パロップのブログ

TVドキュメンタリーの記録は終了しました

『証言記録 市民たちの戦争』2011/1-2012/1

NHK総合証言記録 市民たちの戦争「“捕虜”と向き合った戦争 愛媛 別子銅山 

2011/1/8初回放送、25分、撮影:増田泰伸、取材:有馬未来子、ディレクター:佐藤網人、制作統括:沢田博史、制作・著作:NHK松山 

国の意向が強く働く民間銅山会社が舞台。そもそも銅山って何?国と会社の関係は?軍人と民間人の関係は?等々、現代人にとって想像しにくい背景が多々あるなか、わずか25分という制約もあってそうした背景説明はすっ飛ばして、番組の主旨通り証言を繋げて構成してみたら、デヴィッド・リンチ風のパッチワーク物語になっていた。 

ずっとこの証言シリーズを見ているが、地方局が制作したものの方が恐らく上層部の命令である「“戦争は二度としてはいけない”視点で描きなさい」に忠実。「取材した→戦争はよくないという証言が集まった」ではなく「戦争はよくないという証言を集めてまわった」の違いとでもいおうか。 

証言中の「筋金が違うぞ!」の使い方が現代的でなく、意味が分からない。「筋が違う」と「筋金入り」は語源が同じ? 

太平洋戦争中、銅の増産を強いられた愛媛・別子銅山。国によって動員された連合国の戦争捕虜に向き合った人々による厳しい監督の様子や、拷問の実態を市民の証言で伝える。

… 

『証言記録 市民たちの戦争』「“還らざる島”からの脱出 北方四島の戦争」 

2011/1/8初回放送、25分、取材協力:千島歯舞諸島居住者連盟、撮影:遠山光晴、取材:佐藤恭孝、ディレクター:川村正祐、制作統括:古庄拓自、制作・著作:NHK釧路

北方四島満州のようにソ連軍が侵攻してきて住民が逃げ出したものと思っていたが、実際には南ベトナムキューバのような状況だったらしい。勉強になった。

ロシアのメドヴェージェフ大統領が国後島に訪れ、日本が返還を求めている北方四島を実質的に支配しているのがロシアであることをアピールした。 北方四島が戦争中にロシアに占領され、島民が島から逃げ出したことや住民が退去を命じられて現在に至るまでのことを関係者に話を聞いた。 

(参考) 

『Nスペ』「北方領土 解決の道はあるのか」 

2011/2/13初回放送、50分、撮影:坂井恭昌/金澤嘉昭、コーディネーター:ビクトル・フィラートフ、リサーチャー:柳原緑、取材:佐藤恭孝/吉見和紀/関義幸/大濱敦、ディレクター:田中雄一/横井秀信、制作統括:古庄拓自/齋藤敦、制作・著作:NHK釧路・札幌

『証言記録 市民たちの戦争』「“朝鮮人軍夫”の沖縄戦 

2011/2/27初回放送、25分、撮影:ユ・ジンハ、リサーチ:チョン・ミョンギュ、編集・ディレクター:伊藤王樹、制作統括:宮本英樹、制作・著作:NHK沖縄

『証言記録 市民たちの戦争』「軍用機工場の戦い~群馬・中島飛行機 

2011/3/6初回放送、25分、撮影:中村圭嗣、ディレクター:守屋博之、制作統括:河野康彦、制作・著作:NHK前橋

『証言記録 市民たちの戦争』「封印された大震災―愛知・半田市 

2011/8/9初回放送、25分、撮影:川崎智弘、ディレクター:山崎啓明、制作統括:林幹雄、制作・著作:NHK名古屋

変に道徳的なナレーションを付けず、証言で締めたのは上手い。全く知らなかった事実だし、このシリーズでは屈指の出来だと思った。

予算のあるNスペ辺りだと、崩れる建物の構造をCGで分かりやすく説明してくれるんだろうけど、地方局の限界もまた良し。

放送前の仮タイトルは「封印された大震災―愛知・半田」。何で本放送では“市”が付いたのやら。

以下、史料としての番宣3バージョン。

太平洋戦争後期の昭和1912月、東海地方を、マグニチュード7.9の巨大地震が襲った。死者1200人以上に達した大震災で、被害が集中したのが、軍用機工場だった。建物の倒壊により、工場で働いていた10代の少年少女が、命を落とした。しかし、この事実は、国の徹底した情報操作によって、“封印”される。国は、なぜ地震の被害を隠そうとしたのか。近年発見された機密資料や被災者の証言から、大震災の実態をひもとく。

太平洋戦争終盤、愛知県をM7.9の大地震が襲った。しかし国は大地震の被害を、徹底的に“封印”する。その真相を近年発見された資料からひもとく。

太平洋戦争終盤、愛知県をM7.9の大地震が襲い、激震に見舞われた知多半島中島飛行機の半田工場では、建物が全壊し、がれきの下敷きになった153人が無惨な死を遂げた。しかし国は、大地震の被害を徹底的に“封印”する。その真相を、内務省検閲課の検閲日誌や、大震災の極秘報告書などの最新資料、そして学徒動員中に被災した体験者の生々しい証言から、ひもといていく。

『証言記録 開拓者たち―千振開拓団の80年』 

2012/1/1放送、30分、撮影:毛利立夫/王革、取材:中井大紀、ディレクター:中村豊、制作統括:松居径/矢島良彰/北川恵/杉田浩光、制作・著作:NHKNHKエンタープライズ/テムジン/テレビマンユニオン 

永井とく「大豆やコーリャンを貰っても食べられるわけがない。二人目の子を亡くした」 

証言される高齢者がみんなホガホガ喋ってて聴きとり辛いんだけど字幕無し。何故か一箇所だけ字幕が出てきて、その部分は特別聴きとり難いってわけでもないという謎仕様。 

露助とか匪賊とか言うけど、持ち上げるべき開拓者だから言葉狩りするわけにもいかないし。悪いのは国と軍で、無垢なる民衆ではないし、傀儡国家満州

地方局に置いておくにはもったいないと思ったNHK名古屋・山崎啓明ディレクターはその後、ちゃんと実績を積んでいた。俺の慧眼たるや。それは冗談としても、取材力や批判精神は分からないけど構成力や演出力は割と見抜ける力量を身に付けたと思っている。

インテリジェンス1941

インテリジェンス1941

 

『証言記録 兵士たちの戦争』2011/12-2012/3

『Nスペ』「証言記録日本人の戦争 第1回アジア 民衆に包囲された戦場」 

2011/12/3初回放送、75分、撮影:南部祐/鈴木正実、リサーチャー:藤岡ひかり/高柳陶子、コーディネーター:柳原緑 ほか、取材:久木元太/太田宏一、ディレクター:宮本康宏/米本直樹、プロデューサー:矢島良彰、制作統括:伊藤純/藤田英世、制作協力:テムジン、制作・著作:NHK

『Nスペ』「証言記録日本人の戦争 第2回太平洋 絶望の戦場」 

2011/12/4初回放送、50分、撮影:南部祐、リサーチャー:藤岡ひかり/森史雄、取材:小柳ちひろ/太田宏一、ディレクター:宮本康宏/米本直樹、制作統括:伊藤純/藤田英世、 制作・著作:NHK

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『戦争証言スペシャル』「運命の22日間~千島・サハリン(樺太)はこうして占領された~」 

2011/12/8初回放送、110分、撮影:須田眞一郎、コーディネーター:ナターシャ・ガリャーチェワ/イリーナ・マハラゼ/エテリー・サコンチコワ/チョン・ミョンギュ/柳原緑、取材:尾形和義/福士誉太/藤井沙織/笹本賢光、ディレクター:金本麻理子、制作統括:塩田純/宮田興、制作:NHKエデュケーショナル、制作・著作:NHK/椿プロ

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『証言記録 兵士たちの戦争』「中国華北 占領地の治安戦 独立混成第4旅団」 

2011/12/10初回放送、45分、撮影:鈴木正実、ディレクター:米本直樹、制作統括:伊藤純/矢島良彰/鳥谷部寛巳、共同制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/テムジン

百団大戦(1940年)

『証言記録 兵士たちの戦争』「輸送を命じられた精鋭部隊 駆逐艦・第二水雷戦隊 

2011/12/10初回放送、45分、撮影:鈴木耕一、取材:吉越美恵、ディレクター:中山宙、制作統括:藤田英世/田嶋敦/宮田興、制作:NHKエデュケーショナル、制作・著作:NHK/東京ビデオセンター

『証言記録 兵士たちの戦争』「フィリピン・ルソン島 補給なき永久抗戦 陸軍第23師団」 

2012/3/4初回放送、45分、撮影:岩永裕二、コーディネーター:村山幸親、ディレクター:田村圭香、制作統括:田中美利、制作・著作:NHK熊本 

自活自戦、永久抗戦、師団2万人、地獄病院

『証言記録 兵士たちの戦争』「台湾先住民“高砂族”の戦争」 

2012/3/4初回放送、45分、撮影:後藤一平、取材:後藤一樹、ディレクター:小柳ちひろ、制作統括:伊藤純/鳥谷部寛巳/矢島良彰、共同制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/テムジン

「三つの名を生きた兵士たち~台湾先住民“高砂族”の20世紀~」 

2012/8/11初回放送、90分、撮影:後藤一平、取材:野沢美慧(?)、ディレクター:小柳ちひろ、プロデューサー:太田宏一、制作統括:伊藤純/戸沢冬樹/矢島良彰、制作:NHKエデュケーショナル、制作・著作:NHK/テムジン

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『証言記録 兵士たちの戦争』「さまよい続けた兵士たち~グアム島 終わりなき戦場~」 

2012/3/20初回放送、45分、リサーチャー:中里雅子、コーディネーター:小川昌司、撮影:宮下裕史、ディレクター:水嶋大悟、制作統括:竹中友美、制作・著作:NHK松山

『証言記録 兵士たちの戦争』「満州国軍~“五族協和”の旗の下に~」 

2012/3/31初回放送、60分、撮影:後藤一平、コーディネーター:全欣/バリジニマ/キム・ヘギョン、取材:内山直樹/野沢美慧(?)、ディレクター:小柳ちひろ、制作統括:伊藤純/宮田興/矢島良彰、共同制作:NHKエデュケーショナル、制作・著作:NHK/テムジン 

エンドクレジット録画に失敗したので推測含む。

『証言記録 兵士たちの戦争』 2010/9-2011/8

硫黄島 地下壕に倒れた精鋭部隊~鹿児島県歩兵第百四十五連隊」 

2010/9/29再放送(9/25初回放送)、45分、撮影:尾崎康治、ディレクター:茶岡昌宏、制作統括:佐藤日美、制作・著作:NHK鹿児島 

2万人が犠牲となった小笠原諸島硫黄島。全国からの“寄せ集め部隊”が大部分を占めた守備隊の中で唯一、現役兵が多数を占めていたのが、鹿児島で編成された陸軍歩兵第145連隊であった。日本の敗色が濃厚となる中、武器弾薬のみならず、水一滴米一粒の補給さえ絶たれ、アメリカの本土進攻を遅らせるための“捨て石”とされた硫黄島将兵たち。最前線から生還した5人の兵士の証言記録をもとに、硫黄島の戦いを描く。 

「“人間爆弾”桜花~第七百二十一海軍航空隊」 

2010/10/30初回放送、45分、撮影:梶川和義、ディレクター:興野理/井上将治、制作統括:河内博之、制作・著作:NHK水戸 

放送前の仮タイトルは「人間爆弾“桜花”~第721海軍航空隊 

太平洋戦争の戦局が悪化するなか、大本営は特攻兵器の開発を進めていた。そのひとつが「桜花」。1トンを超える大型爆弾を積んだ飛行機型の兵器だ。茨城を拠点とする第721海軍航空隊(神雷部隊)が編成され、沖縄に侵攻するアメリカ軍の艦船への攻撃が始まる。しかし、重い桜花を運ぶ爆撃機は、十分な護衛もなく、目標に達する前に次々と撃墜されてしまう。生と死のはざまで兵士たちは特攻作戦をどう戦ったのか、証言から探る。 

「ブーゲンビル 墓島と呼ばれた戦場~都城・歩兵第23連隊」 

2010/11/27初回放送、45分、撮影:古賀慶行、ディレクター:木村建治、制作統括:桶谷学、制作・著作:NHK宮崎 

サイトの紹介文には「一貫しない指揮系統にほんろうされ続け~」とあるが、この戦場の過酷さはそれが原因ではないだろう。ということで少しピントのずれた作り方だったような。 

パプアニューギニアの東部ブーゲンビル島。“墓島”と呼ばれた戦場に送り込まれたのが、「都城歩兵第23連隊」だ。連合軍の圧倒的な物量の前に苦戦を強いられ、連隊は全滅の危機にさらされる。態勢を立て直すため、いったん後方へ退却する決断をした連隊長もいたが、軍上層部は「敢闘精神に背く行為」として激しい非難を浴びせる。一貫しない指揮系統にほんろうされ続け、2年半にも及ぶ戦いを続けた23連隊の戦争の実相に迫る。

華北・ゲリラ掃討戦 敵は民の中にありて見えず~島根県・歩兵第163連隊」 

2010/12/25初回放送、45分、撮影:吉田真也、ディレクター:山本直史、制作統括:小澤泰山、制作・著作:NHK松江 

仮タイトルは「中国華北 敵は民の中にありて見えず~島根県 歩兵第163連隊」 

八路軍というのはね…着ているのは便衣でしょ」をテロップでは「来ているのは平服でしょ」にしてた。 

「日本軍が行ったら日本軍の専用の村長が出て来るし、八路軍が来たら八路軍専用の村長が出てきて話をして、それで集落がうまいこともっていったわけです」 

恨み骨髄 

日中戦争で、占領地の警備を担当していた島根県の歩兵第163連隊の元将兵たちの証言を伝えるドキュメンタリー番組。163連隊が課せられた治安維持活動の前に立ちはだかったのは、中国共産党の軍隊、八路軍だった。163連隊は、八路軍の神出鬼没のゲリラ戦に苦戦する。年々激しさを増す戦いの中、部隊は八路軍の大軍勢がこもる村の討伐を行う。しかし終戦間近には、中国国民政府軍との最前線に立ち、壊滅状態に陥る。 

「沖縄 終わりなき持久戦の結末~陸軍第24師団」 

2011/1/29初回放送、45分、撮影:千葉健二、ディレクター:長野圭吾、制作統括:齋藤敦、制作・著作:NHK札幌 

冒頭のナレーションから「その無謀な決断がさらなる悲劇を~」とか価値判断を交えて説明されると萎える。インタビューイの発言引用ならいいんだけどね… 

北海道の部隊で、制作も札幌放送局なのに、出ているのは部隊に合流した沖縄出身者ばかりだったのも残念。 

「南太平洋「軍旗海没」~兵庫県・篠山 歩兵第170連隊」 

2011/2/26初回放送、45分、撮影:鈴木正実/中川隆、取材:滝川祐二、ディレクター:内山直樹、制作統括:伊藤純/鳥谷部寛巳/矢島良彰、共同制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/テムジン 

長きに亘った戦争における知られざるエピソードとしては面白いけど、それで動きのある映像ドキュメンタリーが撮れるかといえば別の話。

「トラック諸島~消えた連合艦隊 

2011/3/31再放送(3/26初回放送)、45分、撮影:宮川公一郎、取材:蘆田香奈、ディレクター:佐々木伸之、制作統括:藤田英世/宮田興/田嶋敦、制作:NHKエデュケーショナル、制作・著作:NHK/東京ビデオセンター 

仮タイトルは「トラック島の戦い」 

白井桂司(通信兵、85歳) 

笑顔で淡々と回想しながら話せているはずが、「ここまで言うと泣けちゃう」でスイッチが入って涙を流しながら言葉に詰まる場面、番組最大の山場、NHKが証言を残すために敢えて撮影する意義が感じられる処だが、巻き戻して確認すると、前後を入れ替えているようだ。前の場面ではハンカチ片手に鼻水流している。証言の流れをスムーズにする演出だろうが、ここは笑顔で話す→言葉に詰まる→ハンカチ手にする→気持ちを切り替えてまた笑顔で話す、の流れのまま放送して欲しかった。

… 

「“特攻の目的は戦果にあらず”~第二〇一海軍航空隊」 

2011/8/15初回放送、45分、撮影:金沢裕司/松井孝行、コーディネーター:村山幸親、ディレクター:大島隆之、制作統括:藤田英世/鳥谷部寛巳、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK 

特攻に関しては、もう目新しい証言が出てくることもないだろうし、こういう枠で放送することもなかろうと正直思った。

「悲劇の撤退作戦~ツルブ・松田支隊」 

2011/8/16初回放送、45分、撮影:高田純、ディレクター:和田雄介、制作統括:中沢淳人、制作・著作:NHK鳥取 

松田支隊=歩兵141連隊+53連隊=6000人 

2300人死亡 

700人不明 

「奥さんがおるんじゃのう…」「奥さんがいらして」 

兵士を輸送する駆逐艦が連合国軍の制空権だから全速力で走り抜ける。甲板の缶詰とかボロボロ海に落ちるけど拾えない。 

「陸軍軍医の戦場」 

2011/8/17初回放送、45分、撮影:岩永裕二、取材:白数直美/太田宏一、ディレクター:舟迫将信、制作統括:伊藤純/薮下真宏、制作・著作:NHK

『証言記録 日本人の戦争』「前編1937-1944」 

2011/8/20初回放送、180分、撮影:服部康夫、ディレクター:伊勢朋矢/太田宏一、制作統括:伊藤純/藤田英世、制作・著作:NHK

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『証言記録 日本人の戦争』「後編1945」 

2011/8/21初回放送、180分、撮影:服部康夫、ディレクター:江南亮/太田宏一、制作統括:伊藤純/藤田英世、制作・著作:NHK