パロップのブログ

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モー娘。史(3年1周説)

基本的に音楽を知らない歴史家の書いた音楽史のようなものだと思って生暖かく読んでもらえると有り難い。

  • はじめに

一応、「74分CD-Rで作るモーニング娘。アルバム『3.5』」(http://d.hatena.ne.jp/palop/20050228)と74分CD-Rで作るモーニング娘。アルバム『真・愛の第6感』」(http://d.hatena.ne.jp/palop/20050302)の続編なので、そちらから読んでもらえると有り難い。そもそも上記2つは、本来、流れの中でオリジナルアルバムが出るはずのタイミングで、ベストアルバムを出したためにオリジナルアルバムが出なかったから、自分で勝手に作ろうという企画であるが、作った後、『3.5』は石黒以後の集大成、『真・愛の第6感』は保田以後の集大成になっているのではなかろうかと、偶然思いついた。ベストアルバムが出たのは『1』がリーダー中澤卒業直前、『2』はエース安倍卒業直後で、モーニング娘。という物語の節目としては当然のタイミングだが、音楽的にはそう必然性がない。音楽的には、石黒卒業までが1周目、保田卒業までが2周目、それ以後が3周目と考えた方が自然ではないだろうかという話である。

  • 1周目:1998年1月〜2000年3月(ピークは1999年春)

2枚のシングルと1枚のアルバムを出したところまではいかにも企画アイドル然としていたのが、『DHOM』でつんく氏が何かを掴んだのか、音楽的飛躍を遂げて『セカモ』と福田卒コンで最初のピークを迎える。特徴はコーラスの美しさだろうか。噂に聞いた石黒さんの抜けた穴の大きさを2001年3月以降にヲタになった自分はリアルで体験していないので、石黒脱退に伴うつんく氏の苦悩と落とし前については、あいだ氏のサイト(http://page.freett.com/lucyskycloud/godspeedyau.htm)を参照されたし。「『ラブマ』が下降期かよ」という批判もあるだろうが、音楽体制の成熟期・緩やかにピークを下っている時に放ったメディア戦略的なヒットというのがここでの史観なので御容赦願いたい。

  • 2周目:2000年5月〜2003年5月(ピークは2002年春)

ピークは『4thいきまっしょい』と2002年春ツアー、特徴はユニゾンの力強さだろうか。もちろんユニゾンだけでなく、ソロパートを歌うエースがエース然として、下支えする実力派がいる、様々な意味でバランスのとれた時代だったといえるかもしれないが、個人的にはソロパートでカットインしてくるやっすーの印象的な声が好きだった。この「やっすー声中心説」こそ、本稿で一番説明しなければならない部分のような気もするが、能力不足なので一般論でサラッと流す事とする。
余談だが、『3rd-LOVEパラダイス』も『No.5』も体制の過渡期に出たアルバムという事で、個々の曲を取ってみれば悪くないのに、全体としてノーコンセプトだったために評価が低くなるのは残念な事である。逆にいえば「偶数番号アルバムは傑作」という伝統というか神話も、体制のサイクルを考えると論理的に説明がつく話である。

  • 3周目:2003年7月〜(ピークは2005年春)

保田さんの声が抜け、上手い下手という部分とは別のところでいよいよ軽い子供声ばかりとなり、バックに寺田ボイスの含有量が増したのは仕方ない事かもしれない。3周目のピークはもちろん今、『愛の第6感』と2005年春ツアーである。特徴はブツ切りパート割と寺田ボイスだろうか。ソロボーカリストの集合体をモーニング娘。と呼ぶ事に抵抗があるやもしれないが、それはまあ善し悪しではなく好き嫌いの範疇だろう。個人的にはブツ切りパート割大好きっ子なので、今が一番好きかも知れない。たとえば『声』のガキさんや『涙が止まらない〜』の紺野さんのようなソロで際立つ曲を保田さんなんかに用意出来なかった時代を振り返ると「これはこれでええやん」と思う。
余談だが、つんく氏は『シャボン玉』『恋ING』『出来る女』辺りで新生モーニング娘。の手応えを掴んでいたのではないだろうか。それを即実行に移せなかったのは安倍さんと(特に)辻加護の卒業を待たねばならなかったからで、『Go Girl』から『かしまし1』までのつんく氏のやる気の無さはその辺に起因すると思われる。『浪漫』も含めて頭を捻った跡が全くみられない。一応辻さん1推しの自分としては、つんく氏が辻加護中心のモーニング娘。を描けなかった事を残念に思うし、2003年秋から2004年夏の期間、モーニング娘。としての時間が浪費された事も残念に思う。

  • 4周目:2006年5月頃?〜

組織面というか音楽面では第3のピークにいるのに、セールス面・メディア露出面で底にいるというのは残念だし、理論上はこれから徐々に下るのだから、なおさら難しい。個人的には、来年春までに藤本さんと愛さんが脱退して4周目が始まると推測している。より成熟する前に中心メンバーが抜け、新しいスタイルを目指すというシステムである以上、ボイトレやダンスレッスンに重きが置かれないのも仕方ないと言えなくもない。
「新人にエースやらミラクルやら名乗られて現メンバーは悔しくないのか」というお怒りの声を聞く事もあるが、エースというのは、これまでの流れを断ち切り、1からの体制作り直しを要求するような歌やダンスの達人を意味するのではなく、何も出来ないド素人なのにセンターにいてメンバーもファンも納得するようなオーラを持つ怪人・変人を指し、今の中心メンバーはメディアの前で「久住さんは凄いんです」と言いながら、支えてあげて欲しい。実務は現メンバーが精一杯頑張れば良いのだから。

  • おわりに

要するに「売れてないし、人気もないけど、今って最高じゃん」という事を、久住さんが入った曲を聞く前に書いておきたかった。3月に下書きしたまま放置していたら、明日からハロコンなんで取り急ぎ乱筆乱文で。
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