パロップのブログ

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ETV『ドキュメント地球時間』「映画にささげた魂」

フランスAMIP, 2000年
タルコフスキの話で、番組序盤に86年の死相が出ている個人映像が紹介されていたので、発見されたフィルムの初公開特ダネ系のドキュかと思ったら、後はほとんど作品の解説だった。いかにもおフランスが作りそうな番組だが、何故今、しかもNHKまで何故訳す? という感じは否めない。
内容について:『惑星ソラリス』も『ストルケル』も謎の物体が個人の内面・欲望を表面に写すと云うのは怖い事を意味するのだとする設定を持っているが、個人的にはソラリスに行って「あんたの内面からっぽだよ」と言われ、「ゾーン」に入って「あんた何の望みもないだろ」と言われる方が怖い。そんな現代人たくさんいそうだけれど。
黒沢明:どの映画にも雨が降っているのは世界のクロサワの影響らしいが、娯楽のクロサワからあんな眠い映画によく進んだものだ。元は絵描きになりたかったのは共通しているが。
『サクリファイス』:85年に撮影し、翌年病室で編集した最後の作品。スウェーデンでの撮影風景が撮影されていて興味深い。もっとあっちにいっている人かと思ったが、アレイニコフ髭を生やしたおっさんだった。撮影にベルイマン傘下のニィクヴィストを起用、数カ国語を駆使して説明しているが、意外に楽しそうだ。
メモ:家族、妻ラリーサ、娘アンドリューシャ、『僕の村は戦場だった』(1962)、『アンドレイ・ルブリョフ』(1967)、『ソラリス』(1972)、『鏡』(1975)、『ストーカー』(1979)、『ノスタルジア』、『サクリファイス』(1986)、パリ・アレクサンドル=ネフスキ教会での葬儀にロストロポーヴィッチのチェロ演奏。