パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

『8 Mile』

岡山メルパ1
観る前は「どうして映画系雑誌は《『L.A.コンフィデンシャル』『激流』などの佳作で知られるカーティス・ハンソン監督の最新作は、音楽業界を舞台にした伝記作品!》みたいな煽りにしないんだ。前評判に関係なく普通に上質な映画を観る事が好きだが、現在進行形のショービズ状況や俳優のゴシップには興味ないタイプの人にも訴える広告はうたなくて良いのか?」と思っていたが、私が間違っていた。1000円の日とはいえ、日曜日の午前中=1回目の上映からあんなに人がいるとは思わなかった。しかも女子中高生が連れ立って来ていた。どうやらエミネムの名はそれ程のものらしい。もしかしたら《BOA推薦》とか《リップスライム推薦》なのかもしれないが、私には分からない。2回目に至っては通路に行列が出来ていた。多分メルパの人も数字が読めなかっただろうと思う。今頃は「どうして一番大きな部屋を『あずみ』にあててしまったんだぁ。しくじったぁぁぁぁ」と思っている事だろう。映画の内容は、正しくアイドル映画。ブルース・リー映画を観て映画館から出てきたら「アチョー」とやってしまうように、この映画を観て出てきたら韻を踏みながら歩きたくなる。現実のエミネム物語はほとんど知らないけれど、映画のみから判断すれば、お母さんは貧乏白人として苦労しているだけで良い人そうだし、「北条早雲の法則」として誰かが出世した場合は、無名時代につるんで支え合っていた仲間には、それなりの利益を分配してやるべきだよな、とは思ってしまう。誰も彼も「あいつの才能はオレが発掘したんだよ」とか言いそうだけど。個人的に一番好きな場面は、レイナード・スキナードの曲に合わせて、全然違う歌詞で歌うところ。通常は物凄い速さで流れていくエンドロールでも、4曲1画面で15秒くらい止まってくれたのが良かった。とりあえず時代背景に合わせて10年前くらいに有名だった人の曲が使われているらしいのと、権利関係が異常に複雑な事は分かった。