パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

ナボイ/ナヴォイ関連

BS-hi『ハイビジョンスペシャル』「わが青春のナヴォイ劇場〜日本人捕虜が建てたウズベキスタンオペラ座」2007/7/12再放送(2001/10/13初回放送)、50分、撮影:佐藤努、海外リサーチ:サフィーナ・カディロヴァ、構成:池野雅之、制作統括:斉藤茂、制作・著作:NHK
BS-i『i's EYE』「シルクロード秘話〜劇場を建てた男たち」2007/7/30再放送(2001年初回放送)、120分枠、カメラ:服部康俊、ディレクター:秋山浩之、プロデューサー:谷上栄一/門脇利枝(BS-i)、製作著作:TBS/BS-i
偶然2つのテレビ局が同じ地域・ネタを取り上げただけで、それぞれ別のアプローチをとっているのかと思っていたら、内容がまさかの丸かぶりだった。というか、そもそも2001年8月27日に劇場で行われたオペラ「夕鶴」公演の取材が先にあり、その上で背景を取材したと考えるべきなのかもしれない。あえて違いを探せば、嶌信彦をナビゲーターにしてカリモフ大統領にインタビューをしたりしていることからも分かる通り、国際政治やビジネスの視点から現在のウズベキスタンと日本の絡みを紹介した部分が多かったTBS、劇場の資料室長に話を聞いたり、ウズベキスタン中央公文書館などの史料映像を盛り込んでウズベクの人々がどう受け止めているかを歴史的な観点から見たNHK。それから、劇場の正式名称が、TBSでは「アリシェル・ナボイ名称劇場」、NHKでは「アリシェル・ナヴォイ・オペラ・バレエ劇場」だった。訳し方の違いだろうか。
それにしても、ヤッカサライ日本人墓地を訪問するシーンとか、修善寺での戦友会のシーンとか、事件やニュースの映像ならまだしも、密着取材/独占取材の形をとっている長編ドキュメンタリーの取材現場に、実は2局のカメラが並んで取材しているのに、お互い存在していないように振る舞っているのを考えると妙におかしい。戦友が転落死した場面を話す吉田さん、太陽の位置で日本へ帰るのではなくシベリア行きだと分かったと語る永田隊長、ロシア民謡「はてしなき荒野原」が頭から離れないという渡辺さんのエピソードは見事に被っていた。特に吉田さんの話は語り口からオチの付け方まで同じだった。テレビ局にも証言される方にも責任はないけれど、全く同じ話を別の番組で続けて聞くと、不思議な感じになる。ただ、抑留生活の中で麻雀が大ブームになったという話題で、TBS版の永田隊長は「働けなくなるからパンは賭けさせなかったが、砂糖はOK」という話をしていたのに、NHK版の鈴木さんは「パンを賭けて1週間食べられなかった奴もいた」と言っていた。隊長がよそいきの話をしたのか、鈴木さんがオーバーに話したのかは分からないけれど、この程度の証言のズレは起こりうるものだろう。とはいえ、他局が同時に取材していると分かっているので、普段ならば許される程度の演出でも慎まなければと意識しながらドキュメンタリーを制作するのは大変だっただろう。

軍ヲタでないから間違っているかもしれないが、永田部隊の出身地がバラバラなのは技術部隊だからなのだろうか。一般に部隊は郷土毎に編成されているものだと思っていた。
NHKの『ハイビジョンスペシャル』にロングバージョンがあるのならば、そちらも見てみたいのだが、検索しても何もヒットしない。ネット上でのNHKの番組情報が貧弱過ぎて困る。