パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

好きにならずにいられない


(写真はイメージ)
女の子にこんなこと言われたら、自分なら絶対好きになるという話。

毎年、シーズンが始まると父と一緒にスカパーで全試合見てたんだから。
いつも目を閉じてこう思い込むの。
「自分はいまビッグアーチにいる」って。
……
(テレビ実況の再現)
後半ロスタイム、右サイドからのFKを得ました。
森崎浩司が左足で蹴った!
ゴールに向かうボール!
京都ディフェンスがクリア!
駒野が拾って中央のストヤノフへ!
イリアンがクロスを上げた!
槙野がバイシクル!
キーパーは反応出来ない!
ああ、ポストに嫌われた!
……
もぉ、あの試合は絶対忘れない。
もちろん2部に落ちたんだけど。
それでもねぇ、槙野があのシュートを打った時のこと、覚えてる?

元ネタは『アリーmyラブ』セカンドシーズン第1話「切ない現実」から。というか、数カ月前にこのネタを思い付いて以来ずっと再放送で当該場面を確認したくて、今日FOXLIFEで念願叶ったわけだが、実際に見直してみると意外と印象的なシーンでもなかった。以下に元ネタ。

毎年、夏になると父と一緒にラジオで全試合聞いてたんだから。
いつも目を閉じてこう思い込むの。
「自分はいま球場にいる」って。
……
(ラジオ実況の再現)
ジャストミート! レフトへ大きな当たり……ホームラン!
これで1975年のワールドシリーズは第7戦にもつれ込みます。
カールトン・フィスク、シリーズ初のホームランはグリーンモンスターを越えました。
素晴らしい当たり。7対6。レッドソックスの勝利です。
……
もぉ、あの試合は絶対忘れない。
もちろん7戦目で負けたんだけど。
それでもねぇ、カールトン・フィスクがあのホームランを打った時のこと、覚えてる?
(隣の彼:まだ生まれてないから)
ああ、よね?

アリー、見てないじゃん。ラジオじゃん。フェンウェイパークにいないじゃん。最初に掲げたアトレティ娘の写真が台無しじゃん。ちなみにアリーの年齢が2000年春(3rdシーズン)で30歳だから、設定だと1970年生まれ。1975年のワールドシリーズだと5歳半。しかもラジオ。どうやらこれは成長してから見た映像で脳内補完した捏造記憶の予感。俺が10年前に見たアリーも脳内で美化されていたし。人間の記憶なんてそんなもの。
要するに、スポーツのことを嬉々として語る女の子って良いよなあ、親に無理矢理連れてこられた風だけどスタンドを走り回ったりせずじっとピッチを見ている子供って良いよなあ、ということを言いたかっただけだ。まあ入れ替え戦の時に5歳だったら2002年生まれということで、1974年生まれの自分としてはかなり苦しい設定。ついでに自分のスポーツ初観戦体験を自白しておくと、親戚の家へ遊びに行ったついでに後楽園球場で日ハムのナイターを見たが、野球に全く興味がなかった自分が愚図り出したのでさっさと席を立つこととなり、まだ見たかった兄貴に後々まで「お前のせいで帰ることになった」と責められることになるのだが、正直全く記憶にない。ミッチェルが特大ホームランを打ったらしいのだが、ミッチェルって誰だよ。ソレイタとクルーズの時代にならないと覚えてねえよ。
以下、余談。『2番目のキス』という映画はレッドソックスの熱狂的なファンが恋人の女性が主人公の話だという。WOWOWでやっていたときは詰まらなそうなのでスルーしていたのだが、後でニック・ホーンビィの"Fever Pitch"をサッカー→野球、ロンドン→ボストンに移植したハリウッド映画だと知り、見ておけば良かったと後悔することになった。それはさておき、米国バージョンの舞台が何故ボストンなのかを考えると、他の米国スポーツが快適なエンターテイメントを提供しようとしているのに対し、レッドソックスファンは敗北続きの歴史やボロくて変な形をしたスタジアムも物語として飲み込んでしまう点で、イングランドフットボールのファン気質と共通するものがあるのではなかろうかと勝手に推測している。