2/26)
BS1『BSドキュメンタリー』「アンネ・フランクへの手紙〜ボスニアの子供たちの祈り」(蘭アブラハミ・ネッツTVプロ、1998年):ボスニアの子供たちが『アンネの日記』を読んだ感想をオランダに送ったら、記念館からオランダへの招待状が来た話。「オランダへ行ったら、アヤックスクライファートが見たい」という男の子に注目。物語として秀逸。★★★(3/3)
BS1『BSドキュメンタリー』「コソボ紛争〜ボランティアの見た現実」(米エモーションピクチャーズ、1999年):何故アメリカの放送局が作ったドキュメンタリーが詰まらないかといえば、製作する目的が「同情を集めて金を集める」とか「どっちかを悪者にする」とか具体的でありすぎるからだろう。全部がスポンサー付きドキュという感じだ。★★(3/4)
BS1『日曜スペシャル』「コマネチをめざす17歳〜ルーマニア 試練の2万時間」:マリア・オラルをまさか世界チャンピオンになるとは思ってもみなかった時期からの密着取材、NHK恐るべし。★★★★★大賞(3/5)
BS1『BSドキュメンタリー』「イギリスに消えたナチ武装親衛隊〜ウクライナ人志願兵の戦犯疑惑」(英ヨークシャーTV、1999年):イギリス市民権を取ったウクライナ人が実は戦犯だった、という暴露話を後追い・裏付けするパターンにかけてはイギリスの右に出る国はいない。ネタ本書いた人間も出演。★★(3/10)
ETV『海外ドキュメンタリー』「ローマ法皇ヨハネ・パウロ2世の実像」(米WGBHヘレンホイットニープロダクション、1999年):2回シリーズ、カロル・ヴォイチェワ時代からのエピソード満載。法皇の学生時代からの友人がひょいひょい出てくる不思議な感覚。個人的には「解放の神学」潰しの話が興味深い。後世はどう評価するだろうか。★★★(3/10,17)
BS1『日曜スペシャル』「ドイツ海外派兵〜コソボへの長い道のり」:日本でも軍隊派遣や憲法改正が話題になっていた頃、ドイツがどのように派遣を決め、現在コソボでどんなことをしているのかを取材、といいつつほとんど記憶なし。★(4/2)
BS1『ワールド・ドキュメンタリー』「IMF ロシア経済支援の舞台裏」(仏テトラメディア、1999年):1999年3〜4月、その間ユーゴ空爆で西側とこじれたこともあり、結構駆け引きがある。事務レベルで話が出来ているのかと思いきや、トップ会談まで揉めているので交渉のする意味があるもんだと感心する。議題の中心はガスプロムから税金をちゃんととること、アルコールやガソリンを値上げすることなど。エリツィンやっぱりドタキャンで大爆笑。交渉している中銀総裁やIMFモスクワ代表が横領しているんだから、どうにもならない。★★★(4/23)
『ETV2000』「ダライラマ〜日本人への問いかけ」:来日中の猊下に話を聞く藤原新也山折哲雄藤原氏は人間として率直な疑問を、山折氏は崇め奉ってお伺いを、という感じ。ちょっと皮肉っぽい質問にも愉快に答える結構ジョークが好きなダライラマだが、周りの空気がそんな面を表面に見えないようにしたがる。★★(4/26,27)
ETV『ドキュメント地球時間』「チェチェン〜闘い続ける人々」(米コンパットフィルム、1999年):記憶なし。★(4/28)
BS1『ワールド・ドキュメンタリー』「自由への闘い」(BBC、1999年):3回シリーズ、89年革命を10年後に振り返る、というありがちなドキュメントをBBCがありがちな手堅さで。「残りのヨーロッパ」好きとしては見ないわけにいかないが、そんなに面白いわけではない。但し取材に答える人物は豪華だ。★★★(5/6,13,20)
BS2『地球に好奇心』「プリマバレリーナをめざして〜ロシア・ワガノワアカデミーの少女たち」:持ち味の違う出来の良い2人を対照的に追う、という定番の作りだが、良く出来ているのはNHKだから。天真爛漫系の方が脱落していく様が面白いが、結局どうなったか記憶にない。★★★(7/29)
NHKスペシャル』「核軍縮・密室の攻防〜追跡・21世紀の核状況を決める26日間」:国連で核の廃止を求める決議がされたのは、提案国の背後にNGOがいたという話。その実をとるにはどうすればよいかの戦術論も含め、決議の内容そのものよりも攻防が下手な映画よりも楽しめる。決議後に関係者の証言を集めつつ、当時の映像を至る所から掻き集めたという印象。★★★★編集賞(8/5)
BS1『ワールド・ドキュメンタリー』「新しい命のために〜ロシア産婦人科病院で今」:記憶なし★(8/6)
NHKスペシャル』「空爆の下の対話〜インターネットが記録した戦争」:こうした取材にきちっと答えられる、世界中からの批難にも向き合えるセルビアの女性に惚れること間違いなし。西ヨーロッパだと逆にこういう生温い中立番組は作れない気もする。★★★★誠実賞(8/13)
BS1『ワールド・ドキュメンタリー』「アメリカで手に入れたものは・ポーランド孤児」:ポーランドの孤児院からアメリカの裕福な夫婦に引き取られた兄弟姉妹の解け込み具合とグレ具合の相違。★★★(8/27)
『ETV2000』「破滅の20世紀」:ベラルーシチェルノブイリ以後とアフガン戦争以後を取材するアレクシェーヴィッチと、在日朝鮮人としての活動を続ける徐京植の対話。★★(9/4,5)
ETV『ドキュメント地球時間』「絶望の淵で〜ボスニア大虐殺の記録」(英アンテロープBBC):スレブレニッツァにおけるイスラム教徒大虐殺を実証的に再現するイギリスらしい手堅い作品。約3年間の戦争中、ずっと意味なし虐殺が続いているわけはなく、戦略、復讐などリズムを理解しないと謎は解けない。確かにムスリム側が先に民間人を虐殺しているが、それでもセルビア人の行為は許せない、という微妙な作りが報道者としての良心と偽善者イギリス人らしい偏見との葛藤が見どころ。国連部隊の限界もよく表現している。★★★★骨太賞(9/8,15)
BS1『ワールド・ドキュメンタリー』「対ロシア外交〜アメリカの反省」(米WBGH、2000年):どうしてロシアが民主主義社会にならなかったかをアメリカ政府関係者に聞く、という相変わらずアメリカ人らしいお節介な企画だが、記憶なし。★(10/7)
BS1『日曜スペシャル』「21世紀への証言〜笑顔で世界を変えた男(エドゥアルド・シェワルナゼ)」:NHKでロシア関係の取材で必ず出てくるのが、小林和男。数十年現場でロシアを見てきたものとしては、歴史の審判がどうあれ開放的だったゴルバチョフ、シェワルナゼに肩入れしたくなるのは人情か。★★★(10/15)
BS1『ワールド・ドキュメンタリー』「ワルシャワ わが隣人たちの記録」(パヴェウ・ウォジンスキ・フィルム・プロダクション,1999年):なんてことない話だが、ちょぴり心にしみる。そして事実はドラマよりも奇なり、なラスト。★★★(10/28)
NHKスペシャル』「民族浄化〜ユーゴ情報戦の内幕』:今さらこんなの流れてもしょーがない、ユーゴが制裁されている時にやれよ、という声が聞こえてきそうだが、やらないよりはまし。★★★★スクープ(?)賞/(11/14)
ETV『ドキュメント地球時間』「救出は不可能だったか ロシア原潜クルスクの惨事」(ノルウェーTV2、2000年):注射されたおばさんも含めて、その時だけ空騒ぎした終わるメディアが多い中、ちゃんと後追い取材をするノルウェー人と、それを翻訳してくれるNHKに感謝。★★★★(11/17)
BS1『ワールド・ドキュメンタリー』「引き裂かれたイレブン〜旧ユーゴのサッカー選手たち」(蘭NPS/PvH、2000年):スラブサッカー好きは見るのが義務。ユーロ2000を前にして開催国オランダがユーゴ代表に対してイジメが再発しないよう作ったものだろうか。古い貴重な映像とともに90年当時を振り返る在オーストリアイビカ・オシムには皆涙する。★★★★特別賞(11/26)
BS1『ワールド・ドキュメンタリー』「ボスニア虐殺の真相を追う デンマークの元難民担当大臣」(TV-DOC、デンマーク2000年)★★★(12/9)
BS1『日曜スペシャル』「絆は100年を越えて〜家族が結ぶ日本とポーランド」:ピウスツキに日本人の子孫!というネタの勝利だ。★★★(12/17)
ETV『ドキュメント地球時間』「映画にささげた魂」(フランスAMIP, 2000年):タルコフスキ最後の日々を綴った映像が貴重なのか、今特番組むのに意義があるのか、判断しかねる、フランス人のすることだし。★★(12/29)
NHK『HAIKU・バルカンの戦火をこえて」:でかい戦争話はどこまでミクロに取材しながら、それでいて全体像を端々に提示しなければならないので、大変だ。(12/30)★★★