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パロップのブログ

主にTVドキュメンタリーを記録します

今日23時〜の『BS世界のドキュメンタリー』再放送は松本武顕作品!

ドキュメンタリー

もうすぐ『BS世界のドキュメンタリー』「ホーチミンルートを行く〜勝利に導いた2万キロの戦略路」の再放送があるので、良いタイミングだと思って紹介する。これまで本ダイアリーで扱った松本武顕ディレクターの作品は以下の通り。

検索すると小川プロダクションという所で土本典昭氏などと仕事をしている社会派ドキュメンタリー界では有名な人らしいが、私は知らない。これまでの作品を見る限り、冷戦期の日本と東南アジアの関係を問い直している人という印象を持っていた。

BS世界のドキュメンタリー』「ホーチミンルートを行く〜勝利に導いた2万キロの戦略路」
2010/11/29初回放送、50分、語り:中條誠子、資料提供:国営ラオス映画局/ABC/ロイター通信社/CBS、撮影:前川光生、コーディネーター:チャン・フィ・コン/ソムサック・トンターウォンスワン、ディレクター:松本武顕、制作統括:三雲節/中西利夫/石垣巳佐夫、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK日本電波ニュース社
ホーチミンルートを行く」はホーチミンルートの始点ケヴェから終点ブージャマップまでを行くロードムービー。途中途中で今に残る戦争の爪痕を映す。蟻や枯葉の映像が多い。1959年に北ベトナムによる南側解放闘争を決めた15号決議、1960年に南ベトナム解放民族戦線結成、1961年にホーチミンルート建設開始。

BS世界のドキュメンタリー』「“ベトコン”と呼ばれた人々〜戦いはベンチェ蜂起で始まった」
2010/11/30初回放送、50分、語り:中條誠子、資料提供:ロイター通信社/ABC、取材協力:ベトナム外務省新聞局、撮影:谷津賢二、コーディネーター:チャン・フィ・コン、取材:藤本将太/樋口ホア、ディレクター:松本武顕、制作統括:三雲節/中西利夫/石垣巳佐夫、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK日本電波ニュース社
オープニングのナレーション:

冷戦時代、世界を揺るがしたベトナム戦争。統一に至る15年に及ぶ戦いを、ベトコンと呼ばれる人々がどう生き抜いたのか。証言で描きます。

が示す通り、1960年にベトナム戦争の先駆けとなった蜂起が起きたベンチェ省で今も暮らす南ベトナム解放民族戦線メンバーによる15年戦争の証言を繋げたもの。ですます調ではなくである調で人間が喋っている狙いがよく分からない。作文を読んでいるみたいで不自然な感じ。
本筋とは関係ないが、ファン・ゴク・タオ(ベンチェ省知事)は南ベトナムの中でも特に過酷な共産党弾圧が行われていたという理由から解放戦線に暗殺されかかったはずなのに、実は北ベトナムから送り込まれた共産党員だったことの矛盾の理由が、このドキュを見ただけではよく分からなかった。過酷さの首謀者ではなかったが象徴的な権力者として狙われたのか、敵を欺くためにまず味方にも過酷にしたのか。

11月の初回放送時はすごく期待して見たのだけど、正直あまり頭に入ってこなかった。今回見直してみたが、やはり分かりにくい。もちろん単純に私の知識不足で、地図や年号を極力表示しない演出だったために流れから置いていかれたのかもしれない。しかしそれ以上に感じたのは、このドキュメンタリーは日本人向けには作られていないのではないか。これまでの松本作品に感じた“日本の戦後史を問い直そう”という視点が全然感じられない。むしろ1975年に戦争が終わってから35年経ち、当時の歴史を知らない若いベトナム人のために、70代以上になったベトナム戦争の当事者証言を今のうちに映像記録を残そう。そんな風に映った。そう考えると、あの吹き替え翻訳のこなれて無さも「製作費出しているのは日本のテレビ局だから日本語訳も一応付けといてやるか」というこだわりの無さのように受け取れる。この10年の間に松本氏が作ったドキュメンタリーに対して何の反響も起こさなかった日本社会を松本氏はもう見切ってしまったのだろうか。

最近見た日本電波ニュース社作品のデータも以下に掲載。

『日曜スペシャル』「ネパール母の家〜「人身売買」から少女を救え」
BShi:2010/12/27再放送(BS1:2000/2/6初回放送)、60分、撮影:前川光生、コーディネーター:稲田定重、取材:斉藤美香子 他、構成:古賀美岐、プロデューサー:石垣巳佐夫、制作統括:織田柳太郎/岡崎泰、共同制作:NHKエンタープライズ21/日本電波ニュース社、制作・著作:NHK

BS世界のドキュメンタリー』「内偵員〜インド・人身売買との闘い」
2009/4/18再放送(3/15初回放送)、45分、撮影:柿木喜久男、取材:長谷川まり子、アシスタントプロデューサー:池原暢寿、ディレクター:島田陽磨、制作統括:三浦尚/鳥本秀昭/熊谷均、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK日本電波ニュース社
NGO「レスキュー・ファウンデーション」の活動記録。

BS世界のドキュメンタリー』「ハイチのマザーテレサ
2010/7/10初回放送、50分、取材:遠藤正雄、撮影:柿木喜久男、ディレクター:星野堂夫、制作統括:山崎秋一郎/熊谷均/寺園慎一、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK日本電波ニュース社
終戦直後に結核専門医になり、日本ではそれほど深刻な病気でなくなったので、ハイチへ渡る。資格を持った技術者が必要とされる海外へ移住する。グローバル化への適応の先駆けと見ることもできる。
同僚のカナダ人修道女はおそらくフランス系。修道会とかイスラム共同体とか華僑とか印僑とか、国境を越えた共同体があると便利。

ETV特集』「ハイチのマザーテレサ〜83歳 日本人女性の挑戦」
2011/1/23初回放送、60分、取材:遠藤正雄、撮影:柿木喜久男、ディレクター:星野堂夫、制作統括:増田秀樹/寺園慎一、制作協力:日本電波ニュース社、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK