パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS1『アメリカの世紀』6「イラン革命の衝撃」

イメージ先行のイラン革命に実像が肉付いた、あくまでアメリカ人のバイアスを通してだが。「古い価値観にしがみつくイスラム教徒」などのコメントもご愛敬。革命は開発独裁のパーレビ国王を追い出すためにイスラム原理主義者と西欧民主主義者が手を組んだもので、その後アメリカ大使館占拠事件を利用して原理主義者が勝った話らしい。アメリカのドキュはソ連の東欧占領は非難するけれど、CIAが金と武器を送り込んで政府を転覆するのはOKだとする。国王配下の秘密警察の拷問と国王を支持したカーターの政策は非難するが、秘密警察の設立にCIAが加担したのも、そもそも拷問はCIAの十八番だということも非難しないアメリカの倫理観は本当に不思議だ。
追記:パーレビを助けるために武力介入をするかについてアメリカ政府が論じた時、国務長官ヴァンスが反対、安全保障担当補佐官ブレジンスキが賛成したのも興味深い。1989年以後、ヴァンスはユーゴ和平仲介屋に、ポーランドから逃げて来たブレジンスキは反共産主義を唱える評論家になった。クルピャンコ氏が「ブルジェジンスキ」と言っていたのが懐かしい。