パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

CS「第12節・大宮アルディージャ戦」

2005/5/15放送、主審:上川徹、実況:上野晃、解説:高木琢也
イメージとしては、3センターの仮想ミランと4-4-2フラットの仮想(少し前の)ユヴェントスが、ゲームのツボを押さえたイタリア式0-0を続けた末、ロスタイムにスーパーサブ仮想トマッソンのゴールで仮想ミランの勝ち、という試合か。
当たり障りのないぬるま湯解説に定評のある高木氏が、前半44分、ゴール前でパスを選択した茂原に厳しかったのが妙に面白かった。「トラップでボールを浮かし、反転してボレーしろ」とか軽く言うけど、自分の現役時代だって滅多に出来なかったじゃないか。しかも茂原はFWじゃないのに「元々のポジションなんて関係ない」みたいなこと言うし。
ジニーニョのヘディングは飛距離が出る上に、方向も味方へコントロールされているので惚れ惚れする。若い時分にどんな訓練をしたら、あんな技が身に付くのだろうか。
すっかりカズがバックパスしなくなってしまったのは喜ぶべきことだろうが、よくカズが茂原や駒野からの横パスをノートラップで出す縦パスの精度が低いので、正直お薦め出来ないと思っていた。しかし『VarietyFootball』の「“デシャン式”モナコのライン破り」(http://www.fujix.co.jp/varietyfootball/archive/detail_06.html)を読んで、カズはDFラインが"ON"とも"OFF"ともつかない状況で裏を狙っているのかもしれないと思い始めた。まあ、選手がテレビの前の素人より頭を使っているのは当たり前だが、広島では裏に抜ける動きをする選手がほとんどいないのが残念。というか、むしろ「チーム戦術として機械的に取り入れろよ」という話かもしれない。
後半最初から駒野に代えて池田を投入。テレビで見た感じ、クリスティアンが(広島からみて)右に流れてきた時は、池田がどこまでも追い掛け、センターから左へ移動するとマークをジニーニョへスイッチし、池田がスイーパーみたいな位置取り。小村対森田、服部対久永は固定で、中央でプレーしたがる藤本を、茂原が左サイドまで付いて回る。相手選手の特徴と茂原の特徴をうまく活かした左右非対称な変則3バックか。
大木に代えて浩司を投入。ベットが1コ前に上がり、ツインズでダブル守備的底。後半からベットとカズが底に並んでいたが、ベットは守備的なポジションに固定されると持ち味も消えてしまったようで、攻め手がなくなりつつあったので正解。ただ浩司がこの低目のポジションで良いのかという問題もある。個人的には、ベットを後ろ、浩司を前にして、ベットが自由奔放に攻め上がった時には、浩司が下がってまるで本職のようにボランチをこなす、というのが机上の理想だが、そもそも浩司からスタメンを奪ったのは大木なのか、ベットなのか、茂原なのか、という「浩司の適性ってどこ?」問題も内包しているので難しい。とにかく、浩司はカップ戦4試合フル出場して試合勘を取り戻せ。
上手く機能していた変則3バックが、クリスティアン→桜井によってにわかに不安定化する。森田が右に流れるので池田が相手をし、桜井は2列目に下がってボールを受けてからドリブルを始めるので掴みにくそう。恐らくマーカーが付いていってドリブルがスピードに乗る前にガツンといくのが良さそうだが、小村はスピードに自信がないだろうから、最終ライン上で天才ドリブラーを迎え撃つことになった。右サイドで池田・茂原対森田・藤本の2対2になると藤本も動き易そう。広島の場合、CBが中央で跳ね返せる状況だと(もちろんリスクをもって自分たちが攻めに掛からざるを得ない状況の場合だが)サイドからのクロスは好きにさせておけという方針をとるだけの自信があるようだが、ドリブラーに中央を攻められるともろさもある。仮にスピードを持っている吉弘がベンチにいれば、それこそ桜井にマンマークさせてもよさそうだが、そういう個人能力者への対策にカードを一枚切ると、最終盤に攻撃のカードが切れなくなってしまい、後から「引き分け狙いだった」と批判されそう。実際、桜井対策に交代枠を使わずに無失点で抑え、切り札の前俊カードを切って勝ったわけだから。