パロップのブログ

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フランス暴動----移民法とラップ・フランセ

フランス暴動----移民法とラップ・フランセ

…どこかのマーケット・アナリストが考え出したレッテルを唯々諾々として受け入れる、どこかの国の若者と比べれば、まだメディアへの不信や憎悪があるだけマシにも思えるのだが、どうだろう。
(P.45)

遠回しな皮肉を言うくらいなら、ストレートに「日本の若者はクソ!」って書けば良いのに。まあ、こういう表現にカチンとくるのは、著者の問題ではなく、こちらが自意識過剰なんだろう。というか、ニートと命名された若者が「はいはい、勝手にニートと呼べば」とスルーしているのをみて、「近頃の若者にはメディアへの不信も憎悪もない」と、本気でこの著者は思っているのだろうか。入り口が広いというか、読者が手に取るきっかけもまちまちだと思われる類の本なのに、こういう読み手を世代やライフスタイルで分断させてしまいそうな紋切り型の表現を敢えて使う必要があったとは思えないのだが、どうだろう。
一応付け加えておくと、この抜き出した箇所以外は「行動するフランスの若者サイコー、物言わない日本の若者サイテー」という内容ではなく、地に足が着いた問題意識に則った内容なので、自分のようなフランス・ラップ事情の素人には勉強になった。