パロップのブログ

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CS「第16節・川崎フロンターレ戦」

2007/6/20放送、実況:下田恒幸、解説:田中孝司
ネガティブ解説でお馴染みの田中氏だが、相変わらず世に現れなかったもう一方の選択肢を指摘する様は変わらないが、やはり苦情も多いのか言葉に少し温かみが出てきたような気がする。そしてバルカンの男どもは放っておいたら永遠に話続けそうだ。

1週間に3試合の半ば、多湿の夏の夜、お互いに恐る恐る入り、打ち合っている内に段々と気力がみなぎってきたかと思えば、今度は体力の方が下降線を辿り始めて、平均値としては淡々と気合に満ちていた感じ。
「夜露に濡れる森を抜けて」と歌ってもおっさんしか分からないかもしれないが、森の中にあるビッグアーチは滑り易いのだろうか。盛田がいる位置の少し前方が一番やばかったのか、他の選手も滑っていた。
ウェズレイが中央の高い位置でボールを受けられないと厳しいし、駒野が2人くらいかわしてくれないと厳しい。ウェズレイが下がりながら後ろ向きから反転して駒野にサイドチェンジのパスを出す場面も減ってきたし、CKでウェズレイがリターンをもらうのも研究されたのかウェズレイの方へプレッシャーをかけてくるようになったし、攻め手がバレてきたとなれば、こちらもネクストステージへ進まないとなかなか難しい。
失点時は、駒野×ジュジュジュ、戸田×サハラで、ミスマッチというほどでもないが、上手いことスクリーンをかけられちゃったのか。他は盛田×ミノワ、カズ×クロツ、服部×ケンゴ辺り。サンフの2トップが前線に残っているから相手もイトーとSBのどちらかをマークに付けざるを得ないので、そこそこ人数は足りていたようにも見えたが(実際ペナの中では7対5くらい)。
44分辺り、相手の縦パスがクロツに通らず下田まで渡った際、クロツについて右まで流れていったカズに対して戸田が「それでよし!」みたいな声を掛けていたみたいだが、今日はやはりマークを受け渡さずにどこまでも責任をもってついていこう作戦だったのだろうか。DF転向以来、様々な場面でやられているような気がするカズだが、セットプレー以外では意外と純粋な高さや速さにやられていないような気もする。多分FWにはそれプラス「頓智」があるかどうかが重要。ということはカズから点を取るかどうか、素人DFを破るかどうかで、そのFWが身体能力的な基本スペック以外に必要な要素を持っているかをチェックすることが出来るとか。たとえば「カズを破れないようではアイディアに欠ける」みたいな使用法で。
端から見ていると、戸田がボールを持ったまま攻め上がりたそうにしている時は、そのまま青山と入れ替わって上がればよさそうに思えるが、よほど点が欲しい状況、たとえば負けている後半にならないとしない。戸田の話だと、ミシャとのディスカッションで「君の位置ではなるべく自重して欲しい」と言われているみたいだが、結局モダーンなDFというのは決して中盤に上がって組み立てる仕事を兼ねるわけではなく、あくまで最終ラインから組み立てが出来る能力を期待されていることになる。湯浅氏風に言えば「縦のポジションチェンジ」を繰り返せば、マークもずれ易そうだし、数的有利も作れるのではないか、そして日本的ではないかと考えてしまうのだが、ミシャの場合は「攻めの1対1は勝って当たり前」「守りは同数で守り切れて当たり前」という、どちらかといえばヤンセンガジエフ系譜に繋がる如何にもヨーロッパ風味の考え方のような気がする。まあ日本人同士のマッチアップに勝てなければ先はないし、Jリーグのクラブ同士で日本化しても仕方ないのも確かだけど、個人的には、戸田と青山が入れ替わり、カズが駒野を追い越し、浩司が服部と盛田を押し出し、カウンターを食らった時には後ろに浩司/青山/駒野しか残っていなかった、みたいな面白サッカーを期待していたので、その部分ではミシャに肩透かしを食らった思い。