パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

BS1『BSドキュメンタリー』「世界を変えた56日間の戦い〜ボー・グエン・ザップ 93歳の証言」

2004/7/17放送、50分、取材:竹内亮/山本真由美、構成:松本武顕、プロデューサー:嶺英一、制作統括:北川恵/塩田純、制作協力:NHKエデュケーショナル、制作:著作:NHK/ホームルーム
ちなみにNHKサイトでは、放送当日までタイトルが「世界を変えた56日の戦い〜ベトナムディエンビエンフー陥落50周年」となっていた。貴重なザップ氏の証言をゲット出来たのは少なくとも放送の1カ月以上前(1954年5月7日がディエンビエンフー陥落の日)だろうに、編集ギリギリまで「ボー・グエン・ザップの証言」と「ディエンビエンフー陥落50周年」のどちらを優先して副題にしたら良いか迷ってしまったのか。個人的には「ディエンビエンフー陥落50周年」の方が副題に相応しいと思う。更にいうと、一般人にはピンとこない気取り過ぎなメインタイトルをつけたのがそもそもの失敗だろう。「松本武顕」で検索すると『日本解放戦線・三里塚の夏』という映画にあたるので、ジョン・リードの『世界を揺るがした10日間』に憧れている社会派系の人なのだろうと推測されるが、オマージュは元ネタが知られているから成り立つのであり、今や『世界を〜』自体がほとんどの人にとって記憶の彼方だと思う。東欧ソ連好きの私でも難易度が高い。
内容はグッジョブ。戦争ドキュメンタリーは大抵、政治ドラマ(交渉の1コマとして)や人間ドラマ(プロジェクトペケみたいな)として従属させられる事が多いが、軍事作戦をきちんと描いたドキュメンタリーは珍しい。
米国軍がベトナムで苦戦したのは、北ベトナム側が米国と戦う前に対フランス戦で、戦闘の経験値を高めていたからだろうと推測される。それから塹壕作戦は、中国人民解放軍の軍事顧問が国民党との戦いや朝鮮戦争の経験を元にアドバイスしたということだ。