パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS1『BSドキュメンタリー』「証言でつづる現代史:ダッカ・ハイジャック事件〜交信テープが語る106時間の攻防」

2006/6/4初回放送、50分、撮影:金沢裕司、リサーチャー:中井佐和子、ディレクター:久保田直、制作統括:山崎秋一郎/東野真、共同制作:NHKエデュケーショナル、制作協力:ドキュメンタリージャパン/奥村浩、制作・著作:NHK
自分が物心つく前に起こった事件なので、この番組が定説をなぞっているのか、新事実を発掘しているのかは分からないが、ことの顛末が過不足なく描かれているようだった。ただ、どうせなら実行側の丸岡修氏も取材すれば、より多角的になったかもしれない。獄中にいても、支持者に手紙等は出せるみたいだし。
石井一氏のバングラデシュ訪問記が在バングラデシュ大使館のサイト(http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/mailMagazine/mailmagazine59.html)にあり、番組を補完してくれる。これによると、石井氏の別件によるバングラデシュ訪問へ同行して取材したのではなく、この番組のためだけにディレクター氏が石井氏をバングラデシュへ連れてきたようだ。国会議員が会期中(2006/4)に大丈夫なのかと思ったら、落選中だった。ちなみに訪問記のうち回想部分は、石井氏本人のサイトにある思い出話コーナーからの再録。
番組ディレクターと個人的な交友があるらしいドキュメンタリー制作者氏のサイト(http://mizumakura.exblog.jp/4121969/)を読むと、「昨年の春、あるプロダクションのディレクターがバングラデシュで当時の交渉を記録したテープを発見した。そして、これまで語られることの少なかったこの事件の顛末を克明に調査して番組を作り上げ」たらしいのだが、どちらかといえば、ハイジャック事件の顛末を克明に調査する過程で、交渉を担当したマムード元将軍に当時の話を聞くためにアポをとったら「ワシはあんときの交渉テープを保存しているよ」という事実が発覚したのではないかと思われる。テープが出てきたことをきっかけに番組を作ったのではなく、テープが出てきたことで番組に深みが増したということかと。