パロップのブログ

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BS1『第4節・京都パープルサンガ戦』

2006/3/21放送、実況:内山俊哉、解説:加茂周
いかにも下位チーム同士の試合。突出した個人のいないスマートな試合。広島が年に3回くらいアウェイの下位チーム相手にやってしまうぼやけた試合の典型。まあ、広島側が「リカルドや大久保から点が取れないようじゃ…」と思っているのと同様に、京都さんも「ロートル小村とか若造吉弘とか雑魚過ぎ」と思っているだろうことは想像出来る。
開始3分の失点はノープレッシャーだった吉弘のパスミスからだったと思う。その他にもちょいちょいミスあり。監督ならば90分間集中を保てないDFを使うのは怖いだろうし、残念ながら次節はジニ&吉弘ではなくジニ&小村が濃厚。
毎節毎節、ベットさんのシュートを枠内に飛ばさない超絶テクニックを見せつけられてしまう。

大木さんの電池が55分くらいに切れたのがみてとれたが、ウェズレイと代わる予感は全くしなかった。結果的に55〜65分の所で、ゲームの流れを失う形となった。中盤フラットの場合は、ベットとハンジェの位置を交代させるのが定石だが、途中交代必至の大木さんと上野を先発させた今節は、ベット&ハンジェのどちらかを90分間使わざるを得ず、中盤プレスが出来なくなる事が予想される60分以降が来る前に、ウェズレイ中心のカウンターで駄目押し点を取ってゲームを終了させたかった意図は何となく分かる。前節の事を考慮すれば、ウェズレイをFWに入れて、上野を1コ下げて守備に頑張らせ、そこで余力も尽きたら浩司辺りに交代させる手もあっただろうが、所詮は結果論。余談だが、中盤フラットの場合、電池切れOMF2枚を代える事が前提として、最後のカードをFW投入に使いたい場面、しかも負けているのでFW→FWはしたくない場面では誰と代えるのか。普通のチームならば4バックのSBどちらかを下げる選択肢もあるはずだが、広島の場合、駒野のアーリーフィードはパワープレイで不可欠だから、代えるならば服部だろう。しかし今や服部が衣笠化しているので代えられず、結果的に交代の選択肢を減らしているのでは、という懸念がある。ここでの懸念は「服部の調子が悪い時は、代わりに若手を使えや」というものではもちろんなく、あくまで連続90分フル出場記録が戦術的な途中交代の幅を狭めているのでは、という懸念。
今節を見る限り「和幸はカズと戸田のどちらか1枚でいいや」というのが大方の総意だろうが、小野監督は多分違う。小野監督に関する誤解の一つは「戦術優先、選手の個性無視」というものだが、実際には出る選手に合わせて戦術を採用していると思う。ただ出る選手の優先順位が決まっている。今のチームならば、上からジニ/駒野/服部/小村/カズ/戸田///寿人/ウェズレイ//ベット///ハンジェ//上野/大木/浩司/一誠/クワダ/吉弘/青山…辺りか。まずピッチに出したいと考える信頼出来る上位10人がいて、その10人が最も活きる布陣を考える。何らかの事情で10人に欠員が出た場合、11〜18番台グループから繰り上げ、新たな10人でまた最善の布陣を考える。「先に布陣があり、それぞれのポジションに1番手・2番手がいて、1番手がダメなら2番手が繰り上がり」とはならない。昨年のベットFW起用や、前節の上野MF起用もそれで説明がつく。ただ、18人程の上位グループに入る所で個々人の特徴以上に重要なのが、恐らく監督からみて「最低限出来なきゃ困る」という基準で、最低限の基準が高過ぎるのでなかなか若手を使わないのだろう。たまに若手を数試合使ってから再び干すのは「最低基準に達していないのは承知の上で実戦をやらせてみたら、巡り合わせをモノにする強運の星を持っているかもしれない」というようなことを試しているのではなかろうか。実力的にお眼鏡にかなったわけではないので、星を持っていなければ、当然逆戻り。
要するに、小野監督は「中盤フラットをやりたい」という戦術的願望が先だっているわけではなく、「マイ起用優先順位の最上位にいるW和幸を活かすとすれば、中盤フラットしかない!」と考えており、当然カズがいなければ中盤フラットを放棄するし、カズが戻ってくれば当然中盤フラットは復活する、というのが自分の推測。