パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

自称サバティカル宣言  

 

6月末で会社を辞めた。「会社を辞めたらサバティカルにならないじゃん」とおっしゃるそこのあなた、ごもっとも。だがちょっと待ってほしい。約7年強、介護労働者として働いて、介護福祉士とケアマネの資格を取った。求人倍率をみれば、圧倒的な売り手市場。43歳のおっさんなれど、さすがに介護労働職ならば明日にも見つかるだろう。そう考えると、自分が希望する期間だけ休んで好きなことが出来る。これは実質サバティカルといって差し支えないのではないか。

なぜ会社を辞めたのかといえば、やりたい事としなければならない事が溜まっているからで、会社自体はなかなか働きやすい良い会社だった。やりたい事としなければならない事の内容は後述するけれど、はっきり言って全然大した事ではない。まともな社会人ならば休日にでも軽くこなして消化しているだろう事ばかり。まともな社会人というのは、賃労働して、家庭を経営して、さらに自分の時間を作って、と上手く時間を配分して暮らしている人々の事。ところが私こと43歳独身おっさんは仕事と自分の時間しかないのにこれをこなせていない。夜勤明けの次の日も15時くらいまでダラダラとネットしてテレビを見ている間に過ぎていく。自分の時間すら確保できていない。他人と比較して時間の使い方が下手で効率が悪い事を認めるのはつらいところだが、現実に出来ていないのだからそこは自分と向き合わなければならない。さあ、向き合ってみた。とりあえず1~2年は遊んで暮らせる貯金があり、借金はない、養う家族もない、体力は今後ますます落ちていくだろう。時間と財力と体力を天秤にかけて出た結論は、いま最も優先順位の低い事が賃労働だった。

介護福祉関係の仕事をしている人はわかるかもしれないが「よーし、定年になったら本を読んだり映画を観たり旅行に行ったり好きな事をするぞ」みたいな空手形はあまり信用できなくなる。脳梗塞心筋梗塞でフィジカル的に行動が制限されるというのももちろんあるし、利用者様と会話してても「以前は絵を描かれていたそうですね」「もう手が震えちゃって描きたくない」とか「読書がお好きだそうですね」「もう目がショボショボしちゃって」みたいな感じで、細かい衰えも無視できないし、何より気力や好奇心が落ちちゃうのが怖い。職業病として「今したい事は今しとかないと」という刹那的な生き方になりやすい傾向はあるのではないか。

 

やりたい事としなければならない事

その1 マットレスを買いたい

腰が痛い。職業病というよりは部活でインチキ手抜き腹筋をしていた学生の頃からの慢性。現在はフローリングの上に布団を敷いて寝ているが中年の体に良いとは思えない。ベッド入れてマットレス敷いて安眠したい。腰痛には低反発が良いのか高反発が良いのか研究もしたい。だがそもそも部屋が狭い。ベッドが入る気がしない。部屋の物を片付けたい。

 

その2 テレビ、テレビ台を処分したい

2006年に買ったブラウン管テレビがこれまたでかいテレビ台の上に鎮座している。テレビそのものを買い替えるのはそう難しくないが、テレビを替えるといま繋いでいるハードディスクレコーダーも処分しないといけないだろう。録画したまま放置している番組をDVD-RAMに吸い出したい。本当をいえば、テレビもアマゾンなんちゃらやらスマートなんちゃらやらスペックを比較して、熟考して買い替えたい。

 

その3 本を処分したい

まあ自己顕示欲的にずっと手元に置いておきたい本というのもそれなりにあるが、一度読んでしまえばよいタイプの本まで積んだままで居室の一部を専有している事実は許しがたい。コピーした論文など紙類は迅速に片づけたいが、パソコンで論文読むの苦手なんだなこれが。タブレットなどにも習熟しなければならない。

 

その4 CDを処分したい

リッピングしてフィジカルは処分してしまってスペースを作りだしたい。もっとも最安値をにらみながらアマゾンUKからわざわざ購入したようなものは手放しがたいのも事実。とはいえスペース問題で一番手を付けやすい、成果が見えやすいのはCDの処分だろう。

 

その5 オンラインストレージを選びたい

リッピングしたりスキャニングしたりしたところで、パソコンの中に入れておいたり外付けハードディスクに入れておいたりするとある日突然データがとんだりしそうなのでオンラインストレージの有料版を使って大容量を保存したいけど、OneDriveだのGoogleDriveだのDropboxだのあってどれを使えばいいか比較検討したい。というかむしろここを決めないとリッピング作業にも入れないし、旅行に行っても旅行先で画像や動画はその日のうちにオンラインストレージに移したい。

 

その6 タンスも処分したい

リッピングしたCDやらを除いたスペースにDVD-RAMをしまえば、いまDVD-RAMをしまっているタンスも処分できるのではないか。そうすればかなり居室のスペースが広くなる気がする。

 

その7 動画編集に習熟したい

2012年にターボルへ行ってデジカメで動画を撮って、これをうまいこと繋げて『わが祖国』の「ターボル」をかぶせて観光VTRを作るぜとか思ってたけど放置したまま。2011年のムジリのボールタッチをほぼ全部抜いたのでこれも全部繋げてスーパープレー集を作るぜとか思っていたけど放置したまま。何故か。動画編集ソフトをうまいこと動かせないからだろう。ソフトに習熟するって結局あーだこーだ言いながらいじっているうちにコツがつかめてくるものだろうと思うが、賃労働者の頃はそこに到達するまでの時間をどうしても気にしちゃう。休みの日に半日かけていじってたけど成果物無し、みたいなのに心が耐えられない。これをなんとかしたい。

 

その8 PCまわり、タブレットWi-Fiも改善したい

現ノートPCはビールをこぼして以来左側のシフトキーが動かない。それ以外はほぼなんともなく動いているのでもったいないけど、文章を集中して打つのにイライラするのも事実なのでなんとかしたい。結局この辺はオンラインストレージ問題、スマートテレビ問題、旅行にどの機器を持っていくのが正解か問題等と複雑に絡み合ってて、部分を使いやすく改善しながら全体の最適化も求めていきたい。

 

その9 ブログを書きたい

「ブログ書くために仕事辞めるとかwww」と言われると反論の余地もないが、書くリズムを取り戻したいと言った方が正確かも。本を読んだり映画を見たりして何か思うところがあってとりあえず初校を書いて寝てそのままのブログネタが20くらいはある。読み直すと、正確な事実関係を本で調べないとと思ったり、言いたい事を伝えるのにいまいちこの言葉ではハマらないなあ他の言葉に置き換えられないかなあと思ったりしながら結局詰める時間や余裕がなくてそのままになっている。インターネットの匿名の集合知に未来を見たロマンティックな人間だから、他に書いている人がいなくてネットの海に投げておいたら良さそうな事をブログに書いておきたいという気持ちはあるんだけどね。この辺り、再就職する頃までにリズムを作りたい。

 

こうして列挙してみても、びっくりするほどしょうもないことしかない。人生の効率化を図るための効率が悪いとしかいいようがないが、そこは無能であることを認めて無能なりに何とかするしかない。未だキンドルiTunesで実体のないコンテンツを買えない心理的障壁を何とかしろっていう話かもしれない。ネットでLCCのチケットやライブのチケットは平気で買えるのにね。

 

発展その1 旅行に行きたい

前述の事を9月半ばまでには完了したい。そして9月下旬から10月中旬の料金低めで気候が良い時期に旅行に行きたい。6年に1度訪れることにしているプラハはとりあえず確定、カール・ラデックの生まれたリヴィウに行きたいというのもある、EUEU外の国境を陸路で渡ってみたいという願望があって今のところウージュホロドが有力。福岡からフィンエアーを使っていくとなると、福岡~ヘルシンキワルシャワかなあ。そっからポーランドはあんまり興味ないけどバスや列車で移動した方が効率良いかなあ。タブレットスマホ持って、向こうでSIM買って、ホテルやら乗り物やらネットで予約しながら進む旅行したいよね、2018年なら。しかし移動しながら宿を探す旅なんて20年以上してないし、ビビッて日本からネットで全部準備して日程カチカチに固めて移動するのが無難かなあ、みたいなところでフニャフニャしている、今のところ。旅行に出る前に、リヴィウガリツィア関係の本にも一通り目を通しておきたいところだが、出来るかどうか。

 

発展その2 ロシア革命史を勉強したい

研究するんじゃないよ。サバティカルを言い出したそもそもは池田嘉郎『ロシア革命』を読んだ事に始まる。塩川先生もいろいろ指摘していたが、参考文献がないからこれが学界の最新通説なのか池田先生の尖った独自説なのかよく分からない。それが段々と気になってきた。その後ジャイルズ・ミルトン『レーニン対イギリス秘密情報部』を読んだが、これは裏面史。表の歴史をちゃんと把握してないのに裏面史を読んでも意味がわからない。これはいかんと。ちゃんと全体像を把握したい欲が出てきた。話は変わるけど『ロシア史研究』も『スラヴ研究』も今はネットでPDFで読めるんよね。マイナーな紀要論文だって国会図書館から複写を郵送してもらえるし。市井の民間人にとってこんなに学習欲を満たせる時代がやってきたのに、学習してない俺って何なの。それは人生の大きな損失だよ、ってのが今回のサバティカルの根底にある。まあサバティカル期間中に全部読むなんて事はあり得ないが、それこそ再び賃労働を始めてもそういうのを読む時間が作れるように人生のリズムを作りたい。

 

賃労働をして、それ以外の時間ゴロゴロ暮らしながら「うわー、時間がない。好きな事が出来ない」って言うのは、自分に対しての言い訳になるけれど、会社を辞めて「好きな事をするぞー」と言ったら言い訳できない。なので、なかなかのプレッシャーがある。1年後、前述した事を何も消化できてなかったらどうしようみたいな。すでにこの1ヵ月、有給消化に入っていたが、びっくりするほどゴロゴロ暮らしていただけに。怖い怖い。

(何か追記するかもしないかも)