パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

『Nスペ』「新シルクロード〜激動の大地をゆく」

新シルクロード〜激動の大地をゆく」シリーズは前半が4編、今回の後半が3編。前半で自分が一番絶賛した国分拓氏が後半にいないとは、どういうことやねん。

「第5集 望郷の鉄路」2007/9/30初回放送、50分、撮影:佐々木剛、ディレクター:矢部裕一、制作統括:内山達、制作・著作:NHK
NHKWatch(http://scratchpad.wikia.com/wiki/NHKWatch)の中の人に伝わるとよいが、自分には「照明:正井淳之(×玉井淳之)」に見えた。エンドクレジットの文字をもう少し大きくしてくれると有り難い。
ヒジャーズ鉄道の跡を辿るという空間軸、イギリス統治に紛争の起源を求めるという時間軸、これを上手いこと交差させようという野心的な構成だったが、とっちらかって前提知識がない一般人を置いていった印象。「叫びの谷」で家族が呼び掛けるシーン、あれをクライマックス&エンディングに持ってくるという情緒的な人間物語で無難にまとめた方が良かったかもしれない。有名な映画をもってきた導入部にしろ「望郷の鉄路」というタイトルにしろ、センスはあると思った。

「第6集 “希望”の門〜トルコとクルド・2つの思い」2007/10/28初回放送、50分、撮影:竹内秀一、ディレクター:宮本祥子、制作統括:日置一太、制作・著作:NHK
トルコ政府から抗議を受けたのはPKKを良く描いたからというよりも、トルコ軍がNHKの撮影を中断させた場面の印象が悪かったからかと思えた。ディレクターが生々しいハプニングを好むのは習性だが、ああいうメインストーリーと関係ないことを敢えて放送するのは、トルコに対して悪意があると思われても仕方ない。
正式な抗議文書を読むと、

当番組ディレクターが当館に事前に撮影申請を提出された際も駐日トルコ共和国大使館としてあらゆる協力をいたしました。尚、トルコにおける撮影の際もトルコ共和国諸当局も最大の尽力を尽くしました。当館に提出された申請書類には番組のテーマ及び目標は「トルコの地政学的位置付け及び歴史背景、アタトゥルクに引き継ぐ国策・原理を日本の視聴者に紹介する」(添付資料参照)とありました。
http://www.turkey.jp/jp/NHK%20mektup%20Japonca.htm

これをやられると腹が立つのも分かる。申請書に嘘を書くのも取材テクニックの1つかもしれないが、1回使うと二度と信用されない諸刃の剣。素人にはお薦め出来ないが、NHKくらい権力があるなら別。

「最終集 祈り〜響く道」2007/12/2初回放送、50分、撮影:松田和司、ディレクター:吉田宏徳、制作統括:日置一太、制作・著作:NHK
申し訳ないが、あまり印象に残っていない。隠れ里でディレクターがほっぺた張られたシーンみたいのが頭に残り易いもの。