パロップのブログ

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自分の事

自分が中学生の時、野球部の同級生で元木大介に心酔し、バットを立てる元木独特の打撃フォームまで真似ている奴がいた。いま調べたら、その頃(1987〜89年)、元木はまだプロになっていなくて高校生だった。スポーツの世界で、中学生に憧れられる高校生なんてそうそうはいないだろう。静岡以外のサッカー小僧がカズやゴンではなく、清水商の天才小野伸二に憧れるようなもの。そのくらいのカリスマ的存在だった元木を知っていると「なんとまあ才能を無駄にしたことだろう」という気持ちも湧いてくるのだが、考えてみると、ライバル達に比してほとんど練習もせずに15年間プロ選手でいられる才能を天から授かり、メディア露出の多い憧れの巨人にごねて入団でき、何度か優勝も経験し、年間1億円以上の稼ぎがあり、シーズンオフには読売系列のテレビに出まくり、美人アナウンサーと結婚し、野球関係か芸能関係かは分からないが読売系列に留まれば、引退後も食いっぱぐれる心配もない。恐らく若い頃に描いていた夢は全部叶った、何の不満もない野球人生ではないか。無責任な外野からすれば「もっとやれたはずなのに」などと思うけど、「その〈もっと〉とは何?」という話だ。「個人タイトルを獲る」とか「個人成績で名を残してやる」とかいう欲求がない人間にとって、日本プロ野球は「今よりもっと頑張らなければ」という動機を生まないシステムだったのではないかと思う。もし仮に、メジャーリーガーも参加する真剣勝負の場(真のワールドシリーズ)が存在し、その日本代表になる事は野球人としてとてつもないステータスで、もちろん代表に選出されるには所属する球団で常時活躍していなければならないとすれば、それでも元木はああだっただろうか。すっかりサッカー寄りの人間になってしまった身としては、そんな想像をしてしまう。ちなみにプロ野球に関する自分の記憶は、リリーフ湯舟がびびって四球連発したのを最後に、後はオマリーがオリックス相手の日本シリーズでファール連発していた事くらいしかない。よって、ここ最近の元木その他プロ野球については、ネットや新聞の情報頼りなので、あやふやな伝聞に騙されている箇所もあるだろうが、その辺は御容赦を。