パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS-hi『ニューオーリンズ ハリケーンのあとを歩く』

2006/2/4初回放送、74分、撮影:地主浩二/佐藤二郎、ディレクター:花房周一郎、プロデューサー:斉藤圭介、制作統括:小谷亮太、共同制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK
BS-hiで放送している『世界ふれあい街歩き』という45分番組用に撮影した2005年7月のニューオーリンズの映像と被災後(12月)の映像を交互に見せる作品。なので、先月放送された藤原帰一が案内役を務めたドキュメンタリーとは何の関係もない全くの別物らしい。
被災前に撮影した映像を編集して「この映像は7月に撮影されたものです」なんてテロップを入れ、『世界ふれあい街歩き』としてののほんと放送するわけにはいかなかっただろうし、こういう形にして正解。というか、ある意味こんなチャンスが偶然転がってくることもなかなかないわけで、製作者も内心はつらかったかもしれないが「人の不幸こそジャーナリストの飯の種」と自分に言い聞かせてよく頑張った(と想像する)。「7月の映像に映っていた人を捜す」だけで市井の人々を描いた見事な人間ドラマになった。
藤原版は水に浸かり、全く復興の進まない貧しい地区を徹底して取材していたが、こちらの対象はほとんど水に浸からず、いま復興している最中の繁華街・金持ち地区。恐らく元々の企画が「通りで常に音楽が流れている街を歩く」というものだったのだろうが、うまいこと藤原版と補完し合っているのも良かった。