パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

『ETV2002』「スターリン〜死のカルテ」

2002/5/13放送分、構成:馬場朝子、制作統括:仁平雅夫/安斎尚志
何の時事ネタにも絡まず、何故いまこの内容なのかは不明だが、例えプロデューサーの趣味でも「面白いから」で充分。ロシアの文書館から日本人研究者の誰かが未公開文書を発見したのではなく、ロシア政府が興味深い史料を外貨獲得のため、馴染みのNHKスタッフへ非公式に声をかけたものと推測される。スターリンの死後表に出てきた4人が、スターリンの側近だったという情報は知らなかったので、勉強になった。秘密警察のベリヤ、政府のマレンコフ、党と首都のフルシチョフ、軍のブルガーニンと、四銃士の役割分担はどっかの裏話ネタで、ベリヤはスターリンの死後、他の3人と協調し、普通の権力者とやっていきたいと思っていたのに、他の3人がベリヤにびびって先んじて殺したというのがあった。その後まずブルガーニンが脱落、結局行政組織と党組織はどっちが強い? フルシチョフの勝利、だったと思う。別段私腹を肥やすでもなく、ほとんど眠らずに執務(数千人の死刑執行書に延々とサインなど)を行っていた70歳の老人スターリンは、心から「全能の神」ヲタだったんだろうな。スターリン以後も外相に居られたモロトフは、多分ユダヤ系の妻を持った苦労への同情票。ロイ・メドベージェフは歴史系評論家としては知名だが、歴史家としてはどうなんだろう。スターリン暗殺ネタで『フルスタリョフ、車を』に触れないのは如何なものかと。