パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

『ETV2001』「麻薬・エイズ〜エストニアの誤算」

2001/7/26放送、撮影・報告:後藤健二、構成:児島芳樹、制作統括:小出由美子
インディペンデント・プレスのフリー・ジャーナリスト後藤健二の単独取材をスタジオで見ながら語る方式。前半は2001年5月に取材の現状報告、公式には89年以来、エストニアはEU加盟を目指して自由経済へと改革中、旧社会主義国の中では優等生で、2005年の加盟候補一番手。現実には市場開放なんぞ急速に進めたら先発資本主義国の下請けになるのは当たり前で、国内産業は崩壊、仕方なくロシア相手に輸出していたのに98年のロシア通貨危機でそれもだめ、99年からはマイナス成長に転じ、失業者はとりあえず語学力のない在エストニア・ロシア人からで、ヘロイン打ってエイズにかかっているのはロシア系ばっかり、2000年より注射針の使いまわしでエイズ患者激増。「夢なんかねえよ。今日1日なんとか過ごせればいいよ」といって、仕事なく、友人と昼間から集まってヘロイン打っているロシア系若者、友達になれそう。生まれも育ちもエストニアなんだけど、エストニア語出来ないし、社会的に排除されっぱなしのロシア系はアメリカのアフリカ系のように「確かに法的には平等らしいが、チャンスを得る以前の問題が多過ぎ」な状況になっていくのだろう。そりゃあ、ヤクも広まるよ。んで、エストニア系の人々は「ロシア人の奴ら、仕事もせず、ヤクばかりやって、金欲しさに犯罪も増えて厄介者だよ」と愚痴る。番組後半は子供のホームレス/エイズ感染者/麻薬中毒者を救う運動をしているNGOの活動を報告。それほど印象には残らない。ドキュの出来としてはまあまあか。(採点6)